おじさんとボク

浅上秀

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わくわく動物園デート

念願のライオンとご対面

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「うわぁ!すごい迫力!!」

ライオンに会いに行く途中で様々な動物にも会えたミノルくんは大興奮だ。

「キリンって本当に舌があんないろなんですね…」

「はは、ミノルくんにはどんな動物も新鮮に見えるんだね」

「スグルくんはそんなことないんですか?」

ミノルくんの無邪気な視線に不意を突かれたスグルくんは笑った。

「いや、ミノルくんと一緒にいたらなんでも新鮮に見えるなぁと思っただけだよ」

スグルくんはそう言ってウインクした。



動物園の奥の方、そこまで人だかりの多くない檻の中にライオンはいた。

「大きいですねぇ…」

オスライオンのたてがみをじーっと眺めるミノルくんとは対照的にライオンの方はじっと何かを待っていた。
隣の檻のメスライオンは対照的に檻の中をグルグルと歩き回っている。
交互に二つの檻を眺めていた時だった。

「お、そろそろ食事の時間みたいだよ」

スグルくんの指を刺したところには檻の目の間に看板が掛けられていた。
そこには動物の餌やりのタイムスケジュールが貼ってある。

「本当だ!!」

しばらくすると飼育員が生肉をポイっと投げ入れた。
ライオンは俊敏に飛びつくと貪り食い始めた。
その雄雄しい様子にミノルくんはさらに瞳を輝かせて見入っている。
スグルくんはそんなミノルくんの様子を携帯で写真に撮ると自身の兄弟へと送った。

「さて、僕たちもお腹が空いたから食事にでも行こうか」

「はい!」

ライオンが食事を終えるのを見届けて二人は檻を離れた。



「何食べようか?」

動物園の中のレストランには独特のメニューが多く置いてあった。

「なんだか動物園でお肉を食べるのに抵抗が…」

名物はジビエらしいが。

「そうだね、困ったなぁ」

二人は悩んだ挙句、無難なカレーライスを選んだ。

「か、辛いです…」

ミノルくんはひーひー言いながら水を飲む。

「うう~ん、そうかなぁ?」

スグルくんは平気な顔で食べすすめている。
どうやら海外で辛いものにずいぶんと慣れたようである。

「うう、スグルくんはやっぱりすごいです」

思わぬところで甥に尊敬されたスグルくん。

「どうしても食べられなかったら別のもの頼もうか?」

「い、いえ、大丈夫です!これくらい食べきって見せます」

やる気を出して食べるほどでもないが、そこがミノルくんのかわいいところである。
スグルくんが完食してややしばらくしてから、涙ながらにミノルくんもカレーを完食することができた。

「ミノルくん、よくがんばりました。はい、ご褒美」

「ありがとうございます!」

そう言ってスグルくんが食後に買ってくれた甘いソフトクリームをものすごい勢いで食べきったミノルくんであった。


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