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第十章 騎士団団長暗殺
5話
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「そういえばたしかに」
グレンも頷く。
「てことは騎士団の中に内通者がいるのか…」
団長は服を床に投げ捨てながらそう言った。
「そうなりますね。まぁ怪しい奴は何人か目星がついてますけど」
マルクは団長が脱ぎ捨てた服を拾い上げて団長に手渡した。
「わかったちゃんと片付けるよ…で、マルク証拠はあるのか?」
「あるといえばありますけど」
マルクは渋い顔をした。
「なんだよ歯切れが悪いな」
「確実な証拠とも言えない気がするんですよ」
「とりあえずそいつのところに行ってみるか」
…
三人が団長室を出ると床に警備係の男が倒れていて、スキンヘッドの男を拘束していたはずのロープが落ちていた。
「くそ、逃げられたか」
「でもこれで内通者がいることははっきりしたな」
「そいつが逃げる手伝いをしたってか?」
三人の目が鋭くなった。
「はっ」
その時だった。
黒い装束に身を包んだ人物が大人数現れ、三人に襲い掛かってきた。
「なんだ、こいつら」
グレンは応戦しながらマルクに尋ねる。
「たぶん、あの男が寄越したんだろうねっ」
マルクもどんどんとなぎ倒していく。
「数で押せってか?」
全員が団長を狙っているようだが、団長は全く気にしていない。
「なにをしている!!!」
騎士団の団員たちが騒ぎに気付いて黒装束の人間たちを捕まえ始めた。
辺りは大混乱だ。
「グレン!」
「なんだ!」
マルクがグレンを呼んだ。
「この混乱に乗じてなにかやるつもりだ!」
そう言った瞬間、床に何かがゴトリと落ちる音がした。
「ぎゃああああ」
そこにはスキンヘッドの男の生首が落ちていた。
「なんだ、これは、俺たちはこんなこと聞いてないぞ!」
黒装束にみを包んだ連中は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
その場にいる誰もが状況を理解できていなかった。
「よくもまぁ…」
声の持ち主は首のない胴体もどさりと投げた。
生首を切ったことで剣についた血を吹き飛ばしながらその人物はゆっくりと姿を現した。
「騒がしいことですね」
「おまえはっ!!」
酒場で男たちを仕切っていた怪しげな男だった。
「やはり殺していませんでしたか」
彼は剣を握り直すと団長に向かい合った。
「あの程度の男では無理だと思いましたからねぇ…私が直々に殺しに来て差し上げましたよ」
男と団長が対峙する。
「テメェ、誰だ?」
「これから死にゆくあなたに名乗る名前はありません」
男が剣を振りあげて団長に向かって行くのだった。
グレンも頷く。
「てことは騎士団の中に内通者がいるのか…」
団長は服を床に投げ捨てながらそう言った。
「そうなりますね。まぁ怪しい奴は何人か目星がついてますけど」
マルクは団長が脱ぎ捨てた服を拾い上げて団長に手渡した。
「わかったちゃんと片付けるよ…で、マルク証拠はあるのか?」
「あるといえばありますけど」
マルクは渋い顔をした。
「なんだよ歯切れが悪いな」
「確実な証拠とも言えない気がするんですよ」
「とりあえずそいつのところに行ってみるか」
…
三人が団長室を出ると床に警備係の男が倒れていて、スキンヘッドの男を拘束していたはずのロープが落ちていた。
「くそ、逃げられたか」
「でもこれで内通者がいることははっきりしたな」
「そいつが逃げる手伝いをしたってか?」
三人の目が鋭くなった。
「はっ」
その時だった。
黒い装束に身を包んだ人物が大人数現れ、三人に襲い掛かってきた。
「なんだ、こいつら」
グレンは応戦しながらマルクに尋ねる。
「たぶん、あの男が寄越したんだろうねっ」
マルクもどんどんとなぎ倒していく。
「数で押せってか?」
全員が団長を狙っているようだが、団長は全く気にしていない。
「なにをしている!!!」
騎士団の団員たちが騒ぎに気付いて黒装束の人間たちを捕まえ始めた。
辺りは大混乱だ。
「グレン!」
「なんだ!」
マルクがグレンを呼んだ。
「この混乱に乗じてなにかやるつもりだ!」
そう言った瞬間、床に何かがゴトリと落ちる音がした。
「ぎゃああああ」
そこにはスキンヘッドの男の生首が落ちていた。
「なんだ、これは、俺たちはこんなこと聞いてないぞ!」
黒装束にみを包んだ連中は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
その場にいる誰もが状況を理解できていなかった。
「よくもまぁ…」
声の持ち主は首のない胴体もどさりと投げた。
生首を切ったことで剣についた血を吹き飛ばしながらその人物はゆっくりと姿を現した。
「騒がしいことですね」
「おまえはっ!!」
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「やはり殺していませんでしたか」
彼は剣を握り直すと団長に向かい合った。
「あの程度の男では無理だと思いましたからねぇ…私が直々に殺しに来て差し上げましたよ」
男と団長が対峙する。
「テメェ、誰だ?」
「これから死にゆくあなたに名乗る名前はありません」
男が剣を振りあげて団長に向かって行くのだった。
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