ダンジョン行くなら監禁するよ?

浅上秀

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第十四章 エルフに遭遇

4話

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村を出た二人はもと来た森の中を歩いていた。

「そういえば別れ際に何もらったんだ?」

グレンがマルクに尋ねる。
マルクは村を離れる間際、老人から何かを手渡されていた。

「ん、あぁ、団長へのお土産」

そういってポケットの中から小瓶を取り出すと、グレンの目の前で軽く振って見せた。

「へぇ、中身は?」

「さぁ」

マルクは再び小瓶をポケットにしまった。

「さぁって…毒とかだったらどうするんだよ」

グレンが不安そうに尋ねる。

「大丈夫でしょ。第一、エルフが騎士団の団長を殺すなんてメリットないだろ」

「まぁな…」



ホテルに着くころにはもう日が暮れていた。

「綺麗な夕焼けだな」

浜辺からは地平線の奥深くに沈みゆこうとする太陽が見える。

「あぁ」

二人は完全に太陽が沈むまでその場所で眺めていた。

「…ホテルに戻ろうか」

「おう」



「おかえりなさいませ」

ホテルマンが二人をむかえてくれる。

「エルフに会ってきた」

マルクがホテルマンにそう告げると、ホテルマンは一瞬目を見開いた。

「か、かしこまりました」

ホテルマンをそのまま慌ててどこかに走り去っていった。

「おい、言う必要あったのかよ」

グレンが少し顔を赤くしてマルクに尋ねた。

「うん。まぁ色々あるんだよ」

マルクは意味ありげに口角をあげた。

「それよりも早く部屋に行こうか」

「あ、待てよ」

スタスタと歩いていくマルクの後をグレンは追いかけるのだった。



部屋に入るとテーブルの上には食事が既に並べられてあった。

「うわ、美味しそうだな…急に腹が減ってきた」

グレンは朝食以降、何も口にしていなかったことを思い出した。

「食べなよ」

マルクは苦笑しながらグレンを見やった。
そして食事の隣に置いてあったメモ書きにさっと目を通すとグレンからは見えないように伏せた。

「ん、マルクも食えよ」

肉をかみちぎりながらグレンはマルクにも食事の皿を押し付けた。

「ああ、いただくよ…しばらく何も食べれなさそうだしね」

「なんか言ったか?」

「いやなんでもないよ」

マルクの不穏なつぶやきを聞き逃したことを、グレンは後々若干後悔するのであった。









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