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第九章 任務とクエスト
1話
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「忘れ物は?」
「たぶん大丈夫」
翌朝、二人は一緒にギルドに向かっていた。
「久しぶりだからなんか緊張する…」
グレンはそもそも外出自体が久しぶりである。
「本当は外に出したくなかったんだけど」
マルクは未だに不満そうだ。
「しょうがないだろ…休暇もらえるんだからさ」
グレンがマルクの肩を叩く。
「まぁな」
「休暇もらえたら何するんだよ」
「そりゃあ毎日グレンといて、あんなことやこんなことを…」
「だぁー!朝から何言ってんだ!」
グレンは顔を真っ赤にしてマルクの口を塞いだ。
「んんんん」
「あ、悪ぃ」
マルクが苦しそうに叫んだのでグレンは慌てて手を離す。
「はぁ、任務の前に死ぬかと思った」
…
ギルドに到着すると先日、マルクの元を訪れた職員と責任者の二人が出迎えた。
「マルク様、グレン様、この度はお引き受けいただき誠にありがとうございます」
責任者が二人に礼を言う。
「で、僕たちが行くクエストはどれ?」
マルクが掲示板を見渡す。
「こちらでございます」
職員が一枚の紙を差し出す。
「これって…」
グレンが受け取り、二人で紙を覗き込んだ。
一番上には大きく強調した字で10人限定と書かれている。
「一回のクエストに10人は多すぎねぇか?」
「普通は多くてもパーティ組んで五人とかじゃないの」
二人は訝しむ。
「そうなんです。しかし限定と書かれているため、10人1組というわけではないようでして…そのためこちらとしてもクエストを拒否する理由がないんです」
「なるほど」
クエストの内容としては、とあるダンジョンに生えている植物を取ってくるだけのようだった。
「この植物がもしかして…」
「いえ、植物自体は何も変哲のない薬草やきのこです。その代わりに報酬として渡されるものが厄介でして…」
「麻薬か」
「はい…ギルドが調査に派遣したものたちまで行方不明だったり薬の餌食になってしまっており、全く対策ができずじまいで…何者かの圧力のせいかクエストの停止もできないので、根本からなんとかすることもできないんです」
ギルドの責任者は頭を抱えている。
「で、俺たちはどうすれば?」
「まず麻薬を検査したいのでサンプルの持ち帰り、それから組織についてメンバーや構成などがわかれば情報提供をお願いいたします」
「組織は潰さなくていいの?」
「それは騎士団の方々のお仕事のようですので」
「なるほどね」
「たぶん大丈夫」
翌朝、二人は一緒にギルドに向かっていた。
「久しぶりだからなんか緊張する…」
グレンはそもそも外出自体が久しぶりである。
「本当は外に出したくなかったんだけど」
マルクは未だに不満そうだ。
「しょうがないだろ…休暇もらえるんだからさ」
グレンがマルクの肩を叩く。
「まぁな」
「休暇もらえたら何するんだよ」
「そりゃあ毎日グレンといて、あんなことやこんなことを…」
「だぁー!朝から何言ってんだ!」
グレンは顔を真っ赤にしてマルクの口を塞いだ。
「んんんん」
「あ、悪ぃ」
マルクが苦しそうに叫んだのでグレンは慌てて手を離す。
「はぁ、任務の前に死ぬかと思った」
…
ギルドに到着すると先日、マルクの元を訪れた職員と責任者の二人が出迎えた。
「マルク様、グレン様、この度はお引き受けいただき誠にありがとうございます」
責任者が二人に礼を言う。
「で、僕たちが行くクエストはどれ?」
マルクが掲示板を見渡す。
「こちらでございます」
職員が一枚の紙を差し出す。
「これって…」
グレンが受け取り、二人で紙を覗き込んだ。
一番上には大きく強調した字で10人限定と書かれている。
「一回のクエストに10人は多すぎねぇか?」
「普通は多くてもパーティ組んで五人とかじゃないの」
二人は訝しむ。
「そうなんです。しかし限定と書かれているため、10人1組というわけではないようでして…そのためこちらとしてもクエストを拒否する理由がないんです」
「なるほど」
クエストの内容としては、とあるダンジョンに生えている植物を取ってくるだけのようだった。
「この植物がもしかして…」
「いえ、植物自体は何も変哲のない薬草やきのこです。その代わりに報酬として渡されるものが厄介でして…」
「麻薬か」
「はい…ギルドが調査に派遣したものたちまで行方不明だったり薬の餌食になってしまっており、全く対策ができずじまいで…何者かの圧力のせいかクエストの停止もできないので、根本からなんとかすることもできないんです」
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「で、俺たちはどうすれば?」
「まず麻薬を検査したいのでサンプルの持ち帰り、それから組織についてメンバーや構成などがわかれば情報提供をお願いいたします」
「組織は潰さなくていいの?」
「それは騎士団の方々のお仕事のようですので」
「なるほどね」
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