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第三章 屋敷でトラブル
7話
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グレンは歩くごとに眠気が増していく。
「うう、ん」
「大丈夫ですよ。こちらです」
執事の案内に従ってグレンは足をなんとか動かす。
ギイという音と共に扉が開いた。
「さぁ、どうぞこちらへ」
グレンは促されるがまま、ベットらしきものに腰を下ろした。
そしてそっと身体を横たえた。
「おやすみなさいませ」
執事の声を最後にグレンは眠りの世界に堕ちていった。
…
「んん、ん?」
グレンが目を覚ますと真っ暗闇の中にいた。
暗いので部屋の電気を付けようとベットから起き上った。
しかしグレンの身体は動かなかった。
ベットにしっかりと拘束されているのだ。
「な、なんで…」
マルクはまだ帰ってきていないはずである。
それならば誰がグレンの身体を拘束したのだろうか。
記憶をたどっても眠りに落ちる前は、昼食を食べたことしか思い出せなかった。
だんだんと暗闇に目が慣れてきたのか、なんとなく部屋の様子が見えるような気がした。
「ここ、どこだ?」
どうやらいつも過ごしている部屋ではないようだった。
まず窓がなく、光がどこからも漏れてこない。
グレンの過ごしていた部屋はカーテンを閉め切っても外の明かりが見えるのだ。
ベットの感触もいつもよりも硬い。
身体を動かそうと身をよじるとじゃらじゃらと鎖の動く音がした。
「なんで、俺こんなことに…」
…
突然、ギーという音がした。
部屋の扉が開いたのだ。
「お目覚めですか」
扉を開けたのは執事だった。
声だけで執事だとわかる。
「え、執事さん…?なんで、ここに?」
「私がこちらにご案内させていただきました」
「なんで俺のこと縛ってるんですか…?」
グレンは恐る恐る尋ねる。
執事は部屋の明かりに火を灯しながら答える。
「グレン様がおっしゃったのではないですか。あの部屋に入ってみたいと」
「あの部屋…」
グレンが考えた思い付いたのは一階の階段横にある開かずの部屋だった。
「で、でもあそこはマルクじゃないと入れないから知らないって…」
「あれは嘘でございます」
執事は白々しく答える。
「私はこの屋敷の家令として、屋敷の全ての部屋の管理を任されております故、全部の部屋の鍵を持ち合わせております」
「全部の部屋…」
「ああ、違いますね、マルク様のお部屋以外の全ての部屋です」
執事はゆっくりとグレンのベットに近づいてきた。
「うう、ん」
「大丈夫ですよ。こちらです」
執事の案内に従ってグレンは足をなんとか動かす。
ギイという音と共に扉が開いた。
「さぁ、どうぞこちらへ」
グレンは促されるがまま、ベットらしきものに腰を下ろした。
そしてそっと身体を横たえた。
「おやすみなさいませ」
執事の声を最後にグレンは眠りの世界に堕ちていった。
…
「んん、ん?」
グレンが目を覚ますと真っ暗闇の中にいた。
暗いので部屋の電気を付けようとベットから起き上った。
しかしグレンの身体は動かなかった。
ベットにしっかりと拘束されているのだ。
「な、なんで…」
マルクはまだ帰ってきていないはずである。
それならば誰がグレンの身体を拘束したのだろうか。
記憶をたどっても眠りに落ちる前は、昼食を食べたことしか思い出せなかった。
だんだんと暗闇に目が慣れてきたのか、なんとなく部屋の様子が見えるような気がした。
「ここ、どこだ?」
どうやらいつも過ごしている部屋ではないようだった。
まず窓がなく、光がどこからも漏れてこない。
グレンの過ごしていた部屋はカーテンを閉め切っても外の明かりが見えるのだ。
ベットの感触もいつもよりも硬い。
身体を動かそうと身をよじるとじゃらじゃらと鎖の動く音がした。
「なんで、俺こんなことに…」
…
突然、ギーという音がした。
部屋の扉が開いたのだ。
「お目覚めですか」
扉を開けたのは執事だった。
声だけで執事だとわかる。
「え、執事さん…?なんで、ここに?」
「私がこちらにご案内させていただきました」
「なんで俺のこと縛ってるんですか…?」
グレンは恐る恐る尋ねる。
執事は部屋の明かりに火を灯しながら答える。
「グレン様がおっしゃったのではないですか。あの部屋に入ってみたいと」
「あの部屋…」
グレンが考えた思い付いたのは一階の階段横にある開かずの部屋だった。
「で、でもあそこはマルクじゃないと入れないから知らないって…」
「あれは嘘でございます」
執事は白々しく答える。
「私はこの屋敷の家令として、屋敷の全ての部屋の管理を任されております故、全部の部屋の鍵を持ち合わせております」
「全部の部屋…」
「ああ、違いますね、マルク様のお部屋以外の全ての部屋です」
執事はゆっくりとグレンのベットに近づいてきた。
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