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黒への分かれ道
第二章:3話 『幼馴染の成長』
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すすり泣いているんだろうが、殺しきれていない泣き声が聞こえる。
「ううっ……う………」
その声の主はリリィだった。
登校の途中に、調子に乗って後ろ走りを始めたリリィは足をつまずかせて背中から盛大に転び、公の場で水色のパンツを公開することとなった。すぐに起き上がったものの、その後彼女は半泣きになりながら静かに走り続けた。これが、今リリィがすすり泣いている原因だ。
「お前が悪い」
「お姉様……」
アレスたちはリリィに対して何のフォローもいれない。
そして、アレスたちはそれぞれ別の教室に向かうために昇降口で解散した。
(あいつまだ泣いてんのかよ……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
急いで階段を上り、全力疾走で廊下を走り教室に向かうアレス。
(チクショぉ!リリィのこと気にしすぎて忘れてたけど、俺遅刻なんだったぁぁー!)
その叫び声が、横幅がかなり広く天井も高い廊下いっぱいに響く。走る時の足音が、アレスが急いでいることを認知させるのには十分なファクターだった。
教室まで残り30m………20……10……5…。そして、ようやく教室の扉に手をかけ、開けようとした瞬間、激走に終止符が打たれるかのようにチャイムが鳴った。
―――はい遅刻ぅー―――
それでもなお教師が遅れていることにかけ、恐る恐る扉を開くアレスだったが、儚い希望もすぐに裏切られた。
「アレスくん、遅刻。……わかってるわよね?」
「はい先生、何を手伝えばいいんですか?」
「よろしい」
黒板の真ん中すぐ前にある教卓の近くに立ち、アレスの遅刻を指摘するのはアレスたちの担任教師であるマリカ・ランウェルだ。身長は高くなく、綺麗な森林を彷彿とさせる緑の瞳に黒に近い茶色の髪を肩甲骨あたりまで伸ばした童顔で、一見子供っぽく見えるのだが、そのイメージを全て吹き飛ばすかのようなグラマラスな身体が特徴の女教師。
ちなみに、アレスが言った「手伝えば」とは、遅刻の罰で荷物運びなどのその日の先生の雑用係をすることである。アレスのクラスの中には、
「せ、先生…遅刻してしまいました」
アレスよりも遅れて来た男子生徒。この生徒のように、故意的に遅れてマリカの雑用係を進んでやろうとする輩もいる。
「ん~お手伝いさんならアレスくんがいるから、今日の放課後に教室のお掃除を軽くやっておいて」
「―――!?」
雑用係だと思っていたらしいその生徒は、掃除係に任命され肩を落とす。
(――この広い教室を掃除って……どんだけかかかるんだよ……もう少し遅れてたらヤバかった…)
「さぁ、2人とも席について!ホームルーム始めるよ!」
アレスたちはマリカに促されそれぞれの席に向かう。階段を上り、自分の席にたどり着くと隣から声がかかる。
「お前も狙って遅刻か?」
ニヤニヤ笑いながら声をかけてきた張本人は、あの深い青色の髪をした少年―ダインだった。
「成績は下がるし、雑用係としてこき使われるなんて好きでやるわけないだろ。あの人は鬼だ」
ダインの朝一の問いかけに答えながら席に座るアレス。
「そういえばお前は遅刻なし……というより、失敗したことなくねぇか?」
「まぁ、俺の能力が能力だしな」
「いい加減その能力教えてくれませんかね~」
「ごめん、それは無理なんだわ」
いつも通り即答だった。アレスや他の人がこの質問をしても、ダインは決まって「無理」と言う。
「そっか」
アレスもそれ以上よ追求はせずに、机に上半身の体重を預けるように顔を伏せる。
「こらっ!何寝てんの?」
ダインと反対側の隣の席から可愛らしい声で忠告が入る。赤い瞳に銀の長髪の少女―アイリスだった。
「あと少しで休み時間なんだから我慢しなさい」
(昔はあんなにおとなしかったのに……人間変わるもんだなぁ~)
「返事は?」
「はっ、はい!(ユーナっ!?………じゃない、アイリスか……)」
アイリスを無視していると、いつの間にか伏せているアレスの顔まで10cmという距離にアイリスの顔があり、目を開けたアレスは驚いてダインの方向に倒れる形で移動した。その際に上げてしまった声が教室に小さく響く。
「アレスくん、静かにね」
「すみません…」
マリカに謝った後すぐにアイリスを軽く睨みつけるが、彼女はドヤ顔を返してくる……そんな表情も愛くるしい…。
(この野郎ぉ……顔をあんまり近づけるんじゃねぇよ。昔を思い出すだろうが…)
「なぁ、アレスくん。そろそろどいて貰えるといいなぁ~」
「―――っ!?」
驚いて移動した際、アレスの体はダインに体を支えられていたらしい。ダインが恋をした女の子のように顔を赤らめ、もじもじした様子で提案してくる。ちなみに、顔と顔の距離は10cm……
「わっ、悪い……(気持ち悪いからそうゆうの本当にやめろぉぉおおー!)」
そう言って急いで正常な位置に体の重心を戻す。
「今度から寝ないようにね」
未だにやめないドヤ顔でアイリスから再度忠告が入る。
―――この女ッ!!―――
「ううっ……う………」
その声の主はリリィだった。
登校の途中に、調子に乗って後ろ走りを始めたリリィは足をつまずかせて背中から盛大に転び、公の場で水色のパンツを公開することとなった。すぐに起き上がったものの、その後彼女は半泣きになりながら静かに走り続けた。これが、今リリィがすすり泣いている原因だ。
「お前が悪い」
「お姉様……」
アレスたちはリリィに対して何のフォローもいれない。
そして、アレスたちはそれぞれ別の教室に向かうために昇降口で解散した。
(あいつまだ泣いてんのかよ……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
急いで階段を上り、全力疾走で廊下を走り教室に向かうアレス。
(チクショぉ!リリィのこと気にしすぎて忘れてたけど、俺遅刻なんだったぁぁー!)
