魔法少女に就職希望!

浅上秀

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第八章 打倒四天王!

第三話 ユリvs西の王 マタハラ

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霧が晴れた時、ユリも一人だった。
ユリが飛ばされたのは巨大な冷蔵庫の中のようだった。

「なにここ・・・」

辺りを見回すが、霜しか見えない。

「俺様のテリトリーへようこそ、魔法少女」

奥の方から舌なめずりをした怪人が出てきた。

「あんたは・・・」

「はははは、そうだ、俺様だ」

「誰だっけ」

ユリは首を傾げた。
アミ同様に修行中に大量の怪人を相手にしていたため、日本で戦った怪人の記憶などないに等しかった。

「き、貴様、俺様を知らないだと!!??」

怪人が顔を真っ赤にする。

「知らない、初めまして」

ユリは冷たく言い放つ。

「おのれ・・・俺様は魔法怪人団オンナノテキ、四天王の一人で西の王、マタハラ様だぞ!!!!」

「そう」

ユリは怪人の自己紹介を聞いても流す。

「まぁいい、直ぐに思い出させてやろう・・・俺様の圧倒的なパワーを思い知るがいい!!!」

怪人が高笑いし始める。

「あっそ・・・さっさと終わらせようっと」

ユリはだるそうにあくびをした。

「変身」

「変身を開始します」

ユリの腕時計からテノールボイスが流れる。
光に包まれたユリはピンクのコスチュームに身を包んでいた。

「魔法少女ユリ、変身した」

「まずはお手並み拝見と行こうか・・・生理痛休暇なんかいらねぇ、ハラスメントアロー」

氷の矢が飛んでくる。
ユリはロットで弾き落とした。

「何この程度?」

「まだまだっ・・・妊娠しても家事くらいお前がやれ、マタハラアイスロック!」

巨大な氷がユリの頭上から落ちてくる。

「ぺしゃんこになってしまえ!」

「粉々にくだけ、シャッター」

ユリが呪文を唱えた瞬間、氷の塊はダイヤモンドダストのようにきらめく小さな光になった。

「なぬ!ではこれでどうだ・・・妊娠は病気じゃないから電車で座るな、マタハラアイスフラッシュ!」

雪玉のように硬い氷の玉が飛んでくる。

「さっきからワンパターンな攻撃」

ユリは全てロットで打ち砕いた。

「で、では次は・・・」

「もういい加減あきた。さよなら」

マタハラが技を出す前にユリは怪人との距離を一気に詰めて、急所に魔法弾を叩きこむ。

「我が魔法よ、拳となれ。魔法弾発射!」

「うわああああああ」

マタハラの急所に決まった魔法弾により、怪人は断末魔をあげて散っていった。

「さてと、アミはどこかしら」

ユリはスタスタと倉庫を抜け出してアミを探しに向かうのだった。







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