ダンジョン行くなら監禁するよ?

浅上秀

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第十四章 エルフに遭遇

3話

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「覚悟は決まってます」

マルクが老人を見据える。

「あいわかった…そちらの方もよいかの?」

グレンも老人の目を見据えると頷いた。

「はい」

「そうかそうか…それでは着いてきなさい」

老人に先導され、2人は外に出る。
森のさらに奥深くへと老人は進んでいく。

「これからどちらに向かわれるのですか?」

マルクもどこに向かっているのか知らないようで、老人に尋ねる。

「我々の聖域とも言うべき場所かの」

「え、それって人間が立ち入っても良いんですか?」

グレンが慌てて尋ねる。

「エルフの賓じゃからのぉ」



やがて木々がなくなり、開けた場所に辿り着いた。
そこには大きな木の舞台のようなものがある。

「ここですか?」

辺りを見回しながらマルクが老人に確認する。

「如何にも」

舞台の上は日光を浴びて光り輝いている。

「なんかすげぇ」

2人は老人に続いてそこに登った。

「…過去にこの儀式を幾度も行ったが、子宝に恵まれなかった夫婦もおる。100%子供が訪れる訳ではない。それは承知しておくれ」

「もちろんです」

マルクが老人の言葉に頷いた。

「では始めるかの」

マルクとグレンは舞台に寝転がされた。
2人はお互いの手を握らされる。
繋いだ手の力は無意識に強くなっていた。

「目をつぶって祈るのじゃ」

頭上に立った老人が2人の上に手をかざす。
光が一層、強くなる。

「…」

古語だろうか、聞いたことのない言葉で老人が呪文のようなものを唱え始める。
やがて2人の腹部がポカポカと暖かくなってくる。

「おっ」

「あったかい」

無駄な力が抜けて、2人は祈りを全身に感じていた。

「…これで終わりじゃよ」

数分後には光は収まり、目を開けた2人を見下ろすように老人が微笑んでいた。

「ありがとうございます」

2人はゆっくりと起き上がった。

「どうだったかの?」

「お腹がポカポカとあったかいです」

グレンは儀式が終わってからもずっと腹部に温もりを感じていた。

「僕は今は特に何も感じないですけど…でも暖かかったです」

「そうか…では成功じゃの」

「え、わかるんですか?」

「あぁ。2人の祈りの強さがわかったんじゃよ」

そして2人は老人に連れられて集落に戻る。
集落で老人に礼を言って別れるとそのままリゾートへと戻るのだった。








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