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乙女ゲーのヒロインは、幼馴染の秘密を聞いてしまう。
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一方7組教室にて、担任がホームルームを終えて教室から出て行く。美月はずっと、あることを考えていた。
それは、先程の郁人がこの学園で、ハーレムを築き上げようとしている疑惑のことである。美月は心の中では、郁人は、そんなこと考えそうにないと思っているが、周りがそう言っている事実は否定しようがなかった。
「美月? どうしたんだ? そんな悲しそうな表情をして……」
そう、政宗が、真っ先に美月の元にきて、心配そうに話しかける。美月は、一瞬だけ、彼を見ると、再び正面を見つめて、考え事にふける。
(だいたい、郁人がハーレムなんて、考えるはず……でも、待って、確か……郁人はギャルゲーやっていて、確かハーレムモノだったよね? しかも、ライトノベルの異世界転生モノ読んでて、あれも、ハーレムモノだったよね?)
美月の思考は悪い方向に進んでいく。そして、浩二も美月のところにやって来る。
「美月ちゃん……大丈夫か? 体調悪いなら保健室に行った方がいいぜ」
「そう……だな……美月……保健室に行くなら付き添うから」
美月があまりに、今にも死にそうな表情で、虚空を見つめて考え事をしているため、心底心配なイケメン二人である。
そんな、浩二をちらりと美月は見る。ジッと見つめる。そして、目を見開くと、ハッとなり、閃く美月である。
(待て、ここは、やはり、事実を知ってそうな人に聞くのが早いよね?)
そう、美月は、この情報の出どころである強面な浩二に聞くのが一番早いと思ったのである。
「永田君……聞きたいことがあるんだけどね……郁人の話で、ハーレムがどうのこうのって話してたよね? その、く、詳しく聞かせて欲しいんだよね」
そう美月が、浩二に訊ねると、あからさまに不機嫌になる政宗と浩二である。そんなイケメン二人に、気が引ける美月だったが、美月もここで引く訳にはいかないのである。
「……聞かせてもらえないかな?」
美月は、立ち上がり、浩二に頭を下げる。正直、美月の立場からしたら、自分を揶揄っている二人に頭を下げるのは、プライドを傷つける行為だったが、それでも、真実が知りたい美月であった。
「……美月ちゃんが、そこまでお願いするなら話すけどさぁ……美月ちゃんは朝宮とは、どういう関係なんだ?」
「私と郁人は……その……幼馴染だよ」
美月は、正直にそう話す。政宗もここにはいたが、正直に話すことにした美月である。政宗は、複雑そうな表情を浮かべて黙っている。浩二は、そんな政宗を一瞥して、一人納得した表情をする。
「……そうだったのか……とりあえず、場所を移そうぜ」
聞く耳を立てているクラスメイトを見渡してそういう浩二に、美月と政宗は了承して、移動するのだった。そして、浩二から空き教室に案内され、室内に入る。
「ここなら、誰も来ねーぜ……じゃあ、話すけどよ……朝宮の奴は、入学早々に、女子生徒相手に握手会開いたりして……」
「ちょ、ちょっと待って? 何それ?」
浩二からの話に混乱する美月である。出てきた話が突拍子もなさすぎて、理解できない美月である。
「いや、そのまんま、握手会だぜ……後、屋上で女子生徒集めて、昼食会なるもの開いたりしてるらしいぜ……しかも、屋上に私物のテーブルやら、椅子を持ち込んで改造したりしてるらしーぜ」
「え? 昼食会? 何それ?」
美月の脳内はパンク寸前である。もはや、浩二の口から出てくる言葉を脳が処理しきらないのである。
「で、さっきの子、細田宏美と、もう一人、清楚で超可愛い三橋梨緒っていうスリートップの二人を引き連れて、常に両手に花状態らしいぜ……マジでゆるせねーぜ」
「……ああ、朝宮郁人……あいつは女子の敵だ……クソ野郎なんだ美月」
「い……郁人はクソ野郎じゃないよ!!」
二人のその発言が許せない美月である。そんな美月にどこか悲しそうな瞳で見つめるイケメン二人である。
「……だが、事実だぜ」
浩二はそう冷たく美月に言い放つ。その表情は真剣そのものだった。美月からも、嘘を言ってるようには見えなかった。そして、政宗は、あからさまに怒っていた。珍しく、激情に駆られていた。
「そうだ……あいつは……こんなに美月に……クソッ!!」
何かを言いかけてやめる政宗は、歯を食いしばり拳を握りしめ怒りを抑えている。どこに怒りを向けていいのかわからないのだろう。下を向き、悔しそうにしている。
「……そう……で、でも、噂だよね? それは、郁人に聞いてみないとわからないよね?」
「……証拠があってもか?」
浩二はそう言って、スマホを取り出して、写真を見せる。そこには、確かに女子生徒囲まれて握手をする郁人や、梨緒やゆるふわ宏美と歩いている郁人、女子生徒達とお弁当を食べる郁人が写っていた。
美月は目を見開いて驚く、そこには、確かに女子生徒に囲まれている郁人が写っていたからである。
「美月……目を覚ませ……あいつは、女好きのクソ野郎なんだ!!」
「……そう……だね」
顔を伏せて、ぼそりとそう言う美月である。そんな美月に、政宗と浩二はわかってくれたかと安堵の表情を浮かべる。
(そっか……郁人はハーレムを目指してるんだね……でも、私に、結婚の約束をしてくれたのも事実……つまり、こういうことだよね……郁人!!)
美月は、伏せていた顔をあげる。彼女の表情は決意に満ちていた。
「わかったよ……郁人、私……郁人のハーレムメンバーになるよ!!」
決意に満ちた表情で衝撃宣言をする美月に、衝撃を受けるイケメン二人である。驚きのあまり、政宗と浩二は言葉が出ない。
そんな中、一人やる気に満ちている美月である。気合のポーズをとっている。
「ちょ……マジで、待って美月ちゃん!! それはまずいって!! マジで!!」
「美月……正気に戻ってくれ……君は何を言っているのかわかっているのかい?」
慌てて、説得にかかるイケメン二人である。だが、美月の決意は固かった。
(私だって嫌だよ……郁人は私だけの郁人でいて欲しいよ……でも、大事なのは郁人と一緒に居ることで、一番大事なのは、郁人の幸せなんだよ……郁人が、ハーレムを望むなら私は、それを叶えてあげたいんだよ)
「美月……考え直してくれないか?」
政宗は、美月の瞳をジッと見つめて、そう説得しようとする。美月は瞳を閉じる。
(郁人が、私を見てくれるなら、私は……それでいいんだよ)
「ごめんね……私は決めたから、私は郁人のハーレムメンバーになるよ」
美月の発言に、あからさまに怒りを表す政宗である。
「美月!! 俺は絶対に認めない!!」
「別に、あなたに認めてもらう必要はないよね?」
美月に詰め寄り怒鳴る政宗に、美月も言い返す。郁人のことになると美月は、無限の力が湧いてくるのである。今まで、ヤンデレ政宗に怯えていた美月ではなかった。
「俺は……俺は絶対にあきらめない……認めない……アイツだけは……」
政宗は、勢いよくその場から立ち去る。そんな政宗にも、全く興味を示さない美月であった。そんな美月を見て、どこか悲しそうな表情をする浩二である。
「美月ちゃん……頼む!! 学園のアイドルでいてくれねーか?」
浩二は、美月に頭を下げる。さすがに、度肝を抜かれた美月は、少し考え込む。
「ごめんね……私は、アイドルになんて、なりたくないから……」
そう言われて、浩二は土下座する。頭を床にこすりつけて美月にお願いする。
「このとーりだ!! 頼むぜ!! 美月ちゃん!!」
さすがに、美月も良心が痛むのである。しかし、美月にとって、何より大切なことは郁人の事であった。だから、やはり答えは決まっているのである。
「本当に、ごめんね……そのお願いは叶えてあげられないよ」
そう言い放つ、美月に浩二は、無言で立ち上がる。
「そっか、じゃあ、しかたないぜ……美月ちゃん……僕は、僕なりのやり方でやらせてもらうぜ!!」
打って変わって、冷たくそう言い放つ浩二である。強面でも、どこか優しい雰囲気を醸し出していた浩二はどこにもいない。そこにいたのは、目的のためなら手段を択ばない修羅の姿があったのである。
「……絶対に……あんなこと……今度こそ……僕は……」
そう独り言を残して、浩二はこの場を去る。美月は一人取り残される。不安を覚える美月だが、絶対に郁人のために戦う決意をする美月である。
「大丈夫……郁人……郁人が私を見てくれるなら、私……頑張れるから……」
美月は瞳を閉じて、そう独り言をつぶやく、それは祈りのようであった。
それは、先程の郁人がこの学園で、ハーレムを築き上げようとしている疑惑のことである。美月は心の中では、郁人は、そんなこと考えそうにないと思っているが、周りがそう言っている事実は否定しようがなかった。
「美月? どうしたんだ? そんな悲しそうな表情をして……」
そう、政宗が、真っ先に美月の元にきて、心配そうに話しかける。美月は、一瞬だけ、彼を見ると、再び正面を見つめて、考え事にふける。
(だいたい、郁人がハーレムなんて、考えるはず……でも、待って、確か……郁人はギャルゲーやっていて、確かハーレムモノだったよね? しかも、ライトノベルの異世界転生モノ読んでて、あれも、ハーレムモノだったよね?)
