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第七章 ギルドと騎士団
2話
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「さすがマルク、察しが良くて助かる」
団長はニカっと笑った。
マルクは団長の様子に思わずため息が漏れた。
「はぁ…それで、本題は何の用ですか?」
団長がニヤリとしたまま続ける。
「実は今回のあのダリルって男のこととも関わりがあるんだが…ギルドで今、異変が起きててな」
「近頃、ダンジョンでの麻薬や魔獣の取引やギルド内での犯罪行為の横行が活発になり、冒険者界隈の治安がどんどんと悪化していることはご存知でしょうか?」
ギルドの責任者がマルクに尋ねる。
「…噂程度なら。僕がグレンをクエストに行かせたくなかった理由の一つでもありますし」
「はは、単にグレンのことを監禁したいだけかと思ってたよ」
「団長、冗談はその辺にしておいてください」
マルクがグレンを睨んだ。
「どうやらそれらの行為をギルドの外で何者かが、荒くれ者を束ねて先導しているようで…」
ギルドの職員が言葉につまる。
「ダリルが少し前にクエストで組んだ奴がその組織にいるやつらしくてな。そいつに誘われてついて行ったがダリルの運のツキよ」
団長が顎をさすって言葉を引き継ぐ。
「なるほど。そこで上手い話にでも飛びつきましたか?」
マルクが鼻で笑う。
「まぁそういうこった。高い報酬がもらえるといい気になって仕事を請け負っているうちはいいが、余った金で薬に手を出して犯罪を犯罪と思えなくなるほどに精神を侵されるって具合よ」
「犯罪行為の助長にギルドのクエストを利用するということは誠に遺憾なのですが、どうも我々では対処しきれず…」
ギルドの二人は頭を抱えている。
マルクはその二人の様子を見て察した。
「それで騎士団と協力しようってわけですか?」
「そうだ。治安維持は騎士団の仕事だからな」
「私は何をすれば?」
「グレンと二人で潜入捜査でもしてくれないか?」
団長はニカっと笑った。
マルクは団長の様子に思わずため息が漏れた。
「はぁ…それで、本題は何の用ですか?」
団長がニヤリとしたまま続ける。
「実は今回のあのダリルって男のこととも関わりがあるんだが…ギルドで今、異変が起きててな」
「近頃、ダンジョンでの麻薬や魔獣の取引やギルド内での犯罪行為の横行が活発になり、冒険者界隈の治安がどんどんと悪化していることはご存知でしょうか?」
ギルドの責任者がマルクに尋ねる。
「…噂程度なら。僕がグレンをクエストに行かせたくなかった理由の一つでもありますし」
「はは、単にグレンのことを監禁したいだけかと思ってたよ」
「団長、冗談はその辺にしておいてください」
マルクがグレンを睨んだ。
「どうやらそれらの行為をギルドの外で何者かが、荒くれ者を束ねて先導しているようで…」
ギルドの職員が言葉につまる。
「ダリルが少し前にクエストで組んだ奴がその組織にいるやつらしくてな。そいつに誘われてついて行ったがダリルの運のツキよ」
団長が顎をさすって言葉を引き継ぐ。
「なるほど。そこで上手い話にでも飛びつきましたか?」
マルクが鼻で笑う。
「まぁそういうこった。高い報酬がもらえるといい気になって仕事を請け負っているうちはいいが、余った金で薬に手を出して犯罪を犯罪と思えなくなるほどに精神を侵されるって具合よ」
「犯罪行為の助長にギルドのクエストを利用するということは誠に遺憾なのですが、どうも我々では対処しきれず…」
ギルドの二人は頭を抱えている。
マルクはその二人の様子を見て察した。
「それで騎士団と協力しようってわけですか?」
「そうだ。治安維持は騎士団の仕事だからな」
「私は何をすれば?」
「グレンと二人で潜入捜査でもしてくれないか?」
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