学校にいる人たちの卑猥な日常

浅上秀

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先生だって合コンがしたい

中編

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「乾杯!」

お酒や美味しそうな料理がテーブルを埋めるが植田の心は荒んでいた。
女性二人はそれなりに美人だったし気立てもよさそうだったが植田は微塵も惹かれない。

「植田さんと城戸さんって同じ学校の先生なんですよね?」

女性に声をかけられて植田は慌てて笑顔を取り繕う。

「えぇ、お二人は城戸とはどういったご関係で?」

「私が城戸さんにナンパされたんです~」

「そうそう、バーで可愛い子が隣に二人もいたから思わず声かけちゃった」

城戸は全く悪びれる様子もなく笑いながら酒を飲んでいる。

「へぇ、そうなんですね」

植田は謎の感情をお酒と一緒に飲み込んだ。

そのまま特に盛り上がることもなく平坦に時間は過ぎていった。



「俺ちょっとトイレ」

程よく全員にアルコールがいきわたった時、城戸がトイレに立った。
非常に気まずい中、植田は残されてしまった。

「あの、植田さん、ちょっといいですか」

城戸の姿が完全に見えなくなったところで女性二人が目を合わせて植田に話しかけてくる。

「え、えぇなにか?」

「実は私たち二人とも彼氏がいるんです」

「へ?」

「私たち城戸さんの妹さんと同僚なんです。だからバーでナンパされた話、嘘なんですよ」

「だから城戸さん、私たちに彼氏がいることご存じなんですけどなんか急に合コンみたいなことさせてくれないかって頼まれて」

「へ、へぇ、なんか城戸のせいで悪かったね」

「私たちは無料で美味しいごはん食べられるからいいかって今日来たんですけど…ねぇ」

「うん」

微妙な空気の中、城戸が戻ってきた。

「どうかした?」

「いや、なんでも」

こうして女性二人と連絡先を交換することもなく店を出てそのまま別れたのだった。



「折角ナンパしたかわいい子たちだったのにそのまま帰して良かったのかよ」

植田は城戸にかまをかけてみることにした。
彼の真意がわからないのだ。

「それな、一人くらいホテルにお持ち帰りしたかったなぁ」

「残念だったな」

「慰めにもう一軒付き合ってくれよ」

「いいけどまた女性が待ってたりしないよな」

「もういないって」

二人で近くのホテルの上階のバーに入ったのだった。

「お前、女の影とかないから良かれと思って合コンをセッティングしてやったのによぉ」

酒が回りまくった城戸は植田に向かって管を巻き始めた。

「そろそろ帰るぞ」

「まだいいだろ~」

「このままだと終電なくなるぞ」

「えー」

城戸がごねるせいで結局終電を逃してしまった。
幸い、飲んでいたバーのあるホテルの部屋が空いていたので泊まることになった。
ただしダブルベットに男二人でだが。

「はぁ、しかし城戸がこんなに酔うなんて珍しいな」

顔を真っ赤にして意識もほぼ朦朧としているように見える。
いつもの城戸は何杯飲んでも顔色を変えず態度も変わらない。
よっぽど女性を持ち帰れなかったことが応えたのだろうか。
植田自身もかなり酒を飲んでいたので城戸が寝転がったベットに浅く腰かけた。



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