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第三章 屋敷でトラブル

3話

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グレンが再び目を覚ましたのは部屋のドアの開く音がした時だった。

「あ、グレン、起きた?」

「ま、マルク!?いつの間に帰ってきたんだよ」

「今だよ」

グレンはマルクが帰るまで眠っていたのだった。

「ただいま」

「お、おかえり」

マルクはグレンに軽く口づけた。
グレンは驚かずに受け入れていた。

「さ、ディナー食べに行こうか」

「うん」

二人は今日、あったことを話ながら食事を共にした。

「グレン、今日は何してたの?」

「今日は屋敷の中、探索した。あ、執事さんに案内してもらってさぁ」

「へぇ」

マルクの目が一瞬、鋭くなった。

「後は庭で鍛錬してみたんだけど、やっぱり身体なまってた…」

「そっかそっか」

マルクは笑顔でグレンの話を聞いていた。

「マルクは?」

「僕は訓練したり、新人の面倒見たり…いつも通りかな」

「そうなんだ」

話をしているうちに、二人は食事を終えた。

マルクはグレンを部屋に送り届けた。

「ちょっと執事に伝言あるから行ってくるね」

「おう」

グレンはマルクが部屋を出てから思い出したことがあった。

「そういえば、あの部屋のこと聞くの忘れてた…ま、後で戻ってきてからでいいか」

グレンはベットに腰かけてマルクを待った。



マルクは執事を書斎に呼びつけた。

「失礼いたします」

執事が書斎に入ってきた。

「ねぇ、俺言ったよね?」

「は、はい…?」

「わかんないの?」

マルクは険しい表情で執事を糾弾する。

「次はないって言ったよね?」

「は、はい…しかし私は何も…」

「何、屋敷の中案内してんの?何勝手にデートしてんの?」

「け、決してそのようなつもりでは」

執事は冷や汗をかいていた。

「まぁ屋敷の中、自由に歩いていいて言ったの僕だけどさ…」

マルクは不意に腰元から剣を取り出す。

「でもさ、まさか二人でデーとするとは思わないよね」

「で、ですから私は!」

「うるさいなぁっ」

マルクは剣先を執事に向けた。
そしてジリジリとにじりよった。

「次はないって言ったでしょ?なんで守れないの?」

「も、申し訳ございません」

執事は土下座した。

「謝ればいいと思ってる?」

「い、いえいえ!な、なんでもいたしますので、どうか、どうかお許しを…」

執事は必死でマルクに懇願した。

「ほんとに、なんでもする?」

「はい!」

「ほんとだね?絶対、逆らうなよ」

「はい!」

「じゃあ許してあげる」

マルクは笑顔で答えた。

「ありがとうございます…」

執事は身体を丸めながら感謝した。

マルクは一つ二つ執事に命じると書斎を出てグレンの元に向かった。







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