ダンジョン行くなら監禁するよ?

浅上秀

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第十章 騎士団団長暗殺

2話

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その夜、二人とも疲れていたのでベットに寝転んだ瞬間、夢の世界へと旅立ったのだった。

次の日の朝、グレンが目を覚ますとマルクはもうベットにはいなかった。
部屋を出て階下の食堂を目指す。

「おはようございます」

使用人が恭しく食堂の扉を開けてくれた。

「うん、じゃあそういうことで、お願い」

マルクが別の使用人に指示を出しているところだった。
使用人と話し終わったのか、不意にマルクがグレンを見た。

「あ、グレン、起きたの?おはよう」

「あぁ、おはよう。先に出たのかと思った」

グレンはいつもの席に腰かけた。
すぐに朝食がテーブルにサーブされた。

「一人では行かないよ。それに任務中の僕がいきなり騎士団に顔を出したら怪しまれるだろ」

マルクはコーヒーを啜った。

「だったらどうやって騎士団に行くつもりなんだよ。何をするにも団長に会わなきゃいけないんだろ?」

グレンはパンを頬張りながら尋ねる。

「リスみたいでかわいいなぁ…うん、まぁね。とりあえずこっそり行くことは伝えた」

「伝えたってどうやって?」

普通の連絡手段をつかえば、あの男にすぐにバレてしまうだろう。

「騎士団には騎士団の人間しか知りえない連絡手段があるんだ」

マルクはほくそ笑んでいた。

「な、なるほど…」

「でもまぁ完全に安全とも言い難いんだけどね」

マルクはそのまま席を立った。

「グレンはゆっくり食べてて。ちょっと書斎でやることあるから」

「わかった。でも今日中に騎士団には行くんだろ?」

「うん、一時間で終わらせるから準備しておいてくれる?」

「おう」

マルクは足早に食堂を出て行った。
グレンは朝食を完食すると、部屋に戻って身支度を整えるのだった。



「馬車は使えないもんな」

あれから一時間後、屋敷を出た二人は騎士団に向かって歩いていた。

「一応、暗殺しに行く予定だからね」

「暗殺って夜のイメージなんだけどな」

今の時間は真昼間だった。

「そうでもないよ。相手の隙を突くことが求められるから、白昼堂々殺す奴もいる」

「そんなもんなのか…」

グレンは人殺しとは無縁の生活をしているのであまり実感がわかないのだ。

「そろそろ騎士団かな…気付いた?」

「あぁ。いるな」

騎士団の近く、昨日二人が巻いたあの男の手下がうろついていたのだ。

「監視する側がされる側に気付かれるってどういうことなの?」

マルクは男たちを馬鹿にして笑っている。

「俺たちがちゃんと仕事をするかだけ身に来てるから、その過程には興味ないんだろ」

グレンも苦笑交じりだ。

「でも暗殺しに来たのにこんな正面から入るわけないよね」

男たちがいるのは騎士団の正面玄関付近である。

「気にせず入ろうぜ」

そうして二人は別の隠し通路から入るのだった。









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