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第十章 騎士団団長暗殺
4話
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二人が団長室に入ると、奥の椅子に団長は座っていた。
「おお、どうしたんだマルク?任務中だろう?」
ドアの開閉音で気付いた団長が問いかけてくる。
「その任務なんですけどね…」
マルクがうつむく。
「どうした?」
団長は椅子から立ち上がり、こちらに近づいてくる。
「今だ、グレン」
「おう」
グレンの剣が団長がさっきまでいた場所に振りかざされる。
「なっ」
団長はグレンの剣を避けながら移動する。
「はっ」
その隙をついてマルクの剣も団長を襲う。
「二対一は卑怯だぞ」
団長は苦笑いを浮かべている。
「ずいぶん余裕だな」
「さっさと追い詰めようか」
二人の息の合った斬撃が団長を襲う。
「とうっ」
「やっ」
ついに壁際まで団長を追い込んだ。
「おっと」
「…今までお世話になりました」
「なんだよ急に」
マルクがつぶやく。
「やるぞ」
「ああ」
二人の剣が団長に突き刺さった。
団長の身体からは血が流れ落ちる。
「これで、満足か?」
団長が息も絶え絶えに言う。
「ええ」
マルクが頷いた。
団長の身体は傾き、ついには床に崩れ落ちた。
…
「…様、あの二人、やりましたよ。ついに騎士団の団長を殺しました!!」
一人の興奮した男が誰かと連絡を取っている。
「捕まえた」
グレンはその怪しい男を拘束した。
「あ、これは没収な」
男の持っていた連絡機や武器を取り上げていく。
「な、なんだ!貴様は!!」
「あ、グレン、いた?」
「ああ」
グレンは男を引きずってマルクの前に差し出した。
「これで団長を殺したことになるから、向こうも派手に動き始めるでしょ」
「おいおい、俺はこれからどうすりゃいいんだ」
血まみれの団長がマルクに尋ねる。
「剣をさした傷もフェイクだしお元気でしょ?隠居でもしてはどうかと」
「冷たい男だなぁ」
団長は実は血のり袋を剣で刺されただけなので無事なのだ。
全ては男に暗殺したと信じ込ませてその尻尾を掴むためだった。
「この男、どうする?」
「殺す?」
「ひっ、それだけは、それだけはご勘弁を!」
「でもこいつ、俺たちに嘘ついたじゃん」
「そうだな」
そうこの男は宿で助けを求めてきたスキンヘッドの店員だったのだ。
「やっぱりあの話は嘘だったんだな」
グレンが男の腕を捩じ上げる。
「う、嘘じゃないんだ!いきなり来て、脅されて店を乗っ取られたのは本当なんだよ」
男が涙ながらに訴える。
「でも逆らえば殺されるし…どうしたらいいかわからなかったんだ」
「ふーん、でも団長が死んだって報告してるとき、おまえ嬉しそうだったよな」
「そ、それはこれで解放されると思って…」
「まぁ御託は良いからさっさと引き渡そうか」
マルクが部屋の外に呼びつけておいた警備役に男を引き渡した。
「でも変だと思わないか」
団長が血塗れた服を脱ぎながら尋ねる。
「何がですか?」
「団員でもないのにあいつよく簡単に騎士団に入れたよな」
「おお、どうしたんだマルク?任務中だろう?」
ドアの開閉音で気付いた団長が問いかけてくる。
「その任務なんですけどね…」
マルクがうつむく。
「どうした?」
団長は椅子から立ち上がり、こちらに近づいてくる。
「今だ、グレン」
「おう」
グレンの剣が団長がさっきまでいた場所に振りかざされる。
「なっ」
団長はグレンの剣を避けながら移動する。
「はっ」
その隙をついてマルクの剣も団長を襲う。
「二対一は卑怯だぞ」
団長は苦笑いを浮かべている。
「ずいぶん余裕だな」
「さっさと追い詰めようか」
二人の息の合った斬撃が団長を襲う。
「とうっ」
「やっ」
ついに壁際まで団長を追い込んだ。
「おっと」
「…今までお世話になりました」
「なんだよ急に」
マルクがつぶやく。
「やるぞ」
「ああ」
二人の剣が団長に突き刺さった。
団長の身体からは血が流れ落ちる。
「これで、満足か?」
団長が息も絶え絶えに言う。
「ええ」
マルクが頷いた。
団長の身体は傾き、ついには床に崩れ落ちた。
…
「…様、あの二人、やりましたよ。ついに騎士団の団長を殺しました!!」
一人の興奮した男が誰かと連絡を取っている。
「捕まえた」
グレンはその怪しい男を拘束した。
「あ、これは没収な」
男の持っていた連絡機や武器を取り上げていく。
「な、なんだ!貴様は!!」
「あ、グレン、いた?」
「ああ」
グレンは男を引きずってマルクの前に差し出した。
「これで団長を殺したことになるから、向こうも派手に動き始めるでしょ」
「おいおい、俺はこれからどうすりゃいいんだ」
血まみれの団長がマルクに尋ねる。
「剣をさした傷もフェイクだしお元気でしょ?隠居でもしてはどうかと」
「冷たい男だなぁ」
団長は実は血のり袋を剣で刺されただけなので無事なのだ。
全ては男に暗殺したと信じ込ませてその尻尾を掴むためだった。
「この男、どうする?」
「殺す?」
「ひっ、それだけは、それだけはご勘弁を!」
「でもこいつ、俺たちに嘘ついたじゃん」
「そうだな」
そうこの男は宿で助けを求めてきたスキンヘッドの店員だったのだ。
「やっぱりあの話は嘘だったんだな」
グレンが男の腕を捩じ上げる。
「う、嘘じゃないんだ!いきなり来て、脅されて店を乗っ取られたのは本当なんだよ」
男が涙ながらに訴える。
「でも逆らえば殺されるし…どうしたらいいかわからなかったんだ」
「ふーん、でも団長が死んだって報告してるとき、おまえ嬉しそうだったよな」
「そ、それはこれで解放されると思って…」
「まぁ御託は良いからさっさと引き渡そうか」
マルクが部屋の外に呼びつけておいた警備役に男を引き渡した。
「でも変だと思わないか」
団長が血塗れた服を脱ぎながら尋ねる。
「何がですか?」
「団員でもないのにあいつよく簡単に騎士団に入れたよな」
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