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特別な日に行くあのケーキ屋

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あれからずっと、メグを休みのたびに探し回る日々を送っている。
食事もままならず、よく眠れていない。

サリーとはあの後すぐに別れた。
子供で俺の情を引こうとしていたが、それは無理な話だ。

しかも、あいつと体の関係を結んでしまった日のすべては、
サリーの仕業だったと判明し、それまであの母子に抱いていた情は
跡形もなく吹っ飛んでいった。
その後の関係を続けてしまったのはあいつのせいだけではないが。
それでも、あんなことがなければと悔やんでしまう。

その後しばらく、サリーは子供を連れ、俺の仕事帰りに待ち伏を続けた。
いい加減迷惑だったので、サリーと子供に対しての情は
全くないし、迷惑だとはっきりと伝えた。ついでに、
まだ待ち伏せする気なら、俺もそれ相応の対応をすると告げた。
依頼、あの親子を見かけることはない。

「おい、ブラッド。お前ちゃんと食ってるのか?」
「痩せすぎなんじゃないか?目の下のクマもすごいことになってるぜ?」

「ああ、まあな。なんとかやってるさ。」
「…あまり、無理するなよ。」

メグがいなくなってもうすぐ六か月たつ。
この六か月間、メグのいないあの家に帰るのが死ぬほどつらい。
メグのぬくもりを感じない俺たちのベッドで寝るとひたすら涙が出るので、
あれ以来、ずっとソファーで眠る日々を送っている。
料理も、まったく作る気が起きない。
色鮮やかで幸せだった毎日が遠い昔の出来事になってしまったようだ。

「おい、ブラッド、見回りの時間だ。あと10分で出かけるぞ。っおい!ブラッド?!」

-----------

気が付けば、俺とメグがよく世話になっていた医師のいる医院に運ばれていた。
どうやら、勤務中に疲労とストレスで倒れたらしい。
しばらくの休養を言い渡された。

「しばらくぶりじゃのお、こんな無理をしおって。何があったんじゃ。」
「お世話になっています。ちょっと、疲れがたまっていたようで…。」

「そんなんじゃあ、身重のメグに心配をかけてしまうぞ。早く元気にならんとな。
あの子も最近見かけんが、元気にしとるか?
半年前に懐妊したと告げたら、涙を流して喜んじょったわい。よかったのう。」

「……!!今、メグが身重って言いました?
いつ?メグが?本当なんですか?!」

「っああ、その通りじゃが。
おまえ…もしかして知らんかったとか言わんじゃろうな?」

ああっ、そうか、そういうことか!!ああっ。メグっ。
だからあのケーキ屋に…。特別な日に行くあの店に…!メグっ、メグっ、メグっ…

俺はメグに何を見せてしまったんだ。メグになんてことをしてしまったんだ。
どんな思いで、あのケーキ屋に行って、こんな俺の姿を眺めていたんだろう。
どんな思いでっ。メグっ、ごめん。ごめん。ごめん。メグっ

俺はなんてことをっ。
ちくしょうっ!

メグ、今お前はどこいいるんだ。
半年前ってことはまだ生まれてないのか?
体は大丈夫なのか?ちゃんと食って寝てるのか?無理してないか?
メグ----------一体お前は今どこにいるんだ?
なんでもする。何度でも謝る。死ねといわれたら死んだっていい。

メグに今すぐ会いたい----------------。
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