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第2章 欠落状態冒険者始動する

第15話 スキルもあるらしい

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 シーマ地方のギルド内にて受付の順番を待つ俺。
 俺の並んでいる列は少しずつ前に動いていた。

「冒険者登録が完了したので。スキル、情報開示をすることでステータス確認が出来ます」

 俺の少し前では多分俺と同じく冒険者登録中の男性が居る。

「えっと――スキル。情報開示——おぉ」

 そして登録を済ませた男性。俺と同じか少し若いくらいの男性が今は受付の人の指示に従い何かしている。って、情報開示。という言葉が聞こえたので、少し前に俺が見たようなステータス画面が見えるのかと思ったが――どうやら違うらしい。

「……おお、攻撃アップスキルあるじゃん俺!」

 俺がチラチラ見ていたが。特に何も――だったっが。突然男性の方は何か見えていたの。驚きの声をあげていた。あれ?俺から画面が見えないだけ?と思ったっが、どうやら他人には画面は見えないらしい。すると隣に居たアマミが何か察したのか。俺がステータス画面の事を聞く前に話し出した。

「ステータスは、基本他人には見えません」
「そういう事か。って、さっき俺のは見えてなかったか?」

 確かこのアマミという人は俺のステータスを見ていた。

「あれは私の能力だ」
「——そういう事か」

まあこのアマミという人すごい人らしいからな。何でもやりそうだし。

「ちなみに他人のステータスを見る方法は、パーティ登録をすると仲間の物だけは見れるようになる」
「なるほど、ってかスキルってなんだ?」
「その人の特別な能力。他人にはない能力の事だな。先ほどコモノのスキルは確認し忘れたが。冒険者登録の時点では、ある人とない人が居て、まあほとんどの人が経験値を貯めることによって、得ることがある。稀に一生スキルを得ない人もいるが。基本はスキルは運だ。このスキルが欲しいということは出来ない。生まれながらに身体の中に持っている物。だな」
「——ホントゲームかよ」

 俺がつぶやくと前の男性の登録が終わったらしく1つ列が進んだ。そして次は女性で、見た感じ――まだ幼い。俺よりは年下だろうでもしっかりした感じの女性だった。登録は先ほどの男性と違いスムーズに進んでおり。あっという間にステータス確認へと進んでいた。

「あっ、私もスキルある。って――生産スキルだ。でもこれなら――しばらくレベル上げしたら商人とか鍛冶屋もありなのかな?」

 女性は登録後ステータスを見つつ。まあ俺には見えないが。そんなことをつぶやいていた。するとここでも俺が聞いていないのに隣に居たアマミが説明を入れてきた。マジでこのアマミという人。人の頭の中を見ているというか。考えていることがわかるというのか。チートキャラじゃないよな?

「生産スキルを持っている場合は、冒険者をずっと続けるより。しばらくレベル上げを冒険者で行い。信頼度を高めたところで、あとは町でお店、鍛冶屋を始める人が多いな。あのスキルは他の人より生産効率が良いからな」
「なんて言うのか。物を作ると通常より多くできるとかか?」
「そういうことだ。または武器を作る際にレベルの高いものを作れたり。難易度の高い作業でも他の人よりは難易度が下がるとかの効果があるな。またスキルも成長していく。スキルを使えば使うほどスキルレベルも上がり効率が良くなっていく」
「ほー」

 なるほど。あまりピンとは来ないが。でもやっぱりゲームと似た感じの世界と思っておこう。そうした方が飲み込みやすそうだ。
 ちなみにギルド内では、ほかに何人もの冒険者らしき人が居て机のところとかで飲み物を飲みつつ話したり。掲示板のところで何か話している人の姿がある。なのでいろいろな会話も受付の列に並んでいると聞こえてきている。

「俺はスキルが未だになんもないんだよな。レベルも50まで来たのに未だに何も取得しないし。どうなってるんだよ」
「でもスキルなくても攻撃はお前の方が高いよなレベル1しか俺と違わないのに」
「個人差だろ。それを言ったらお前は魔法が使えるから良いじゃん。俺魔法の適正もないのかあまり伸びないし」

 そうか、先ほどからステータス画面が表示されたり――ってことがあったが。攻撃とかでも魔法があるのか。などと俺が周りの話を聞きながら思っていると。列がまた進み。やっと俺の前の男性。俺より少し若いくらいだろうか?明らかに冒険者登録をしに来ました!というオーラ全開の男性に順番が回ったのだった。そして――。

「——えっ?スキル――勇者——肌……えぇぇ!スキル。勇者肌か!?マジか!俺そんなスキル持ちだったのか!」

 突然前に居た男前からそんな声が聞こえてきたのだった。
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