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本編完結後 番外編
初めての妊娠からの初めての出産
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リゾートから帰ってきてから一か月がたった。
グレンは最近、なんだか体調が悪かった。
「うえぇ、気持ち悪…」
吐き気のせいでまともにご飯が食べられないのだ。
「もしかして妊娠した?」
マルクはにやにやしながらグレンの背中をさする。
「かもな…おえっ」
すぐにマルクは使用人頭に医者を手配させてグレンを診察させた。
…
「…おめでとうございます。ご懐妊ですよ」
グレンを診察した医者がそう告げた。
「だろうな」
「でしょうね」
二人は顔を見合わせて頷いた。
待ちわびた妊娠のはずだったが、感動的なシーンにならなかったのはなぜなのだろうか。
「にしても淡白だな」
医者を見送ったグレンがマルクの反応に苦笑する。
「いや、これでもものすごく喜んでるよ」
マルクはグレンの腹に手を伸ばす。
「そうか?」
グレンの目が少しだけ不安そうに揺れる。
「うん、嬉しい、嬉しいんだけどさ、具合悪そうにしているグレンのこと見てると、手放しで喜べないよ」
マルクはそっとグレンのまだ平らな腹に触れた。
「まぁな。俺もこんなに具合悪くなると思わなかったし」
「早く収まるといいね」
「あぁ」
…
「グレン!ただいま!」
マルクの長期休暇はグレンのつわりが収まるころに終わった。
この世界での男性の妊娠期間は祝福のおかげで6か月と短い。
それに合わせてつわりも、辛さは女性の倍以上ではあるがおさまるのが早いようだ。
「おかえり」
グレンは一足先に食堂で夕食を食べていた。
つわりが収まってからそれまで抑圧されていたグレンの食欲が刺激され、今まで以上におなかがすくようだ。
「今日は大丈夫だった?」
マルクは食事中のグレンを後ろから抱きしめながら尋ねる。
「ああ、なんともないよ」
グレンが前に回ったマルクの腕をポンポンとたたいた。
「よかった」
それを合図にマルクはグレンから離れて食事についた。
…
そんなこんなで平和に過ごしていたらあっという間に出産日を迎えた。
「あー、くっそ、めっちゃくちゃ痛い!!」
陣痛が来たグレンがうなっている。
マルクは背中をさすりながらグレンをなだめる。
「変わってあげたい気持ちは山々なんだけどさ…こればっかりはごめんね」
そして長い時間の果てにグレンが苦痛から解放されたとき、新しい命が産声を上げたのだった。
グレンは最近、なんだか体調が悪かった。
「うえぇ、気持ち悪…」
吐き気のせいでまともにご飯が食べられないのだ。
「もしかして妊娠した?」
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すぐにマルクは使用人頭に医者を手配させてグレンを診察させた。
…
「…おめでとうございます。ご懐妊ですよ」
グレンを診察した医者がそう告げた。
「だろうな」
「でしょうね」
二人は顔を見合わせて頷いた。
待ちわびた妊娠のはずだったが、感動的なシーンにならなかったのはなぜなのだろうか。
「にしても淡白だな」
医者を見送ったグレンがマルクの反応に苦笑する。
「いや、これでもものすごく喜んでるよ」
マルクはグレンの腹に手を伸ばす。
「そうか?」
グレンの目が少しだけ不安そうに揺れる。
「うん、嬉しい、嬉しいんだけどさ、具合悪そうにしているグレンのこと見てると、手放しで喜べないよ」
マルクはそっとグレンのまだ平らな腹に触れた。
「まぁな。俺もこんなに具合悪くなると思わなかったし」
「早く収まるといいね」
「あぁ」
…
「グレン!ただいま!」
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それに合わせてつわりも、辛さは女性の倍以上ではあるがおさまるのが早いようだ。
「おかえり」
グレンは一足先に食堂で夕食を食べていた。
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「今日は大丈夫だった?」
マルクは食事中のグレンを後ろから抱きしめながら尋ねる。
「ああ、なんともないよ」
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「よかった」
それを合図にマルクはグレンから離れて食事についた。
…
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「あー、くっそ、めっちゃくちゃ痛い!!」
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マルクは背中をさすりながらグレンをなだめる。
「変わってあげたい気持ちは山々なんだけどさ…こればっかりはごめんね」
そして長い時間の果てにグレンが苦痛から解放されたとき、新しい命が産声を上げたのだった。
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