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第三章 屋敷でトラブル

5話

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昼寝をしたにも関わらず、グレンはあっという間に眠ってしまった。

「本当に無防備なんだから」

マルクはキスをしたグレンの頬を撫でた。
眠っているグレンの表情が少し和らいだ。

「はは、これ以上、余計な人をたぶらかさないで欲しいよね」

マルクは頬を撫で続ける。

「そろそろお仕置きかなぁ」

マルクは考え事をしながら目を閉じる。
そしてグレンの眠りに誘われるように眠った。



「グレン、起きて、グレン」

グレンはマルクの声に起こされた。

「んんっ」

朝日がまぶしく目を刺激する。

「おはよう、グレン」

マルクが笑顔でグレンの顔を覗き込んでいた。

「お、はよ、マルク」

「俺もう行かなきゃなんだよね。ごめん、先にご飯食べちゃった」

「ううん、ごめん、起きれなかった」

グレンは寝過ごしたとばかりに飛び起きた。

「いいよ、気にしないで」

マルクがグレンの寝癖を手で撫でつけながら答える。

「僕こそごめんね、気持ちよく寝てたのに起こしちゃった」

「いや、見送りだけでもしたかったから…」

グレンはごにょごにょと答えた。
マルクは嬉しそうにしている。

「じゃあそうしてもらおうかな」

二人は手を繋いで部屋を出た。



「じゃあ、行ってくるね」

「ん、行ってらっしゃい」

グレンがマルクを見送る。
マルクはグレンにキスをした。

グレンは昨日はフリーズしてしまったものの、今日は目を閉じて受け入れた。

「それじゃあ」

「うん」

マルクは行こうとしてドアの方を向いた。

「グ、グレン?」

「ん?」

ドアの方に向かおうとしていたマルクが焦ったように振り向いた。

「手…」

「手?」

マルクに言われて手元を見ると、グレンはマルクの手をしっかりと握っていた。

「わわわ、ご、ごめん!」

「はぁー、ほんと、どこまでかわいいの?仕事行きたくなくなる…」

「い、いってらっしゃい」

グレンはマルクの背中を押してドアから外に出した。

「う、うん、行ってきます」

マルクは苦笑しながら仕事に出かけた。

グレンはマルクを見送るとダイニングに向かって朝食を食べる。
食べながら今日一日のスケジュールを考えるのだった。




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