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番外編
店長は惚れられやすい!?
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うちの店長は男性にモテる。
出会ったときは全く気にならなかったがコーチとの関係に気づいてから確信めいたものを感じるようになっていた。
ただコーチが手綱を握っているせいか、浮気している様子は見られないものの、店長に粉をかける人をよく見かけるようになった気がする今日この頃。
お客さんでも売り場に店長がいたら話しかけに行く人もいれば、ご指名で接客を頼んでくる人もいる。
代わりに俺なんかがいくとものずごく冷たくあしらわれたり、店長の空き時間や休みをしつこく聞かれたりする。
迷惑といえば迷惑だが、店長のおかげで一割くらいの売り上げはできているので文句は言わない。
「店長、なんであんなに男にモテるんだ…」
以前、飲んだ時、モテないと嘆いていたがそれはどうやら女性からがつくようだ。
コーチの前にも男性とお付き合いしていたことはあるのだろうか。
気になるが聞けるわけもないので俺はそっとその疑問を胸の奥底にしまい込んだ。
…
最近、店長をめぐってやっかいな関係が生まれ始めた。
大学生で夏休みの一か月間だけ新たにアルバイトに入ってくれる男の子が入社したのだ。
「店長ってかっこいいっすよね」
基本的な清掃や品出しを教えていた時のことだった。
横を通りがかった店長をみて彼がそういったのだ。
「店長に認められたいなら真面目に仕事してね」
俺は冗談のつもりで言ったのだが、彼はまじめにその言葉を受け取って仕事に励んでくれた。
しかし教育係的なことを任された俺にではなく、店長に質問をしに行くのはどうかと思うぞ。
「一か月でお別れなんて…」
契約期間満了が近づくと彼は毎日そう嘆き始めたが、無情にも夏休みは終わりを迎えたようで彼は店を去っていった。
それからもう一人は他店の店長だ。
応援に行ったり、ミーティングでうちの店舗に集まった時等顔を合わせるたびに言われることがある。
「いいなぁ、あの人と一緒に仕事できて」
うちの店長とは彼が新人店長の時に店長研修的なものでお世話になったらしい。
それから惚れているとのことで筋金入りだ。
彼はたまにコーチと店長のことで火花を散らしているとか散らしていないとか。
「転勤してそっちの店舗に行きたい…」
「ダメですよ、そしたらうちの店長異動になっちゃいますよ」
大型の店舗なら一つの店舗に二人の店長はありえるが、うちみたいに小さい店は一人でこと足りる。
「だよなぁ」
うなだれる彼を見ながら俺は苦笑を隠せなかった。
…
とりあえず店長が人気過ぎてコーチは色々と大変だなぁと遠い目になるのだった。
出会ったときは全く気にならなかったがコーチとの関係に気づいてから確信めいたものを感じるようになっていた。
ただコーチが手綱を握っているせいか、浮気している様子は見られないものの、店長に粉をかける人をよく見かけるようになった気がする今日この頃。
お客さんでも売り場に店長がいたら話しかけに行く人もいれば、ご指名で接客を頼んでくる人もいる。
代わりに俺なんかがいくとものずごく冷たくあしらわれたり、店長の空き時間や休みをしつこく聞かれたりする。
迷惑といえば迷惑だが、店長のおかげで一割くらいの売り上げはできているので文句は言わない。
「店長、なんであんなに男にモテるんだ…」
以前、飲んだ時、モテないと嘆いていたがそれはどうやら女性からがつくようだ。
コーチの前にも男性とお付き合いしていたことはあるのだろうか。
気になるが聞けるわけもないので俺はそっとその疑問を胸の奥底にしまい込んだ。
…
最近、店長をめぐってやっかいな関係が生まれ始めた。
大学生で夏休みの一か月間だけ新たにアルバイトに入ってくれる男の子が入社したのだ。
「店長ってかっこいいっすよね」
基本的な清掃や品出しを教えていた時のことだった。
横を通りがかった店長をみて彼がそういったのだ。
「店長に認められたいなら真面目に仕事してね」
俺は冗談のつもりで言ったのだが、彼はまじめにその言葉を受け取って仕事に励んでくれた。
しかし教育係的なことを任された俺にではなく、店長に質問をしに行くのはどうかと思うぞ。
「一か月でお別れなんて…」
契約期間満了が近づくと彼は毎日そう嘆き始めたが、無情にも夏休みは終わりを迎えたようで彼は店を去っていった。
それからもう一人は他店の店長だ。
応援に行ったり、ミーティングでうちの店舗に集まった時等顔を合わせるたびに言われることがある。
「いいなぁ、あの人と一緒に仕事できて」
うちの店長とは彼が新人店長の時に店長研修的なものでお世話になったらしい。
それから惚れているとのことで筋金入りだ。
彼はたまにコーチと店長のことで火花を散らしているとか散らしていないとか。
「転勤してそっちの店舗に行きたい…」
「ダメですよ、そしたらうちの店長異動になっちゃいますよ」
大型の店舗なら一つの店舗に二人の店長はありえるが、うちみたいに小さい店は一人でこと足りる。
「だよなぁ」
うなだれる彼を見ながら俺は苦笑を隠せなかった。
…
とりあえず店長が人気過ぎてコーチは色々と大変だなぁと遠い目になるのだった。
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