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本編完結後 番外編
子育ての苦労 SIDEマルク
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「はぁ」
マルクは騎士団の建物の窓から憂鬱そうに外を眺めていた。
「どうしたんですか?」
見かねた新米の騎士の一人がマルクに声をかける。
「あ、あぁ、大したことじゃないんだ」
マルクはそっと微笑んだ。
「お、俺でよければ、力になりますよ!」
騎士はビシッと姿勢を良くすると、一歩マルクに近寄った。
「やめとけやめとけ」
「団長!」
通りがかった団長が勇気ある騎士を止める。
「え、どうしてですか?」
「馬にけられたくなきゃやめとけって意味だよ」
「馬に蹴られる…どこか遠征にでも行かれるんですか?」
新米が小首をかしげた。
その様子を見たマルクはせせら笑った。
「残念ですね、団長。伝わらなかったみたいで」
「ほっとけ。どうせ嫁と子供に会いたいから早く帰りてぇとかろくなこと考えてねぇよ、こいつは」
団長は持っていた書類の束でマルクを小突いた。
「え、あ、そうなんですか?」
いつも仕事に実直なマルクが愛妻家の子煩悩であり、異常なほどの監禁欲があることは騎士団の中でもマルクに近しい人しか知らないのである。
ましてや、マルクは自分の家族を外に出したがらないので、そもそも交流がないのであった。
「えぇ、まぁ」
マルクはあいまいに微笑むと団長を引きずって仕事に戻った。
…
マルクは定時になるとものすごい速さで帰宅する。
「にしてもあの俊敏さ、もう少し仕事で活かしてくれねぇかなぁ」
団長はいつもそうぼやいているが。
家に帰るとすぐに子供とグレンに会いに行く。
「ただいま!!!」
「お、マルク、おかえり」
帰宅したマルクは赤ん坊とグレンを腕の中に囲い込む。
グレンは一人産んで油断しているようであるが、マルクはグレンが再び情事ができるようになればすぐにでも孕ませようと考えている。
もう二度とダンジョンに潜ろうとしないように、自分から離れていかないようにするために…。
マルクは騎士団の建物の窓から憂鬱そうに外を眺めていた。
「どうしたんですか?」
見かねた新米の騎士の一人がマルクに声をかける。
「あ、あぁ、大したことじゃないんだ」
マルクはそっと微笑んだ。
「お、俺でよければ、力になりますよ!」
騎士はビシッと姿勢を良くすると、一歩マルクに近寄った。
「やめとけやめとけ」
「団長!」
通りがかった団長が勇気ある騎士を止める。
「え、どうしてですか?」
「馬にけられたくなきゃやめとけって意味だよ」
「馬に蹴られる…どこか遠征にでも行かれるんですか?」
新米が小首をかしげた。
その様子を見たマルクはせせら笑った。
「残念ですね、団長。伝わらなかったみたいで」
「ほっとけ。どうせ嫁と子供に会いたいから早く帰りてぇとかろくなこと考えてねぇよ、こいつは」
団長は持っていた書類の束でマルクを小突いた。
「え、あ、そうなんですか?」
いつも仕事に実直なマルクが愛妻家の子煩悩であり、異常なほどの監禁欲があることは騎士団の中でもマルクに近しい人しか知らないのである。
ましてや、マルクは自分の家族を外に出したがらないので、そもそも交流がないのであった。
「えぇ、まぁ」
マルクはあいまいに微笑むと団長を引きずって仕事に戻った。
…
マルクは定時になるとものすごい速さで帰宅する。
「にしてもあの俊敏さ、もう少し仕事で活かしてくれねぇかなぁ」
団長はいつもそうぼやいているが。
家に帰るとすぐに子供とグレンに会いに行く。
「ただいま!!!」
「お、マルク、おかえり」
帰宅したマルクは赤ん坊とグレンを腕の中に囲い込む。
グレンは一人産んで油断しているようであるが、マルクはグレンが再び情事ができるようになればすぐにでも孕ませようと考えている。
もう二度とダンジョンに潜ろうとしないように、自分から離れていかないようにするために…。
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