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小話:エリーとルーナの会話(ルーナの夫視点)

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「はい、どちらさん? って、エリーかい?!
ちょっと。なんだい?!久しぶりだねえ!!
え? 一週間前にも電話したって? あっはっはー!そうだったかねえ!
いやだねえ!おたがい年とっちまてさー!!」

あー、うるせえ。ちょっとボリューム落としてしゃべることができないかねえ。
昔は、折れそうなほど細くて可憐だったんだがねえ…。ははっ
まあ、この陽気でまっすぐなところがいいんだが。

「えっ?うん、うん。探してるよ。すぐにでも働いてくれるんなら助かるがね。
どんな子だい?」

おっ?だれかここで働いてくれそうな子がいるのか?そりゃあ助かるな。

「気立てがよくて、素直でよく働いてくれる?しかも器量よしだって?
なんだそりゃ、そんな子なかなかいないだろうに。そんな子がうちで働いてくれるって?」

ルーナの言うとおりだな。そんないい子めったにいないだろう。エリーの紹介なら間違いなさそうだし。
器量よしか。よしっ。俺がその子によって来るような奴らを追い返してやろう。

「はーーー?旦那が浮気で、そこを出てこっちに来ることになったねえ。えっ??
しかも、子供ができたってわかったその日に旦那の浮気かい??
あああ!なんだいそれは!許せないね!」

なんだって?!そんなの最悪じゃねえかよ。その子が無事にここまでたどり着けるといいんだが。

「わかったよ。うちでぜひとも働いてもらおうじゃないかい!!
もうこっちに向かってるって? よっしゃ、まかせときな!
ああ。もちろん。こっちできっちりその子も子供も守ってやるさ!
ああ、もちろんだ!
もしその男が、万が一目の前に現れた時には、覚悟してもらわなきゃね!
ギッタンギッタンにしてやるよ!!
ああ、やる気が出てきたよー!」

おいおい、何のやる気だよ。殺しちゃ駄目だぜ。
せめて、自力でその場から立ち去ってもらわなきゃならねえだろ。
ああ、なんだ。その光景が目に浮かんできた。
阿呆な奴だな。そいつがここら近辺に現れないことを願うよ。

「で、その子の名前は?えっ?メグ?いい名前じゃないか!
うん、うん、わかったよ。ああ!まかせときな!じゃあまた!」

「ちょいとあんた!!きいとくれって!今電話でエリーがさあ!------------------」

その後延々とその電話内容を聞かされた。
ルーナが向こうが話す内容もすべて復唱するせいで、その内容は既に把握していたが
その迫力に押されてしまって、結局黙って最後まで聞くことにした。
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