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さえには幼少期から一緒にいた幼馴染がいた。
幼馴染の名前はりか。
さえよりも一つだけ年上だったが、いつもおねえさんぶっている子だった。
りかとさえの家は向かえ合わせだったので、物心がついた時から毎日のように一緒に遊んでいた。
朝から晩まで様々な遊びを飽きることなく二人で楽しんだのだ。
特にりかは男勝りでアウトドア派である。
バトミントンをやることが好きで、よく内気でインドア派なさえを外にひっぱりだしていた。
「り、りかちゃん、待ってよ」
肺が弱く、あまり走れないさえをりかはいつも追い立てた。
「遅いってばぁ、早く来てよ」
自転車に乗って道の端まで競争した時、りかは決まって先にゴールをしていつもさえを怒る。
「わーい!また一番!ねぇ、なんでさえはそんなに遅いの?」
「ご、ごめんなさい…」
さえはいつもりかに謝っていた。
…
でもりかはいつもさえに怒っているわけではなかったのだ。
例えば二人でバドミントンをして車庫の上に羽根が上ってしまった時、文句を言いながらも、りかは大人を呼んできて羽根をとってくれた。
「次はちゃんと打ち返してよね」
「う、うん」
さえが今考えると車庫の上に上がってしまうようなバトミントンのシャトルをまだ幼く低身長のさえが返せるはずもなかったのだ。
…
りかに遅れること一年。
さえが小学生になり初めての運動会で、リレーの選手として走ることになった
その時、りかはさえの練習に付き合ってくれた。
「もっと速く走って!」
「う、うん!」
さえは時折咳き込みながらも頑張って走った。
おかげでその年のさえのリレーは大成功だった。
…
小学校生活、二人が被っていた五年という長い時間の中、係りや委員会で同じ仕事につくこともあった。
自由研究はお互いに一番に見せあった。
さえにとって美しく色褪せない、まるでシャボン玉の反射のように綺麗な思い出だった。
幼馴染の名前はりか。
さえよりも一つだけ年上だったが、いつもおねえさんぶっている子だった。
りかとさえの家は向かえ合わせだったので、物心がついた時から毎日のように一緒に遊んでいた。
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特にりかは男勝りでアウトドア派である。
バトミントンをやることが好きで、よく内気でインドア派なさえを外にひっぱりだしていた。
「り、りかちゃん、待ってよ」
肺が弱く、あまり走れないさえをりかはいつも追い立てた。
「遅いってばぁ、早く来てよ」
自転車に乗って道の端まで競争した時、りかは決まって先にゴールをしていつもさえを怒る。
「わーい!また一番!ねぇ、なんでさえはそんなに遅いの?」
「ご、ごめんなさい…」
さえはいつもりかに謝っていた。
…
でもりかはいつもさえに怒っているわけではなかったのだ。
例えば二人でバドミントンをして車庫の上に羽根が上ってしまった時、文句を言いながらも、りかは大人を呼んできて羽根をとってくれた。
「次はちゃんと打ち返してよね」
「う、うん」
さえが今考えると車庫の上に上がってしまうようなバトミントンのシャトルをまだ幼く低身長のさえが返せるはずもなかったのだ。
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りかに遅れること一年。
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その時、りかはさえの練習に付き合ってくれた。
「もっと速く走って!」
「う、うん!」
さえは時折咳き込みながらも頑張って走った。
おかげでその年のさえのリレーは大成功だった。
…
小学校生活、二人が被っていた五年という長い時間の中、係りや委員会で同じ仕事につくこともあった。
自由研究はお互いに一番に見せあった。
さえにとって美しく色褪せない、まるでシャボン玉の反射のように綺麗な思い出だった。
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