19 / 31
わくわく動物園デート
無知の無自覚
しおりを挟む
「けっこう暗くなってきたね」
二人はその日のほとんどを動物園で過ごした。
爬虫類館をスグルくんが気に入ってしまい、なかなか出てこなかったのも大きいが。
「もうそろそろ帰ろうか」
出口に向かって二人は歩き出した。
「ん?スグルくん、あれなんだろう」
ミノルくんが指をさす先には二匹の野良猫がいる。
長く伸びた雑草の中、じゃれあっているのが見えた。
「かわいい猫だね」
ミノルくんは足音を立てないようにそっと近づく。
二匹は全くミノルくんに気づいていないようだ。
「わぁ」
スグルくんもミノルくんの背後から近づき、なにやらぎょっとした様子だった。
「み、ミノルくん、行こうか」
「え、スグルくん、どうしたの?」
「いいから、邪魔しちゃ悪いから…」
スグルくんはミノルくんの腕を苦笑しながらグイグイ引っ張る。
ミノルくんは後ろ髪をひかれながら二匹の猫と別れるのだった。
…
二人は動物園を出ると駐車場でスグルくんのクルマに乗り込んだ。
「夕食に何か食べたいものはある?」
「う~ん、久しぶりにパスタが食べたいな」
「パスタか…うん、じゃあ、家に来るかい?作ってあげるよ」
「わーい!スグルくんの手料理だ!!」
幼い子供のようにミノルくんは足をばたつかせて喜んでいる。
「そんなに喜ぶことかな」
スグルくんは車を走らせながら笑った。
「だって食べたことないもの、スグルくんの手料理」
「そうだっけ」
なんだかんだ話をしているうちにあっという間にスグルくんの家までやって来た。
「ようこそ」
車から降りたミノルくんを恭しくスグルくんが案内する。
「お、お邪魔します!」
まるでモデルルームのようにきれいな部屋に案内されたミノルくんは緊張のあまりカチコチに固まっていた。
「キレイなお部屋だね…」
厳かな照明が反射するガラステーブルにレザーの高級そうなソファ。
大きな画面のテレビとその横には何やら複雑そうなオーディオ機器まである。
スグルくんが料理を作っている間、ミノルくんはそれらをしげしげと眺めた。
「楽しそうで何よりだよ」
二人分のパスタの乗ったお皿を手にスグルくんがキッチンから戻ってくる。
「あ!お手伝いするよ!!」
ミノルくんはキッチンに置かれていた二人分のフォークとワイングラスに入った水を持ってきた。
「ありがとう、ミノルくん。ここで食べようか」
ガラステーブルに置かれたパスタ皿はそれだけで高級感が醸し出されている。
「うわぁ!美味しそう!!いただきます」
大きい画面のテレビを眺めながら二人で床に腰かけてパスタを食べるのだった。
二人はその日のほとんどを動物園で過ごした。
爬虫類館をスグルくんが気に入ってしまい、なかなか出てこなかったのも大きいが。
「もうそろそろ帰ろうか」
出口に向かって二人は歩き出した。
「ん?スグルくん、あれなんだろう」
ミノルくんが指をさす先には二匹の野良猫がいる。
長く伸びた雑草の中、じゃれあっているのが見えた。
「かわいい猫だね」
ミノルくんは足音を立てないようにそっと近づく。
二匹は全くミノルくんに気づいていないようだ。
「わぁ」
スグルくんもミノルくんの背後から近づき、なにやらぎょっとした様子だった。
「み、ミノルくん、行こうか」
「え、スグルくん、どうしたの?」
「いいから、邪魔しちゃ悪いから…」
スグルくんはミノルくんの腕を苦笑しながらグイグイ引っ張る。
ミノルくんは後ろ髪をひかれながら二匹の猫と別れるのだった。
…
二人は動物園を出ると駐車場でスグルくんのクルマに乗り込んだ。
「夕食に何か食べたいものはある?」
「う~ん、久しぶりにパスタが食べたいな」
「パスタか…うん、じゃあ、家に来るかい?作ってあげるよ」
「わーい!スグルくんの手料理だ!!」
幼い子供のようにミノルくんは足をばたつかせて喜んでいる。
「そんなに喜ぶことかな」
スグルくんは車を走らせながら笑った。
「だって食べたことないもの、スグルくんの手料理」
「そうだっけ」
なんだかんだ話をしているうちにあっという間にスグルくんの家までやって来た。
「ようこそ」
車から降りたミノルくんを恭しくスグルくんが案内する。
「お、お邪魔します!」
まるでモデルルームのようにきれいな部屋に案内されたミノルくんは緊張のあまりカチコチに固まっていた。
「キレイなお部屋だね…」
厳かな照明が反射するガラステーブルにレザーの高級そうなソファ。
大きな画面のテレビとその横には何やら複雑そうなオーディオ機器まである。
スグルくんが料理を作っている間、ミノルくんはそれらをしげしげと眺めた。
「楽しそうで何よりだよ」
二人分のパスタの乗ったお皿を手にスグルくんがキッチンから戻ってくる。
「あ!お手伝いするよ!!」
ミノルくんはキッチンに置かれていた二人分のフォークとワイングラスに入った水を持ってきた。
「ありがとう、ミノルくん。ここで食べようか」
ガラステーブルに置かれたパスタ皿はそれだけで高級感が醸し出されている。
「うわぁ!美味しそう!!いただきます」
大きい画面のテレビを眺めながら二人で床に腰かけてパスタを食べるのだった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる