ダンジョン行くなら監禁するよ?

浅上秀

文字の大きさ
上 下
100 / 120
第十三章 新婚旅行

2話

しおりを挟む
案内された部屋はとても豪華だった。
窓の外は一面、オーシャンビュー、そしてリビングとは別にある寝室にキングサイズが置かれていた。

「うわ、すげぇ…」

グレンは感心したように部屋中を見回していた。

「まぁこんなもんだよね」

マルクはうんうんと頷くとホテルマンにチップを渡して下がらせた。

「気に入った?」

楽しそうに部屋中を探索しているグレンにマルクが声をかける。

「お、おお!」

ちょうどバスルームの扉を開いたところだった。
全面ガラス張りになっていることにグレンは驚いた。

「まじかよ…丸見えじゃねーか…」

「どうかした?」

「な、なんでもねーよ!」

グレンは見にこようとしたマルクを慌ててリビングルームに押し返して、バスルームの扉を閉める。



「さてと、ホテルに来たらすることは決まってるよね?」

マルクの口角が不気味に上がった。

「ん?」

グレンが首を傾げている間にマルクがグレンをソファに引き込む。

「ね、グレン…3日も我慢したんだよ?」

マルクがグレンの耳そばで囁く。

「え、あ、その…」

グレンも三日間、寂しさを感じていなかったといえば嘘になる。

「グレン…」

マルクの顔がグレンの首元に埋まったその時、部屋のチャイムが鳴った。

「チッ」

マルクは舌打ちをするとソファから起き上がってドアを開けに向かった。
グレンは呆然てしたままソファに寝転がっていた。

「お寛ぎのところ失礼いたします。お食事は早めにとのことでしたのでお持ちいたしました」

「どうも」

部屋のテーブルに海鮮を中心としたちょっと早いディナーが並べられていく。

「美味しそう」

グレンは馬車に揺られている間、何も口にしていなかったのでお腹が空いていた。
マルクはいいところを邪魔されたためか、若干不機嫌だった。

「では食べ終わりました頃を見計らって下げに参ります」

ホテルマンが部屋を出ると、グレンは早速料理に手をつけた。

「どれもこれも美味い…おい、マルクは食べないのかよ」

マルクは不貞腐れていた。

「グレンが食べなよ」

「そんなこと言わずに…ほれ」

フォークでエビを刺してマルクの口元に差し出す。

「ん」

マルクは渋々口にする。

「どうだ?美味いだろ?」

「うん、まぁ…」

「一緒に食べようぜ?」

グレンがマルクにフォークを手渡す。

「…食べる」

マルクはようやく素直にフォークを手にして食べ始めたのだった。





しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

雄牛は淫らなミルクの放出をおねだりする

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...