開発されに通院中

浅上秀

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初めて旅行に行きます編

5話

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真壁は近藤が寝入ったのを確認すると、持ち帰った書類を精査していた。
不意にベットサイドに置いたスマホが鳴ったので確認したが、真壁のスマホにはなんの通知も来ていなかった。

「あれ?…てことは猛のか」

猛のスマホの画面を覗くと画面が明るく光っていた。

「着信か…」

真壁は他人のスマホを覗く趣味はないので、そのまま放置してすぐに猛の横に寝転がった。



次の日の朝、二人は起きて一緒に朝食を食べていた。

「そういえばさ」

「ん?」

コーヒーをすすりながら新聞に目を通していた真壁が顔を上げた。

「今日夢でスマホで電話してたんだけど、部長のためにヅラを取り寄せなきゃって焦ってヅラのメーカーに連絡とってたんだよ」

近藤は思い出し笑いを浮かべた。

「なんだよそれ」

真壁もつられて笑ってしまった。

「今日部長見たら笑っちゃいそうだ…」

「あ、スマホで思い出したんだけど、夜中にお前のスマホなってたよ」

「え、まじ!?」

近藤は慌てて通知を確認する。

「うん、猛、爆睡だったから起こすのも悪いなーと思って」

「あぁ、ありがと」

「誰からだった?」

「会社の人…」

着歴は後輩の女性社員からだった。

「今日会ったら聞いてみる」

「おう」

ゆっくり朝食を食べていたら意外と時間がなくなったので二人は急いで家を飛び出たのだった。



会社について近藤は件の女性社員に声をかけた。

「昨日電話くれた?」

「あ、すみません。間違ってかけてしまって…」

彼女の視線がウロウロしている。

「そうか」

近藤はそんなことに気づかずに、自分のデスクに向かった。
いつも通り始業してあっという間に昼休みをむかえた。

「あ、皆さん、ちょっとすいませーん!」

後輩が声を上げた。

「慰安旅行なんですけど、日程決まりました!次の連休にしました!参加不参加はこの紙に記入をお願いします」

彼はそう言って紙を配り始める。
近藤は連休には先約がいるのでさっさと欠席に丸をすると後輩に手渡した。

「近藤先輩、やっぱり難しいですか…?」

彼は残念そうに肩を落とす。

「悪いな。先約がいるんだ」

「ならしょうがないですね…また今度ぜひ!」

「あぁ」

近藤はめげずに健気なこの後輩のことを可愛がっていた。

「おや、近藤くんは欠席なんだね」

「部長。すみません。先約がありまして…」

「あぁ気にしないでくれたまえ。私も家族サービスで欠席だよ」

部長は苦笑いを浮かべていた。

「そ、そうですか…」

「でもそうなると場をまとめるがいないからねぇ…大丈夫かね」

「まぁ仮にも社会人ですし…」

「そうだね…」

部長との話を切り上げて近藤は昼食に向かうのだった。











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