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第九章 任務とクエスト
5話
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グレンは横に座ったマルクの顔を見る。
「まぁとにかく不自然な点とか矛盾するところがあるよねってこと」
「なる、ほど…」
マルクは再びニヤリと笑った。
「あんまり難しいこと言ってもグレンにはどうせわからないでしょ?」
「なっ、俺だってそれくらい!!」
グレンはキっとマルクを睨んだ。
「何はともあれ…警戒してもし足りないくらいだね」
「そうだな。ある意味、敵陣の中にいるようなもんだし…ってのんきに話してて大丈夫なのかよ?」
「うん、こっそり報告はしておいた」
「さすがマルク…」
「てことでご褒美ちょうだい」
マルクがグレンに顔を近づけるが、グレンは手でマルクの顔を押しやった。
「終わるまで禁止令出しただろ」
「んむむむっ」
マルクはとても不満そうだ。
「とりあえず今日はもう寝ようぜ…なんか眠くなってきた」
グレンは身体を後ろに倒してベットに横になる。
「ずっと気を張っていたからね。しょうがないよ」
「おやすみ…」
マルクもグレンの横に寝そべってグレンの髪を撫でた。
…
真夜中の暗闇の中、廊下に足音がうっすらと響き渡る。
足音はドアの前で止まった。
「ここか」
がちゃりと鍵が開く音がする。
足音の主はそっと扉を開いて中に入った。
「んんんんん」
その瞬間、その人物は床に倒された。
扉は再びそっと閉まったのだった。
「で、こんな夜更けに何の用?」
明かりがついた室内には男が三人いる。
「寝込みを襲うとかベタ過ぎないか?」
マルクとグレンは実は起きていたのだ。
部屋に侵入してきたのはスキンヘッドの店の男だった。
「ち、ちが、俺は襲いに来たわけではっ…」
彼は必死に弁解する。
「じゃあ何しに来たわけ?」
マルクが男の腕を強く捩じ上げる。
「いたたたた」
「おいマルク」
グレンは慌てて緩めさせた。
「もう我慢ならないんだ」
マルクの拘束から離れた男がつぶやいた。
「なにが?」
「あの人だよ…ずいぶん前にここを乗っ取られてそれから言いなりにならざる負えなくて…」
「そんなにすごいやつなのか?」
グレンが首を傾げる。
「お、おまえら知らないのか!?あの方は…大公殿下の手下だ」
「大公ってあの?」」
現在の国王には一人、野心家の弟がいて虎視眈々と王座を狙っているというのはもっぱらの噂ではあった。
「でも大公が国王を落とそうとしている何て、噂話に過ぎないと思ってた」
「最近、荒くれ者たちを利用して騎士団やギルドを崩してから国を落とすそうだ…先日、酔って良い気分になったあの男が言ってたよ…」
「それで俺たちにどうしろと?そもそもあんたの話ですら信憑性がない。それにそうやって俺たちにあの男を裏切らせてから殺す算段かもしれないし」
マルクは警戒を怠らない。
「まぁとにかく不自然な点とか矛盾するところがあるよねってこと」
「なる、ほど…」
マルクは再びニヤリと笑った。
「あんまり難しいこと言ってもグレンにはどうせわからないでしょ?」
「なっ、俺だってそれくらい!!」
グレンはキっとマルクを睨んだ。
「何はともあれ…警戒してもし足りないくらいだね」
「そうだな。ある意味、敵陣の中にいるようなもんだし…ってのんきに話してて大丈夫なのかよ?」
「うん、こっそり報告はしておいた」
「さすがマルク…」
「てことでご褒美ちょうだい」
マルクがグレンに顔を近づけるが、グレンは手でマルクの顔を押しやった。
「終わるまで禁止令出しただろ」
「んむむむっ」
マルクはとても不満そうだ。
「とりあえず今日はもう寝ようぜ…なんか眠くなってきた」
グレンは身体を後ろに倒してベットに横になる。
「ずっと気を張っていたからね。しょうがないよ」
「おやすみ…」
マルクもグレンの横に寝そべってグレンの髪を撫でた。
…
真夜中の暗闇の中、廊下に足音がうっすらと響き渡る。
足音はドアの前で止まった。
「ここか」
がちゃりと鍵が開く音がする。
足音の主はそっと扉を開いて中に入った。
「んんんんん」
その瞬間、その人物は床に倒された。
扉は再びそっと閉まったのだった。
「で、こんな夜更けに何の用?」
明かりがついた室内には男が三人いる。
「寝込みを襲うとかベタ過ぎないか?」
マルクとグレンは実は起きていたのだ。
部屋に侵入してきたのはスキンヘッドの店の男だった。
「ち、ちが、俺は襲いに来たわけではっ…」
彼は必死に弁解する。
「じゃあ何しに来たわけ?」
マルクが男の腕を強く捩じ上げる。
「いたたたた」
「おいマルク」
グレンは慌てて緩めさせた。
「もう我慢ならないんだ」
マルクの拘束から離れた男がつぶやいた。
「なにが?」
「あの人だよ…ずいぶん前にここを乗っ取られてそれから言いなりにならざる負えなくて…」
「そんなにすごいやつなのか?」
グレンが首を傾げる。
「お、おまえら知らないのか!?あの方は…大公殿下の手下だ」
「大公ってあの?」」
現在の国王には一人、野心家の弟がいて虎視眈々と王座を狙っているというのはもっぱらの噂ではあった。
「でも大公が国王を落とそうとしている何て、噂話に過ぎないと思ってた」
「最近、荒くれ者たちを利用して騎士団やギルドを崩してから国を落とすそうだ…先日、酔って良い気分になったあの男が言ってたよ…」
「それで俺たちにどうしろと?そもそもあんたの話ですら信憑性がない。それにそうやって俺たちにあの男を裏切らせてから殺す算段かもしれないし」
マルクは警戒を怠らない。
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