開発されに通院中

浅上秀

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ラブラブな生活を送っています編

番外編 看護師は見た 第十二話

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彼はとある病院で看護師をしている坂下だ。
坂下は真壁という医師を担当している。

ある日、真壁が近藤と言う患者と身体の関係にあることを知ってしまう。
自身も先日、安藤という医師と結ばれたのだった。

(第十一話より)



坂下は腰をおさえながら出勤していた。

「安藤のやつ…手加減しろよ…」

坂下はぶつぶつと恨み言を呟きながら真壁の学会の資料の準備に追われていた。

「あ、坂下君、おはよう」

真壁がほがらかに挨拶してくる。
坂下はしかめっ面で答えた。

「おはようございます」

「どうかしたかい?」

「い、いえなんでも…」

真壁の表情が晴れやかなのは近藤のおかげだろうと簡単に予想がついていた。

「そういえば明後日、出張だから、よろしくね」

「あ、はい、かしこまりました」

坂下は出張に必要な資料を確認して準備することにした。



真壁が出張の日、坂下も急遽それに同行することになった。
安藤には今、電話でそれを告げた処だった。

「はぁ?俺、聞いてないんだけど」

「だから急に決まったんだって」

「でも恋人が他の男と一つ屋根の下とか…耐えらんねぇよ」

「いや真壁先生にも恋人いるから…」

「いや、だからといって浮気しないとは限らないだろ!」

安藤は坂下が何と言おうと聞きいれない。

「あー、もう、新幹線来るから切るわ」

「おい、まて…」

坂下はため息をつきながら新幹線に乗った。



「急にすみませんねぇ」

真壁はすまなそうに言う。

「いえいえ、お気になさらず…」

坂下は帰ってからのことを思いやって再びため息が漏れた。

「今日はもうホテルに戻るだけなので」

「はい」

坂下は突然、行くことになったので宿は取っていなかった。
新しくとろうとしたものの、ライブが行われているせいでどこのホテルも満室だった。

「よろしければ、一緒に来ますか?」

「へ?」

「私の部屋、ダブルなので」

「え、そうなんですか?」

「はい、どうやら取り間違えたみたいで」

真壁は苦笑しながら坂下を自分が宿泊しているホテルに案内してくれた。

「いやダブルどころかスイートルーム…」

広々とした部屋に大きなベット、大きなソファにテレビ。
坂下は驚きすぎて顎が外れるかと思った。

「こんな高い部屋…」

「実はお相手方から迷惑料をいただきましてね。坂下君さえ良ければ、どうですか?」

「あ、はい、ぜひ」

坂下は野宿を逃れることができたのでひとまず安心した。






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