その叫び声が、横幅がかなり広く天井も高い廊下いっぱいに響く。走る時の足音が、アレスが急いでいることを認知させるのには十分なファクターだった。
教室まで残り30m………20……10……5…。そして、ようやく教室の扉に手をかけ、開けようとした瞬間、激走に終止符が打たれるかのようにチャイムが鳴った。
―――はい遅刻ぅー―――
それでもなお教師が遅れていることにかけ、恐る恐る扉を開くアレスだったが、儚い希望もすぐに裏切られた。
「アレスくん、遅刻。……わかってるわよね?」
「はい先生、何を手伝えばいいんですか?」
「よろしい」
黒板の真ん中すぐ前にある教卓の近くに立ち、アレスの遅刻を指摘するのはアレスたちの担任教師であるマリカ・ランウェルだ。身長は高くなく、綺麗な森林を彷彿とさせる緑の瞳に黒に近い茶色の髪を肩甲骨あたりまで伸ばした童顔で、一見子供っぽく見えるのだが、そのイメージを全て吹き飛ばすかのようなグラマラスな身体が特徴の女教師。
ちなみに、アレスが言った「手伝えば」とは、遅刻の罰で荷物運びなどのその日の先生の雑用係をすることである。アレスのクラスの中には、
「せ、先生…遅刻してしまいました」
アレスよりも遅れて来た男子生徒。この生徒のように、故意的に遅れてマリカの雑用係を進んでやろうとする輩もいる。
「ん~お手伝いさんならアレスくんがいるから、今日の放課後に教室のお掃除を軽くやっておいて」
「―――!?」
雑用係だと思っていたらしいその生徒は、掃除係に任命され肩を落とす。
(――この広い教室を掃除って……どんだけかかかるんだよ……もう少し遅れてたらヤバかった…)
「さぁ、2人とも席について!ホームルーム始めるよ!」
アレスたちはマリカに促されそれぞれの席に向かう。階段を上り、自分の席にたどり着くと隣から声がかかる。
「お前も狙って遅刻か?」
ニヤニヤ笑いながら声をかけてきた張本人は、あの深い青色の髪をした少年―ダインだった。
「成績は下がるし、雑用係としてこき使われるなんて好きでやるわけないだろ。あの人は鬼だ」
ダインの朝一の問いかけに答えながら席に座るアレス。
「そういえばお前は遅刻なし……というより、失敗したことなくねぇか?」
「まぁ、俺の能力が能力だしな」
「いい加減その能力教えてくれませんかね~」
「ごめん、それは無理なんだわ」
いつも通り即答だった。アレスや他の人がこの質問をしても、ダインは決まって「無理」と言う。
「そっか」
アレスもそれ以上よ追求はせずに、机に上半身の体重を預けるように顔を伏せる。
「こらっ!何寝てんの?」
ダインと反対側の隣の席から可愛らしい声で忠告が入る。赤い瞳に銀の長髪の少女―アイリスだった。
「あと少しで休み時間なんだから我慢しなさい」
(昔はあんなにおとなしかったのに……人間変わるもんだなぁ~)
「返事は?」
「はっ、はい!(ユーナっ!?………じゃない、アイリスか……)」
アイリスを無視していると、いつの間にか伏せているアレスの顔まで10cmという距離にアイリスの顔があり、目を開けたアレスは驚いてダインの方向に倒れる形で移動した。その際に上げてしまった声が教室に小さく響く。
「アレスくん、静かにね」
「すみません…」
マリカに謝った後すぐにアイリスを軽く睨みつけるが、彼女はドヤ顔を返してくる……そんな表情も愛くるしい…。
(この野郎ぉ……顔をあんまり近づけるんじゃねぇよ。昔を思い出すだろうが…)
「なぁ、アレスくん。そろそろどいて貰えるといいなぁ~」
「―――っ!?」
驚いて移動した際、アレスの体はダインに体を支えられていたらしい。ダインが恋をした女の子のように顔を赤らめ、もじもじした様子で提案してくる。ちなみに、顔と顔の距離は10cm……
「わっ、悪い……(気持ち悪いからそうゆうの本当にやめろぉぉおおー!)」
そう言って急いで正常な位置に体の重心を戻す。
「今度から寝ないようにね」
未だにやめないドヤ顔でアイリスから再度忠告が入る。
―――この女ッ!!―――
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