31 / 74
恋人同棲始めました編
1話
しおりを挟む
近藤が真壁の家にはじめて訪問してしばらく経ったある日。
引っ越し業者が近藤の家から近藤の荷物を運び出していた。
「これもお願いします」
「はーい」
近藤は額から滴る汗を拭いながら業者に指示していた。
荷物が全て、トラックに積まれて空になった部屋を眺めていると電話が鳴った。
「もしもし」
「猛?終わった?」
真壁からの電話だった。
「あ、健太、うん、今トラックに積んだ」
「わかった。ちょうど迎えに来たよ」
真壁も休みだったので今日、引っ越しを決めたのだった。
「え、ほんと?」
「準備できたら出ておいで」
「うん」
近藤は身支度を済ませて鍵を掛ける。
部屋を出てエレベータに乗ってエントランスに降りると真壁が待っていた。
「おはよ」
笑顔で真壁が近づいてくる。
「お、おはよ」
近藤は自分から汗のにおいがするのを感じた。
「ご、ごめん、俺今汗臭い…」
「そんなことないよ。ほら行こう?」
真壁が近藤の手を取った。
…
二人は真壁の車に乗って、トラックよりも先に真壁の家に到着する。
「はいって」
「お、お邪魔します」
近藤は身体を小さくして部屋に入ろうとした。
「違うでしょ」
真壁が靴を脱いで言う。
「え?」
「ただいま、でしょ?」
真壁が近藤を振り向きながら言った。
「た、ただいまっ・・・」
「うん、おかえり」
真壁の笑顔に近藤も緊張が少しほぐれたようだった。
…
「ここが猛の部屋ね」
真壁は今まであまり使っていなかった部屋に近藤を案内した。
「一応、掃除しといたんだけど…」
「ありがと、キレイな部屋」
近藤は部屋の中を見回した。
大きなクローゼットが一つ、それ以外に物はなにもない。
「前の家から持ってきた荷物はココでいい?」
「うん、いいよ」
真壁は隣にある部屋に案内した。
「ココが俺の部屋的なところ」
大量の本が入った本棚が置かれ、テーブルの上にはノートパソコンが開かれており、周りには資料が散乱していた。
少し開いた大きなクローゼットの中からは服が見えている。
「ちょっと汚いけどね」
「そ、そんなことないよ」
近藤は初めてじっくりと真壁の部屋を見た。
前回来た時は、見る余裕がなかったのだ。
「さ、次行こうか」
真壁に手をひかれて向かいの部屋に入る。
「ココって…」
入ると大きなベットがあった。
「ベットルーム。一緒に使おうね」
真壁は近藤を後ろから抱きしめると耳元で囁く。
「う、うん」
二人の唇がそっと近づく。
その時だった。
ピンポーンとインターホンが鳴った。
「あーあ、時間切れか」
真壁は残念そうに言って腕をほどく。
「また後で」
「うん」
二人は引っ越し業者を出迎えたのだった。
引っ越し業者が近藤の家から近藤の荷物を運び出していた。
「これもお願いします」
「はーい」
近藤は額から滴る汗を拭いながら業者に指示していた。
荷物が全て、トラックに積まれて空になった部屋を眺めていると電話が鳴った。
「もしもし」
「猛?終わった?」
真壁からの電話だった。
「あ、健太、うん、今トラックに積んだ」
「わかった。ちょうど迎えに来たよ」
真壁も休みだったので今日、引っ越しを決めたのだった。
「え、ほんと?」
「準備できたら出ておいで」
「うん」
近藤は身支度を済ませて鍵を掛ける。
部屋を出てエレベータに乗ってエントランスに降りると真壁が待っていた。
「おはよ」
笑顔で真壁が近づいてくる。
「お、おはよ」
近藤は自分から汗のにおいがするのを感じた。
「ご、ごめん、俺今汗臭い…」
「そんなことないよ。ほら行こう?」
真壁が近藤の手を取った。
…
二人は真壁の車に乗って、トラックよりも先に真壁の家に到着する。
「はいって」
「お、お邪魔します」
近藤は身体を小さくして部屋に入ろうとした。
「違うでしょ」
真壁が靴を脱いで言う。
「え?」
「ただいま、でしょ?」
真壁が近藤を振り向きながら言った。
「た、ただいまっ・・・」
「うん、おかえり」
真壁の笑顔に近藤も緊張が少しほぐれたようだった。
…
「ここが猛の部屋ね」
真壁は今まであまり使っていなかった部屋に近藤を案内した。
「一応、掃除しといたんだけど…」
「ありがと、キレイな部屋」
近藤は部屋の中を見回した。
大きなクローゼットが一つ、それ以外に物はなにもない。
「前の家から持ってきた荷物はココでいい?」
「うん、いいよ」
真壁は隣にある部屋に案内した。
「ココが俺の部屋的なところ」
大量の本が入った本棚が置かれ、テーブルの上にはノートパソコンが開かれており、周りには資料が散乱していた。
少し開いた大きなクローゼットの中からは服が見えている。
「ちょっと汚いけどね」
「そ、そんなことないよ」
近藤は初めてじっくりと真壁の部屋を見た。
前回来た時は、見る余裕がなかったのだ。
「さ、次行こうか」
真壁に手をひかれて向かいの部屋に入る。
「ココって…」
入ると大きなベットがあった。
「ベットルーム。一緒に使おうね」
真壁は近藤を後ろから抱きしめると耳元で囁く。
「う、うん」
二人の唇がそっと近づく。
その時だった。
ピンポーンとインターホンが鳴った。
「あーあ、時間切れか」
真壁は残念そうに言って腕をほどく。
「また後で」
「うん」
二人は引っ越し業者を出迎えたのだった。
0
お気に入りに追加
728
あなたにおすすめの小説

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。




双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる