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父と娘
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マーカス様と気持ちを通じ合わせてから数日後、オーランカ王国に戻り父に婚約の許しを願うことになった。
マーカス様が善は急げとばかり颯爽と準備を進めたのに加え、マーカス様のご両親のデニロン侯爵夫妻もそれに賛同して一緒についてきてくれることになった。
あまりの手際の良さに、あらかじめ準備が既に済んでいたのではないかと思えるほどで若干引いてしまった。
マーカス様のお兄様のイジュール様は今回はお留守番になり、大層残念がっておられたのでたくさんお土産を持って帰ろうと心に決めた。
天気も崩れることはなく、快適な船旅を過ごすことが出来た私たちはオーランカ王国に到着した。
船から降りるとなんとそこではお父様が出迎えてくれた。
忙しいお父様のことだから、代わりのものがいると思っていたので思わずお父様に飛びついてしまった。
お父様とデニロン侯爵夫妻、マーカス様は互いにあいさつを交わした後、屋敷へと向かった。
屋敷に到着してみると、少し前までここに住んでいたというのに、とても懐かしく感じてしまった。
まさかここに戻ってくるときに、マーカス様やデニロン侯爵夫妻と一緒だなんて。
あの時の私に教えてあげたい。
一息ついたところで話し合いの場が正式に設けられた。
そこで緊張した面持ちのマーカス様は改めて、お父様に私との婚約の許可を願い出てくれた。
そこで私たちの婚姻は、学園卒業後に決まった。
思いがけず他国へ嫁ぐことになってしまった私は、お父様になかなか会えなくなることを寂しく感じた。
そして、なんとお父様は、マーカス様にこのようにお願いした。
「婚約と婚姻の条件としては、浮気をしないこと。もしも娘が望むときは速やかに私共の方へ帰していただきたい。つまり、娘を大事にし慈しみ、幸せにしてくれたら何も問題ないという事だ。出来るか?」
これにマーカス様は、強くうなずき必ず私を幸せにして見せますと返してお父様と強く握手をした。
お父様のかなり強気の発言にドキッとしたが、私のことを本当に大事に思って下さっているのだと改めて感じて涙が出てきた。
その日の夕食は私たちの婚約を祝った豪華なもので、お父様やデニロン侯爵はお酒を交えて会話を弾ませていた。
次の日、私はお父様に書斎に呼ばれた。
そこで、今回の留学は最初から学園卒業までものだったことが伝えられた。
つまり、学園卒業後すぐにマーカス様と籍を入れる私は、ここにはもう戻ってこないという事だった。
最初に説明しなかったことをお父様に謝罪されたが、あの時はとにかくできるだけ早く、あの嫌な思い出のあった環境からわたしを引き離すのに必死だったのだと伝えられた。
そして少しいたずらっ子の顔をしたお父様は、実はイザックとの婚約解消後にマーカス様がお父様を訪ねていらして、私との婚約を申し込んでいたのだとこそっと教えてくれた。
本当に良いパートナーに巡り合えてよかったなと頭をなでてくれたお父様の手は大きくて暖かかった。
マーカス様が善は急げとばかり颯爽と準備を進めたのに加え、マーカス様のご両親のデニロン侯爵夫妻もそれに賛同して一緒についてきてくれることになった。
あまりの手際の良さに、あらかじめ準備が既に済んでいたのではないかと思えるほどで若干引いてしまった。
マーカス様のお兄様のイジュール様は今回はお留守番になり、大層残念がっておられたのでたくさんお土産を持って帰ろうと心に決めた。
天気も崩れることはなく、快適な船旅を過ごすことが出来た私たちはオーランカ王国に到着した。
船から降りるとなんとそこではお父様が出迎えてくれた。
忙しいお父様のことだから、代わりのものがいると思っていたので思わずお父様に飛びついてしまった。
お父様とデニロン侯爵夫妻、マーカス様は互いにあいさつを交わした後、屋敷へと向かった。
屋敷に到着してみると、少し前までここに住んでいたというのに、とても懐かしく感じてしまった。
まさかここに戻ってくるときに、マーカス様やデニロン侯爵夫妻と一緒だなんて。
あの時の私に教えてあげたい。
一息ついたところで話し合いの場が正式に設けられた。
そこで緊張した面持ちのマーカス様は改めて、お父様に私との婚約の許可を願い出てくれた。
そこで私たちの婚姻は、学園卒業後に決まった。
思いがけず他国へ嫁ぐことになってしまった私は、お父様になかなか会えなくなることを寂しく感じた。
そして、なんとお父様は、マーカス様にこのようにお願いした。
「婚約と婚姻の条件としては、浮気をしないこと。もしも娘が望むときは速やかに私共の方へ帰していただきたい。つまり、娘を大事にし慈しみ、幸せにしてくれたら何も問題ないという事だ。出来るか?」
これにマーカス様は、強くうなずき必ず私を幸せにして見せますと返してお父様と強く握手をした。
お父様のかなり強気の発言にドキッとしたが、私のことを本当に大事に思って下さっているのだと改めて感じて涙が出てきた。
その日の夕食は私たちの婚約を祝った豪華なもので、お父様やデニロン侯爵はお酒を交えて会話を弾ませていた。
次の日、私はお父様に書斎に呼ばれた。
そこで、今回の留学は最初から学園卒業までものだったことが伝えられた。
つまり、学園卒業後すぐにマーカス様と籍を入れる私は、ここにはもう戻ってこないという事だった。
最初に説明しなかったことをお父様に謝罪されたが、あの時はとにかくできるだけ早く、あの嫌な思い出のあった環境からわたしを引き離すのに必死だったのだと伝えられた。
そして少しいたずらっ子の顔をしたお父様は、実はイザックとの婚約解消後にマーカス様がお父様を訪ねていらして、私との婚約を申し込んでいたのだとこそっと教えてくれた。
本当に良いパートナーに巡り合えてよかったなと頭をなでてくれたお父様の手は大きくて暖かかった。
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