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どうしようもない話
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あるところに女子大生がおりました。
彼女の名前はさつき。
彼女には今まで恋人がいたことはなく、恋に憧れや夢を抱いる俗に言うロマンチストでした。
彼女はある日、アルバイト先で優しい男の人に出会いました。
さつきよりも一つ年上の男性です。
彼は何かあるとさつきをフォローしてくれて、裏で二人きりになると話しかけてくれます。
さつきは舞い上がりました。
ようやく、自分に優しくしてくれる男性が現れたと。
…
そんなある日、アルバイトの飲み会がありました。
飲み会の席で彼と偶然、近くに座ることができました。
幸い共通の趣味があり、話がはずみます。
そして連絡先を交換することもできました。
毎日、留まることなくメッセージがやり取りされます。
やりとりを始めて数日で二人きりで会いたいという話になりました。
さつきは快諾しました。
2人で待ち合わせ。
さつきは嬉しくて嬉しくて、当日はネイルを新しくして、少し普段とは違う服装で可愛くみえるように頑張りました。
仲のいい友人にも相談して、一緒に服装を考えてみたりもしました。
そうして待ち合わせて彼と2人でカフェに入ります。
そこでの彼は今までとは別人でした。
優しさは虚構だと笑って話す彼。
そのほうが軋轢を生まないから、女なんて優しくしておけば、上手く生きていける。と、笑う彼。
お前も騙されているんだと嘲笑う彼。
それでもさつきは彼が素を見せてくれた。
自分にだけ、取り繕わずに接してくれた。
と、都合よく解釈してしまいます。
さつきにとってはとても幸せな時間でした。
…
2人はその日、帰宅してからも変わらずメッセージのやり取りは続きました。
友人に彼とのことを相談していたさつきは、食事に誘うように提案されます。
勇気を振り絞り、彼を食事に誘うことにしました。
彼は快く誘いになってくれました。
2人で週末、ランチに行くことになりました。
さつきはこれまで以上におしゃれに気を使いました。
お店選びも慎重にします。
そしてあっという間に当日をむかえました。
…
彼は待ち合わせに遅れてきました。
それでもさつきはドキドキと喜びで笑顔で彼を待っていました。
さつきが選んだお店に着くと、かなり混雑して皆並んでいます。
彼は行列を一瞥すると別のところにしようとさっさとエレベーターに乗ってしまいました。
さつきは少し悲しく思いました。
しかし彼は待つのが嫌いなのだと思い、別のお店に向かいました。
空いていたお店が近くにあり、2人で入ります。
美味しそうな料理を注文しました。
2人でいることはバイト先の人には内緒にして欲しいと彼に言われているので、SNSに今日のことを載せられません。
そのため料理の写真は撮りませんでした。
…
彼はこの後、どうする?
と、さつきに尋ねました。
さつきは食事の後のことは考えていませんでした。
その気があるならと言われ、ホテルに誘われました。
ここで断ってしまうと、せっかく築いた彼との関係が終わってしまう。
そう思い、さつきは誘いにのりました。
さつきには初めての男性との経験です。
しかし全く気持ちよくなることはできませんでした。
むしろ局部を触ることや口に含むことを強要され、とても不快な思いをしました。
事が終わり、2人でホテルを出ました。
その時に彼はしきりに誰かに見られたらどうしよう。
と人の目を気にしていました。
…
あれから、彼との連絡は細々としたものになりました。
さつきは思い切って、自分のことをどう思っているのか聞いてみました。
彼の返答はとても残酷なものです。
恋愛として好きではない、と。
友達として仲良くして欲しい、と。
さつきは深く傷つきました。
自分は遊ばれたのだと。
しかし彼は以前、言っていました。
学生なんだから少しくらい遊んでおきたい、と。
何もさつき相手じゃなくてもよかったのではないでしょうか。
またこうも言っていました。
自分は今までできた彼女に浮気され続けたから、今度は自分が女で遊んでやるんだ、と。
何もさつきで遊ぶことはなかったのではないでしょうか。
いいえ、彼にとってきっとさつきはとても都合の良い女だったのでしょう。
…
それか一週間後に彼がバイトを辞めることになりました。
彼は辞めてしまう記念に、さつきに手を出したのでした。
彼は飲み会の日、前の飲み会が嘘だったかのようにさつきとは一言も話しません。
近づきもしません。
さつきはこれでよかったのだと自分に言い聞かせて、彼を忘れようと努力しました。
…
飲み会から数日後、さつきは彼が自分のSNSに既読をつけなくなったことに気づきました。
自分は彼の友達ですらなくなったのだとさつきは思いました。
それから彼のSNSはフォローしたものの見ないようにしていました。
…
それから2ヶ月ほどが経ち、さつきの心もだいぶ落ち着きを取り戻しました。
そんな時、別の友人が彼のSNSを見せてきました。
そこにはさつきを振った1ヶ月後に恋人ができ、今はその恋人と仲良くしている彼の姿があります。
さつきはまたあの傷を穿り返してしまいました。
やはり、自分は遊びだったのだ。
さつきの傷は癒えることはありません。
さつきは彼のせいで、男の人を信じる事ができなくなりました。
憧れていた恋をする勇気も失いました。
しかしさつきをこんな目に合わせた彼は、幸せそうに生きています。
