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お仕事くれる人が増える編
1話
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阿部は順調な日々を送っていた。
仕事も適度に入ってくるようになり、今までと比べて随分と忙しくなった。
「あ、メッセージ…」
阿部のスマホには一カ月ぶりに島田から連絡が来ていた。
「今日の九時にホテルか」
阿部は憂鬱な足取りで仕事終わりにホテルに向かうのだった。
…
ホテルに入りエレベーターに乗り込む。
島田がいつも利用している部屋にあっという間に辿り着いた。
ドアの横にあるチャイムを鳴らす。
「どうぞ」
部屋の中から島田の声がする。
「失礼いたします」
阿部が入ると島田以外にも人がいた。
「おうおう、よく来たな。それにしても久しぶりだな。ん?元気にしてたか?」
島田はワイングラスを片手に容器に話しかけてくる。
「は、はい」
「島田さんも悪い人だねぇ。どうせ俺のことなんて一言の伝えてなかったんだろ?」
島田の隣で一緒にワインを飲んでいた男が笑う。
「はは、サプライズだよ、サプライズ。ほら自己紹介して」
島田が阿部の腰を叩いた。
「は、はい。…〇〇事務所でマネージャーをしております。阿部と申します」
阿部は胸ポケットから名刺を出して差し出した。
「ふーん、君が阿部くんか」
男が阿部の全身を舐めまわすように見る。
「こちらはウチのテレビ局で俺と同じくらい偉い人、名前、名乗っとくか?」
「おいおい、島田さんの方が偉いだろう。それに名乗るほどのものじゃありませんって」
男はニヤニヤと笑う。
「そういえば島田さん、この前、あの清水をキャスティングしたって本当か?」
「清水って…」
「阿部くんも知ってるよね?」
清水とは最近、男性アイドル界隈で一番売れている男だ。
ドラマに映画にCM、雑誌と彼を見かけない日はないほどだ。
「そうそう。ちょーっとコネがあってね」
島田はワイングラスを置いて舌なめずりをした。
「それじゃあ、始めようか」
仕事も適度に入ってくるようになり、今までと比べて随分と忙しくなった。
「あ、メッセージ…」
阿部のスマホには一カ月ぶりに島田から連絡が来ていた。
「今日の九時にホテルか」
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…
ホテルに入りエレベーターに乗り込む。
島田がいつも利用している部屋にあっという間に辿り着いた。
ドアの横にあるチャイムを鳴らす。
「どうぞ」
部屋の中から島田の声がする。
「失礼いたします」
阿部が入ると島田以外にも人がいた。
「おうおう、よく来たな。それにしても久しぶりだな。ん?元気にしてたか?」
島田はワイングラスを片手に容器に話しかけてくる。
「は、はい」
「島田さんも悪い人だねぇ。どうせ俺のことなんて一言の伝えてなかったんだろ?」
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「はは、サプライズだよ、サプライズ。ほら自己紹介して」
島田が阿部の腰を叩いた。
「は、はい。…〇〇事務所でマネージャーをしております。阿部と申します」
阿部は胸ポケットから名刺を出して差し出した。
「ふーん、君が阿部くんか」
男が阿部の全身を舐めまわすように見る。
「こちらはウチのテレビ局で俺と同じくらい偉い人、名前、名乗っとくか?」
「おいおい、島田さんの方が偉いだろう。それに名乗るほどのものじゃありませんって」
男はニヤニヤと笑う。
「そういえば島田さん、この前、あの清水をキャスティングしたって本当か?」
「清水って…」
「阿部くんも知ってるよね?」
清水とは最近、男性アイドル界隈で一番売れている男だ。
ドラマに映画にCM、雑誌と彼を見かけない日はないほどだ。
「そうそう。ちょーっとコネがあってね」
島田はワイングラスを置いて舌なめずりをした。
「それじゃあ、始めようか」
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