開発されに通院中

浅上秀

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初めての診察編

1話

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その日の朝、近藤はお尻に違和感をおぼえた。
長らく便秘に苦しんでおり、市販のイチジク浣腸を利用したせいだろうか。

かつての恋人に開発されたせいで浣腸をすることに抵抗はなかった。
しかし久しぶりの排便に身体が対応できなかったのだろう。
トイレから出てから何となく肛門のあたりに違和感をおぼえたのだ。

近藤は痔で一度病院にかかったことがあった。
診察券を探し出すと空いている時間を確認する。

「今日定時に上がって行ってくるか…」



その日はパソコンの前にいることが多く、座っている間、ずっとお尻がむずむずした。
定時に会社を足早に出て病院に向かった。

診察券と保険証を受付に提出して待合室で順番を待った。
待合室はあまり混雑していなかったので思ったより早く名前が呼ばれた。

「近藤さ~ん、近藤猛さん~」

「はい」

返事をして看護師の元に向かうと先生の部屋に案内された。
先生の部屋の前に行きドアを開けた。

「失礼します」

ドアを開けると以前とは違う先生がいた。
以前は白髪で老年の男性だった。
定年で交代したのだろうか。

「こちらにどうぞ」

先生である真壁の前の椅子に案内される。
真壁は白衣がよく似合っており、年は近藤より少し上くらいに見えた。

「近藤さんですね、本日はいかがされましたか?」

「はい、なんだか肛門のあたりがむずむずしておりまして…」

「むずむずですか?いきなりですか?」

「い、いえ、今日久しぶりに排便したら、その…」

「排便した後からむずむずされるんですか?」

「あ、はい、そうです」

「わかりました…痔になっているか確認してもいいですか?」

「え、確認ですか?」

「はい、お話を聞くだけでは何とも言えないので直接確認させてください。」

近藤は若干うろたえたが、それもそうかと思い同意した。

「わ、わかりました」

「それではズボンとパンツを脱いでください」

「はい」

近藤は真壁に言われた通りにズボンとパンツを脱いだ。
カゴに脱いだものと荷物を入れる。

その間に真壁はベットを真ん中で仕切るカーテンのようなものを持ってきた。

「近藤さん、ベットに横になって下さい」

近藤はベッドに仰向けに寝転んだ。
真壁は持ってきたカーテンを動かし近藤から近藤の下肢が見えないように腹部辺りに置いた。

「近藤さんには見えないように触診させていただきますのでリラックスしてくださいね」

「ご配慮ありがとうございます…」

「それでは四つん這いになってください」

近藤は体を動かし四つん這いになった。
真壁は一度、近藤の上半身側に来ると枕を動かして体制を取りやすくしてくれた。

「苦しかったり、痛かったりしたらおっしゃってくださいね」

「は、はい」

真壁は近藤に優しく話しかけると近藤の下半身側に移動した。

「それでは触診していきますね」



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