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第四章 一難去ってまた一難
5話
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「?」
二人はそろってリディアをみた。
「うっ、こ、恋人って、どういうことですの?」
「そのままですけど?」
「ですがお二人は男性同士で…」
「うん、そうですけど何か?この国では同性愛は禁止じゃないし、結婚もできる」
「で、ですが、お子は作れないでしょう?跡継ぎはどうなさるおつもりで?」
マルクはイラっとした様子で答える。
「そんなの養子でももらうのでご心配なく」
「でも、でも…」
リディアは一向に下がろうとはしない。
マルクのイライラは募るばかりだった。
「というか契約違反もいいところですね」
「契約?」
グレンが首を傾げた。
リディアは勢いを無くして顔を青くしてだまり込んだ。
「そう、俺とリディア嬢との契約」
マルクはリディアを睨みながらゆっくり話し始めた。
…
「俺の親が結婚しろってうるさいのは知ってるよね?」
「うん、学生時代から婚約者作れって散々いわれてたよね」
「そう。でも俺には…俺にはグレンだけだから、俺は婚約者何ていらなかった」
しかしマルクの親は許してくれなかった。
「なんとか引き延ばしたんだけど、もう我慢できないって勝手に決めちゃってさぁ」
マルクはキっとリディアを睨みつける。
「それがこの女ってわけ」
「なるほど」
グレンは頷いた。
「でもさ、俺は女なんか愛せないから、リディア嬢と契約を結んだんだ」
「それがさっきの…」
「そう、リディア嬢は俺のこの屋敷のことや恋人関係には一切口を出さないこと、俺の寵愛を求めないこと、ってね。代わりに外に愛人作っても良いし、自由にしていいって契約」
「そっか…」
グレンはリディアを見やった。
彼女は膝の上で握りこぶしを握りしめて震えていた。
「でも、こんな契約ありえませんわ…」
「ありえなくてもあなたは承諾した。一度、合意したものを今更取り消せない」
マルクは冷たく言い放つ。
「それでも私はっ」
リディアは肩を震わせて泣き始めてしまった。
グレンは二人の間でおろおろしているしかなかった。
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「うっ、こ、恋人って、どういうことですの?」
「そのままですけど?」
「ですがお二人は男性同士で…」
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「で、ですが、お子は作れないでしょう?跡継ぎはどうなさるおつもりで?」
マルクはイラっとした様子で答える。
「そんなの養子でももらうのでご心配なく」
「でも、でも…」
リディアは一向に下がろうとはしない。
マルクのイライラは募るばかりだった。
「というか契約違反もいいところですね」
「契約?」
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…
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「そう。でも俺には…俺にはグレンだけだから、俺は婚約者何ていらなかった」
しかしマルクの親は許してくれなかった。
「なんとか引き延ばしたんだけど、もう我慢できないって勝手に決めちゃってさぁ」
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「それがこの女ってわけ」
「なるほど」
グレンは頷いた。
「でもさ、俺は女なんか愛せないから、リディア嬢と契約を結んだんだ」
「それがさっきの…」
「そう、リディア嬢は俺のこの屋敷のことや恋人関係には一切口を出さないこと、俺の寵愛を求めないこと、ってね。代わりに外に愛人作っても良いし、自由にしていいって契約」
「そっか…」
グレンはリディアを見やった。
彼女は膝の上で握りこぶしを握りしめて震えていた。
「でも、こんな契約ありえませんわ…」
「ありえなくてもあなたは承諾した。一度、合意したものを今更取り消せない」
マルクは冷たく言い放つ。
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