欠落状態冒険者 ～defect state adventurer～

第2章 欠落状態冒険者始動する

第16話 スキル勇者肌

　俺の前に並んでいた男性が勇者肌スキル？だったか。そんなスキルを持っているらしく。叫んだため。今ギルド内の雰囲気はザワザワしていた。
　今は、ギルド内の視線が俺の前に居る男性に注がれている。
　俺の前に居るのは、まるでお坊ちゃんと言えばいいのだろうか。大人しそうな黒髪の男性で。先ほども言ったが。明らかに冒険者登録に来ました！オーラ全開の男性だ。って、よく見ると、身なりはなんか良いものを着ている気がする。って、俺からみればみんな良いもの来ているよな。

とりあえず俺の前では見た目は大人しそうな黒髪の男性だが。自身の持つスキルに驚いたのだろう。大騒ぎを男性もしていた。ちなみに大人しそうな見た目——と言っているが。よくよく確認すると、そこそこいい感じの身なりに隠れていたが。男性が動いたことで腰あたりが見えたのだが。この黒髪の男性。冒険者登録の時点で、剣が2つも刺さっていた。って、剣2つも必要？予備？なのだろうか？にしても冒険者登録に来た。ってありには準備が――ボンボンの子か？と俺が思っていると。

「——おい。シラキ。お前マジなの？スキル勇者肌？」
「シラキ。マジか、未来の勇者じゃん」
「マジかよ。何でシラキが勇者肌で俺が何もないんだよー」
「シラキ。ちょっとパーティ登録して本当かステータス見せてくれよ」

　一気に受付が賑やかになり。大人しそうな黒髪の男性の友人？が集まって来ていた。さらにギルド内に居た他の大人まで様子見だろうか集まってきていた。
　さらにさらに俺の隣に居たアマミという女性もさっと移動して、受付に居た男性。ダンディーな男性と何かコソコソ話を始めていた。あれは俺の事を根回し――というより。今俺の目の前で起きている騒ぎについてだろう。などと思っていると。アマミが俺の隣に戻って来た。

「今日はとことん忙しい」

　戻って来るなりそんなことをつぶやいた。

「忙しい？」
「まずお前見たいなエラーが出た」
「——俺」

　まあそうだな。俺なんかおかしいもんな。名前言えない書けないとかおかしいよな。

「さらに久しぶりに見たな勇者肌スキル。あれはいいぞ。初期値も高く。経験値が上がりやすく。強くなりやすい体質の冒険者でホント稀に出るスキル。このスキル持ちは基本勇者、最高ランク冒険者になることが多い。多分だが。すぐにでも今の勇者パーティが目を付けるだろう。ちょうど神が――っていう時だから。もしかしたら彼は選ばれし者かもしれない」
「勇者パーティね。ここにもそういうのがあるのか」
「もちろんある。国を守ってもらわないといけないからな」

　それからしばらく周りが騒いでいたがもちろん俺はその輪には入っていない。なんとなくそのスキルがすごいのは、アマミの話でもわかったが。俺が何か声をかけるとかの場面ではないからな。下手したらこの場を白けさせる可能性もあったので大人しく待機していた。ってか、もしかしてこの国にも勇者が倒すべき敵とか言うのがこの世界も居るのか？などとそんなことを考えたりしていた。

「よっしゃー。早速依頼だ依頼。シラキ行くぞ」
「待てって。俺まだ確認してないことが――」
「いいじゃん。移動しながらで」
「そうそう。早くお金稼ぎに行こうよ」

　それから少し。騒ぎに騒いでから、少しずつ人が離れだしたと思ったら、いつの間にか俺の前に居たはずの勇者肌のスキルとかを持っていた男性とその仲間？達は早速掲示板の方へと移動して行ったため俺の前が空き。やっと受付の前へと俺は足をすすめた。
　まさかの受付の目の前から時間がかかったがやっと俺の順番が回って来たらしい。