ダンジョン行くなら監禁するよ?

浅上秀

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第六章 久しぶりにギルドに行く

3話

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二人が掲示板を眺めていた時だった。

「グレンじゃねーか!久しぶりだな!」

男が一人声をかけてくる。

「ダリルじゃねーか。久しぶりだな」

彼はグレンが監禁されるきっかけになった件のダンジョンにグレンを誘った男だった。

「返事くれるかと思って待ってたんだぞ」

「悪りぃな」

「返事?」

マルクが尋ねる。

「おう、俺がグレンのことダンジョンに誘ってたんだよ。んで、こいつグレンの知り合いか?」

「あぁ、まぁな」

その時だった。
先ほどの職員の男が青い顔をして二人の方に走ってきた。

「あ、あぁ、よかった。まだいた!マルク様、申し訳ございません。書類の不備が見つかりまして、その修正とあとひとつだけご伝言が…」

「不備?おかしいなぁ…」

「マルク、行ってこいよ」

グレンは渋るマルクの背を押した。
マルクはジト目でグレンを睨んだ。

「大人しく、ここで待ってられる?」

「当たり前だろ。俺を一体、いくつの子供だと思ってんだよ」

「すぐフラフラどっか行くからだよ」

「いいからさっさと行けよ」

マルクは何度もグレンの方を振り向きながら職員の後について行った。

「お前、苦労してんな」

ダリルがグレンの肩をポンと叩く。
グレンはそのダリルの手をはたき落とした。

「あ、悪ぃ…」

グレンはマルク以外に触れられるのが久しぶりだったせいか過剰に反応してしまった。

「どうしたんだよ、グレン。お前しばらく会わないうちに変わっちまったんじゃねぇか?」

ダリルの視線が鋭くなる。

「そんなことねぇよ」

グレンはダリルから顔を逸らして掲示板をみる。

「ならいいけどよ…再開記念になんか一緒にクエスト行こうぜ」

「行かねぇよ」

グレンは首を振る。

「は?じゃあなんでここにいんだよ」

「色々用があったんだよ」

結婚の報告に来たということはなんだか恥ずかしくていえなかった。

「じゃあ、飯、飯行こうぜ!それならいいだろ?」

「一人で行けよ。俺はマルクのこと待ってるから」

「はー!お前付き合い悪くなったな」

「元からこんなんだよ。じゃあな」

「おい、待てよ、どこ行くんだよ!」

ダリルがグレンの腕を掴んだ。

「マルクのとこ」

「行かせねぇよ」

ダリルはグレンの腕を引きずって歩き出した。

「は?離せよ。おい、おい!!」









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