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番外編 初めての家族旅行
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大浴場はまだ早い時間だからほぼ貸し切り状態だった。
「はぁ、極楽…」
イツキは肩までゆったりとお湯につかっていた。
身体を洗い終えたショウも遅れてイツキの隣に入ってくる。
「熱くない?」
「大丈夫」
二人の間にまったりと時間が流れていく。
ふいにショウが手を伸ばし、イツキの身体に触れた。
肩から腕に、そして指先に流れて指と指が絡まっていく。
「ショウ…」
イツキが物欲しそうな顔でショウをみる。
そっと二人の顔が近づく。
「あっ…」
あと少しで唇が触れそうになった、その時だった。
「いやぁ、思ったよりも広いな」
ガラガラと音を立てて大浴場の扉が開き人が入ってくる。
二人は少し離れた。
「おや、お二人だけですか?」
入ってきた男性はイツキとショウに話しかけてくる。
人のいい笑顔でイツキが答える。
「えぇ、さっきまで貸し切りでした」
「お邪魔だったかな」
おじさんは身体にお湯をかけながら茶目っ気たっぷりに言った。
「いえいえそんな」
そんな二人を横目にショウはざぶりとお湯から上がった。
そして誰もいない露天風呂に向かって歩き始める。
「それじゃあ私は露店のほうに」
「ごゆっくり」
イツキがパタパタとショウを追いかけてくる気配がする。
ショウは一足先に露天風呂に肩まで浸かっている。
「お待たせ」
「ん」
ショウはイツキの両肩をつかんで、唇を近づけた。
「ん、ふっ、うぅ」
激しく舌が絡み合う音が水面に反響している。
「あ、んん」
お互いの身体を抱きしめあい、素肌で触れ合った。
ゆっくりと名残惜し気に離れると、お互いの真っ赤な顔が目に入る。
「もう上がろうか」
「ん、のぼせそう」
二人はいそいそと大浴場を出た。
…
「遅かったわね」
部屋に戻る途中で母に遭遇した。
「ちょっとゆっくりしてたんだ。貸し切り状態だったからね」
「あら、そうなの」
三人で何事もなかったかのように夕食を共にした。
「はぁ、極楽…」
イツキは肩までゆったりとお湯につかっていた。
身体を洗い終えたショウも遅れてイツキの隣に入ってくる。
「熱くない?」
「大丈夫」
二人の間にまったりと時間が流れていく。
ふいにショウが手を伸ばし、イツキの身体に触れた。
肩から腕に、そして指先に流れて指と指が絡まっていく。
「ショウ…」
イツキが物欲しそうな顔でショウをみる。
そっと二人の顔が近づく。
「あっ…」
あと少しで唇が触れそうになった、その時だった。
「いやぁ、思ったよりも広いな」
ガラガラと音を立てて大浴場の扉が開き人が入ってくる。
二人は少し離れた。
「おや、お二人だけですか?」
入ってきた男性はイツキとショウに話しかけてくる。
人のいい笑顔でイツキが答える。
「えぇ、さっきまで貸し切りでした」
「お邪魔だったかな」
おじさんは身体にお湯をかけながら茶目っ気たっぷりに言った。
「いえいえそんな」
そんな二人を横目にショウはざぶりとお湯から上がった。
そして誰もいない露天風呂に向かって歩き始める。
「それじゃあ私は露店のほうに」
「ごゆっくり」
イツキがパタパタとショウを追いかけてくる気配がする。
ショウは一足先に露天風呂に肩まで浸かっている。
「お待たせ」
「ん」
ショウはイツキの両肩をつかんで、唇を近づけた。
「ん、ふっ、うぅ」
激しく舌が絡み合う音が水面に反響している。
「あ、んん」
お互いの身体を抱きしめあい、素肌で触れ合った。
ゆっくりと名残惜し気に離れると、お互いの真っ赤な顔が目に入る。
「もう上がろうか」
「ん、のぼせそう」
二人はいそいそと大浴場を出た。
…
「遅かったわね」
部屋に戻る途中で母に遭遇した。
「ちょっとゆっくりしてたんだ。貸し切り状態だったからね」
「あら、そうなの」
三人で何事もなかったかのように夕食を共にした。
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