さつきは心の中で彼を呪うことしかできないのでした。
あぁ。
なんて不公平な世の中なのでしょう。
彼女の名前はさつき。
彼女には今まで恋人がいたことはなく、恋に憧れや夢を抱いる俗に言うロマンチストでした。
彼女はある日、アルバイト先で優しい男の人に出会いました。
さつきよりも一つ年上の男性です。
彼は何かあるとさつきをフォローしてくれて、裏で二人きりになると話しかけてくれます。
さつきは舞い上がりました。
ようやく、自分に優しくしてくれる男性が現れたと。
…
そんなある日、アルバイトの飲み会がありました。
飲み会の席で彼と偶然、近くに座ることができました。
幸い共通の趣味があり、話がはずみます。
そして連絡先を交換することもできました。
毎日、留まることなくメッセージがやり取りされます。
やりとりを始めて数日で二人きりで会いたいという話になりました。
さつきは快諾しました。
2人で待ち合わせ。
さつきは嬉しくて嬉しくて、当日はネイルを新しくして、少し普段とは違う服装で可愛くみえるように頑張りました。
仲のいい友人にも相談して、一緒に服装を考えてみたりもしました。
そうして待ち合わせて彼と2人でカフェに入ります。
そこでの彼は今までとは別人でした。
優しさは虚構だと笑って話す彼。
そのほうが軋轢を生まないから、女なんて優しくしておけば、上手く生きていける。と、笑う彼。
お前も騙されているんだと嘲笑う彼。
それでもさつきは彼が素を見せてくれた。
自分にだけ、取り繕わずに接してくれた。
と、都合よく解釈してしまいます。
さつきにとってはとても幸せな時間でした。
…
2人はその日、帰宅してからも変わらずメッセージのやり取りは続きました。
友人に彼とのことを相談していたさつきは、食事に誘うように提案されます。
勇気を振り絞り、彼を食事に誘うことにしました。
彼は快く誘いになってくれました。
2人で週末、ランチに行くことになりました。
さつきはこれまで以上におしゃれに気を使いました。
お店選びも慎重にします。
そしてあっという間に当日をむかえました。
…
彼は待ち合わせに遅れてきました。
それでもさつきはドキドキと喜びで笑顔で彼を待っていました。
さつきが選んだお店に着くと、かなり混雑して皆並んでいます。
彼は行列を一瞥すると別のところにしようとさっさとエレベーターに乗ってしまいました。
さつきは少し悲しく思いました。
しかし彼は待つのが嫌いなのだと思い、別のお店に向かいました。
空いていたお店が近くにあり、2人で入ります。
美味しそうな料理を注文しました。
2人でいることはバイト先の人には内緒にして欲しいと彼に言われているので、SNSに今日のことを載せられません。
そのため料理の写真は撮りませんでした。
…
彼はこの後、どうする?
と、さつきに尋ねました。
さつきは食事の後のことは考えていませんでした。
その気があるならと言われ、ホテルに誘われました。
ここで断ってしまうと、せっかく築いた彼との関係が終わってしまう。
そう思い、さつきは誘いにのりました。
さつきには初めての男性との経験です。
しかし全く気持ちよくなることはできませんでした。
むしろ局部を触ることや口に含むことを強要され、とても不快な思いをしました。
事が終わり、2人でホテルを出ました。
その時に彼はしきりに誰かに見られたらどうしよう。
と人の目を気にしていました。
…
あれから、彼との連絡は細々としたものになりました。
さつきは思い切って、自分のことをどう思っているのか聞いてみました。
彼の返答はとても残酷なものです。
恋愛として好きではない、と。
友達として仲良くして欲しい、と。
さつきは深く傷つきました。
自分は遊ばれたのだと。
しかし彼は以前、言っていました。
学生なんだから少しくらい遊んでおきたい、と。
何もさつき相手じゃなくてもよかったのではないでしょうか。
またこうも言っていました。
自分は今までできた彼女に浮気され続けたから、今度は自分が女で遊んでやるんだ、と。
何もさつきで遊ぶことはなかったのではないでしょうか。
いいえ、彼にとってきっとさつきはとても都合の良い女だったのでしょう。
…
それか一週間後に彼がバイトを辞めることになりました。
彼は辞めてしまう記念に、さつきに手を出したのでした。
彼は飲み会の日、前の飲み会が嘘だったかのようにさつきとは一言も話しません。
近づきもしません。
さつきはこれでよかったのだと自分に言い聞かせて、彼を忘れようと努力しました。
…
飲み会から数日後、さつきは彼が自分のSNSに既読をつけなくなったことに気づきました。
自分は彼の友達ですらなくなったのだとさつきは思いました。
それから彼のSNSはフォローしたものの見ないようにしていました。
…
それから2ヶ月ほどが経ち、さつきの心もだいぶ落ち着きを取り戻しました。
そんな時、別の友人が彼のSNSを見せてきました。
そこにはさつきを振った1ヶ月後に恋人ができ、今はその恋人と仲良くしている彼の姿があります。
さつきはまたあの傷を穿り返してしまいました。
やはり、自分は遊びだったのだ。
さつきの傷は癒えることはありません。
さつきは彼のせいで、男の人を信じる事ができなくなりました。
憧れていた恋をする勇気も失いました。
しかしさつきをこんな目に合わせた彼は、幸せそうに生きています。
さつきは心の中で彼を呪うことしかできないのでした。
あぁ。
なんて不公平な世の中なのでしょう。
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