開発されに通院中

浅上秀

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ドキドキ入院編

番外編 看護師は見た 第五話

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会議後に真壁は足早に部屋を出て行った。
近藤に検査結果を伝えに行ったのだろうと特に気にもとめず、ほおっておいた。

「近藤さん、そろそろ消灯ですよ」

「あ、はい」

坂下は近藤の部屋に行って伝える。
近藤にテレビを消させてベットに寝させた。

「おやすみなさい」

「あ、おやすみなさい」

坂下は部屋をでた。
そして消灯時間をむかえた。



「坂下、おつかれ~」

「おお、安藤、おつかれ」

坂下はナースステーションで事務仕事をしていた。
安藤はコンビニの袋片手にやってきた。

「差し入れ」

「お、ありがと」

二人で奥のテーブルと椅子に移動して、安藤の差し入れを食べ始める。

「今日、一人?」

「うん」

「え、さっき、真壁先生見かけたぞ?」

「は?」

坂下は目が回りそうだった。

「あいつやりやがったな…」

「へ?」

坂下が小さい声でつぶやいたのを安藤は聞こえなかったようだ。

「ううん、何でもない、そろそろ見回りの時間だから」

「俺もついてくよ」



二人でもの静かで不気味な廊下を進む。
なぜか一本の懐中電灯を使っている。

「てか何で安藤まで来たんだよ?」

「うーん、坂下とまだいたかったからかな」

「は?」

そんな時、近藤の部屋の前を通りかかった。

「んん、んんん」

中から声がする。

「起きてんのかよ、ここの患者…」

「そうっぽいね…」

「しかもこの声…」

「んんん、んんんん」

近藤の艶めいた声がこぼれ聞こえる。
微かだがぐちゅぐちゅとう水音もする。

「一人かな」

安藤がつぶやく。

「たぶん、違う…」

その瞬間、真壁の声も聞こえてきた。

「はあっ、ようやくイキましたね」

「ま、真壁先生!?」

「しーっ!」

坂下は慌てて安藤の口を塞いだ。
そして急いであいている部屋に安藤を引っ張っていった。



「さっきの真壁先生だよな?」

「うん…」

「もしかして、おまえ、知ってた?」

「う、うん…」

「まじかよ…」

安藤が顔を手で覆った。
坂下がすごすごと安藤に伝える。

「まぁ、真壁先生のために内緒にして欲しいんだけど…」

「それはもちろん」

安藤が顔をあげて頷く。
そしてポリポリと頭をかきながら坂下に声をかける。

「で、さぁ…」

「ん?」

坂下が尋ねる。

「俺、ちょっと興奮しちゃった」

安藤が坂下の手を掴んで股間に導く。
安藤の肉棒は立ち上がっていた。

「は?え???」

混乱する坂下の手を持ち、そのまま扱いていく。

「ああ、気持ちい」

「え?え?」

安藤は坂下の腰に手を回すと坂下の肉棒に触れる。

「坂下のココも、硬くなってんな」

「ん、え?」

安藤はベルトを外し、ズボンを下ろす。
自分のを下ろし終わると坂下のも下ろす。

「ほら」

「ん、あ、あ」

二人は興奮に身を任せる。
そして互いに果てた。



翌朝。
とてつもなくきまずい。

「飲みに行く約束どうしよ…」

坂下は近藤の退院の手続きを進める。

「とりあえず、ひと段落だけど、安藤のこと…」

一難去ってまた一難とはこのことなのだろうか。



近藤を見送り、坂下は帰る準備をして駐車場に向かう。

「ああ、疲れた…ん?」

少し離れたところに真壁がいた。

「車とか珍しい…」

そこに近藤がやってきた。
エスコートされて助手席に吸い込まれていく。

「ついにお持ち帰りか」

坂下は視線をそらし自分の車に向かう。

「よっ」

「安藤…」

坂下の今後は如何に。


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