美月の思考は悪い方向に進んでいく。そして、浩二も美月のところにやって来る。
「美月ちゃん……大丈夫か? 体調悪いなら保健室に行った方がいいぜ」
「そう……だな……美月……保健室に行くなら付き添うから」
美月があまりに、今にも死にそうな表情で、虚空を見つめて考え事をしているため、心底心配なイケメン二人である。
そんな、浩二をちらりと美月は見る。ジッと見つめる。そして、目を見開くと、ハッとなり、閃く美月である。
(待て、ここは、やはり、事実を知ってそうな人に聞くのが早いよね?)
そう、美月は、この情報の出どころである強面な浩二に聞くのが一番早いと思ったのである。
「永田君……聞きたいことがあるんだけどね……郁人の話で、ハーレムがどうのこうのって話してたよね? その、く、詳しく聞かせて欲しいんだよね」
そう美月が、浩二に訊ねると、あからさまに不機嫌になる政宗と浩二である。そんなイケメン二人に、気が引ける美月だったが、美月もここで引く訳にはいかないのである。
「……聞かせてもらえないかな?」
美月は、立ち上がり、浩二に頭を下げる。正直、美月の立場からしたら、自分を揶揄っている二人に頭を下げるのは、プライドを傷つける行為だったが、それでも、真実が知りたい美月であった。
「……美月ちゃんが、そこまでお願いするなら話すけどさぁ……美月ちゃんは朝宮とは、どういう関係なんだ?」
「私と郁人は……その……幼馴染だよ」
美月は、正直にそう話す。政宗もここにはいたが、正直に話すことにした美月である。政宗は、複雑そうな表情を浮かべて黙っている。浩二は、そんな政宗を一瞥して、一人納得した表情をする。
「……そうだったのか……とりあえず、場所を移そうぜ」
聞く耳を立てているクラスメイトを見渡してそういう浩二に、美月と政宗は了承して、移動するのだった。そして、浩二から空き教室に案内され、室内に入る。
「ここなら、誰も来ねーぜ……じゃあ、話すけどよ……朝宮の奴は、入学早々に、女子生徒相手に握手会開いたりして……」
「ちょ、ちょっと待って? 何それ?」
浩二からの話に混乱する美月である。出てきた話が突拍子もなさすぎて、理解できない美月である。
「いや、そのまんま、握手会だぜ……後、屋上で女子生徒集めて、昼食会なるもの開いたりしてるらしいぜ……しかも、屋上に私物のテーブルやら、椅子を持ち込んで改造したりしてるらしーぜ」
「え? 昼食会? 何それ?」
美月の脳内はパンク寸前である。もはや、浩二の口から出てくる言葉を脳が処理しきらないのである。
「で、さっきの子、細田宏美と、もう一人、清楚で超可愛い三橋梨緒っていうスリートップの二人を引き連れて、常に両手に花状態らしいぜ……マジでゆるせねーぜ」
「……ああ、朝宮郁人……あいつは女子の敵だ……クソ野郎なんだ美月」
「い……郁人はクソ野郎じゃないよ!!」
二人のその発言が許せない美月である。そんな美月にどこか悲しそうな瞳で見つめるイケメン二人である。
「……だが、事実だぜ」
浩二はそう冷たく美月に言い放つ。その表情は真剣そのものだった。美月からも、嘘を言ってるようには見えなかった。そして、政宗は、あからさまに怒っていた。珍しく、激情に駆られていた。
「そうだ……あいつは……こんなに美月に……クソッ!!」
何かを言いかけてやめる政宗は、歯を食いしばり拳を握りしめ怒りを抑えている。どこに怒りを向けていいのかわからないのだろう。下を向き、悔しそうにしている。
「……そう……で、でも、噂だよね? それは、郁人に聞いてみないとわからないよね?」
「……証拠があってもか?」
浩二はそう言って、スマホを取り出して、写真を見せる。そこには、確かに女子生徒囲まれて握手をする郁人や、梨緒やゆるふわ宏美と歩いている郁人、女子生徒達とお弁当を食べる郁人が写っていた。
美月は目を見開いて驚く、そこには、確かに女子生徒に囲まれている郁人が写っていたからである。
「美月……目を覚ませ……あいつは、女好きのクソ野郎なんだ!!」
「……そう……だね」
顔を伏せて、ぼそりとそう言う美月である。そんな美月に、政宗と浩二はわかってくれたかと安堵の表情を浮かべる。
(そっか……郁人はハーレムを目指してるんだね……でも、私に、結婚の約束をしてくれたのも事実……つまり、こういうことだよね……郁人!!)
美月は、伏せていた顔をあげる。彼女の表情は決意に満ちていた。
「わかったよ……郁人、私……郁人のハーレムメンバーになるよ!!」
決意に満ちた表情で衝撃宣言をする美月に、衝撃を受けるイケメン二人である。驚きのあまり、政宗と浩二は言葉が出ない。
そんな中、一人やる気に満ちている美月である。気合のポーズをとっている。
「ちょ……マジで、待って美月ちゃん!! それはまずいって!! マジで!!」
「美月……正気に戻ってくれ……君は何を言っているのかわかっているのかい?」
慌てて、説得にかかるイケメン二人である。だが、美月の決意は固かった。
(私だって嫌だよ……郁人は私だけの郁人でいて欲しいよ……でも、大事なのは郁人と一緒に居ることで、一番大事なのは、郁人の幸せなんだよ……郁人が、ハーレムを望むなら私は、それを叶えてあげたいんだよ)
「美月……考え直してくれないか?」
政宗は、美月の瞳をジッと見つめて、そう説得しようとする。美月は瞳を閉じる。
(郁人が、私を見てくれるなら、私は……それでいいんだよ)
「ごめんね……私は決めたから、私は郁人のハーレムメンバーになるよ」
美月の発言に、あからさまに怒りを表す政宗である。
「美月!! 俺は絶対に認めない!!」
「別に、あなたに認めてもらう必要はないよね?」
美月に詰め寄り怒鳴る政宗に、美月も言い返す。郁人のことになると美月は、無限の力が湧いてくるのである。今まで、ヤンデレ政宗に怯えていた美月ではなかった。
「俺は……俺は絶対にあきらめない……認めない……アイツだけは……」
政宗は、勢いよくその場から立ち去る。そんな政宗にも、全く興味を示さない美月であった。そんな美月を見て、どこか悲しそうな表情をする浩二である。
「美月ちゃん……頼む!! 学園のアイドルでいてくれねーか?」
浩二は、美月に頭を下げる。さすがに、度肝を抜かれた美月は、少し考え込む。
「ごめんね……私は、アイドルになんて、なりたくないから……」
そう言われて、浩二は土下座する。頭を床にこすりつけて美月にお願いする。
「このとーりだ!! 頼むぜ!! 美月ちゃん!!」
さすがに、美月も良心が痛むのである。しかし、美月にとって、何より大切なことは郁人の事であった。だから、やはり答えは決まっているのである。
「本当に、ごめんね……そのお願いは叶えてあげられないよ」
そう言い放つ、美月に浩二は、無言で立ち上がる。
「そっか、じゃあ、しかたないぜ……美月ちゃん……僕は、僕なりのやり方でやらせてもらうぜ!!」
打って変わって、冷たくそう言い放つ浩二である。強面でも、どこか優しい雰囲気を醸し出していた浩二はどこにもいない。そこにいたのは、目的のためなら手段を択ばない修羅の姿があったのである。
「……絶対に……あんなこと……今度こそ……僕は……」
そう独り言を残して、浩二はこの場を去る。美月は一人取り残される。不安を覚える美月だが、絶対に郁人のために戦う決意をする美月である。
「大丈夫……郁人……郁人が私を見てくれるなら、私……頑張れるから……」
美月は瞳を閉じて、そう独り言をつぶやく、それは祈りのようであった。
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