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安心できる場所
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マーカス様へ秘密で購入したプレゼントを渡したときのことだ。
なんとマーカス様も私へのプレゼントをひそかに購入していて、私たちはなんだか同じことを考えていたんだねと笑ってしまった。
マーカス様が私へ選んでくれていたのは綺麗な翡翠色の蝶々の髪飾りで、それは私のお気に入りとなった。
私の選んだカフスもマーカス様は気にいってくださったようで、最近いつもそればかりをつけている。
ちなみにマーカス様と買い物に行った週末以来、ミリアリア様を見かける機会がぐんと増えた。
最近では、お昼休みや放課後になるとマーカス様に会うためにミリアリア様がよく待ち伏せをしている。
バネッサ様曰く、私達より一学年下のミリアリア様は、マーカス様を随分前からお慕いしているらしい。
何度も婚約の打診しているが、そのたびに丁重に断られているのに未だにあきらめてはいないようだ。
そして実は、そのような令嬢はミリアリア様だけではないと聞くと、やはりマーカス様は人気があるのだなと認識させられる。
胸の中が少しだけザワザワするが、その正体が何なのかは分からなかった。
ある日のこと、他のクラスの生徒にオーランカ王国のことについて色々聞きたいとからと呼び出されてしまった。
丁度マーカス様たちが剣術の訓練の途中だったので、バネッサ様にその旨を伝えるとマーカス様を待った方がよいのではとアドバイスを頂いた。
それもそうだなと思った私は少し待ってくれるように伝えたが、少し急いでいるという事だったので行先をバネッサ様に伝えてその女生徒と一緒に空き教室に向かった。
なぜオーランカ王国のことについて聞くのに、わざわざ空き教室にまで入らなければならないのかと不思議に思いながら。
中に入るとその女生徒はなぜかすぐに室外に出て扉を閉め、あっという間に何者かによって内鍵がかけられたのが分かった。
突然の出来事にパニックになった私がその教室内を見やると、そこにはミリアリア様と二人の男子学生がいた。
ニヤニヤと私のことを見る三人は徐々に私に近づいてくる。
とっさに恐怖に襲われて出そうと思っても声が出てこなかった。
フラッシュバックしたかのように、いつかのイザックと王女殿下のあの獣のような交わりを思い出してしまった私は、吐き気と共に震えが止まらなくなってしまった。
「ふふふっ。可哀そうに。マーカス様にまとわりついてるからこうなるのよ。ぱっと出の留学生様。せっかく留学しにきたんだから、マーカス様以外にもたくさんの方と良い経験をした方が宜しいと思って。今日はせっかくだから私のお友達を紹介して差し上げるわ。お二人共とーってもお上手なんだから。心配しないで楽しんでくださいね。ふふふっ」
そう言ったミリアリア様に、にやけた顔で同意をする二人の男子生徒はボタンをはずしながら徐々に距離を縮めてきた。
一人の大きな手が私の腕を下から肩にかけてなぞってきたときだった。
バンっという激しい音と共にドアが蹴り破られ、そこから怒りの表情を湛えたマーカス様が踏み込んできた。
「ローズマリー嬢!!」
一瞬でそのたくましい腕に囲われた私はその場で意識を失ってしまった。
目が覚めるとそこはデニロン侯爵邸の私の部屋で、目が覚めた私を確認した侍女がすぐにマーカス様を呼びに行ってくれた。
慌てて私の元に駆けこんできたマーカス様は、髪の毛も服装も乱れその顔には疲労がにじみ出ていた。
「僕が傍にいながらローズマリー嬢にあんな怖い思いをさせてしまって本当に申し訳ない。何事もなくて本当に良かったが、あと少し遅れていたら取り返しがつかない所だった…。僕は本当に情けない男だ。ほんとうにすまなかった…。」
そう言い終えると、マーカス様は項垂れてしまってその場から動かなくなってしまった。
「マーカス様。怖かったのは事実ですが、マーカス様のおかげで何事もなく助けていただいて本当に感謝しています。何も考えずについて行った私も悪かったのですから。どうぞこれ以上謝らないでください。」
そう言って、私はベッドから降りるとマーカス様のところまでゆっくりと歩いてゆき、マーカス様の項垂れた体を優しく抱きしめた。
あんなことがあってイザックと王女の嫌な記憶と共に男性が恐ろしいと身に持って感じたにもかかわらず、マーカス様を抱きしめた私は心から安心していた。
抱きしめた瞬間、目を心なしか見開いたマーカス様に、私はもう大丈夫ですと伝えると、そのまま抱きしめ返してくれた。
なんとマーカス様も私へのプレゼントをひそかに購入していて、私たちはなんだか同じことを考えていたんだねと笑ってしまった。
マーカス様が私へ選んでくれていたのは綺麗な翡翠色の蝶々の髪飾りで、それは私のお気に入りとなった。
私の選んだカフスもマーカス様は気にいってくださったようで、最近いつもそればかりをつけている。
ちなみにマーカス様と買い物に行った週末以来、ミリアリア様を見かける機会がぐんと増えた。
最近では、お昼休みや放課後になるとマーカス様に会うためにミリアリア様がよく待ち伏せをしている。
バネッサ様曰く、私達より一学年下のミリアリア様は、マーカス様を随分前からお慕いしているらしい。
何度も婚約の打診しているが、そのたびに丁重に断られているのに未だにあきらめてはいないようだ。
そして実は、そのような令嬢はミリアリア様だけではないと聞くと、やはりマーカス様は人気があるのだなと認識させられる。
胸の中が少しだけザワザワするが、その正体が何なのかは分からなかった。
ある日のこと、他のクラスの生徒にオーランカ王国のことについて色々聞きたいとからと呼び出されてしまった。
丁度マーカス様たちが剣術の訓練の途中だったので、バネッサ様にその旨を伝えるとマーカス様を待った方がよいのではとアドバイスを頂いた。
それもそうだなと思った私は少し待ってくれるように伝えたが、少し急いでいるという事だったので行先をバネッサ様に伝えてその女生徒と一緒に空き教室に向かった。
なぜオーランカ王国のことについて聞くのに、わざわざ空き教室にまで入らなければならないのかと不思議に思いながら。
中に入るとその女生徒はなぜかすぐに室外に出て扉を閉め、あっという間に何者かによって内鍵がかけられたのが分かった。
突然の出来事にパニックになった私がその教室内を見やると、そこにはミリアリア様と二人の男子学生がいた。
ニヤニヤと私のことを見る三人は徐々に私に近づいてくる。
とっさに恐怖に襲われて出そうと思っても声が出てこなかった。
フラッシュバックしたかのように、いつかのイザックと王女殿下のあの獣のような交わりを思い出してしまった私は、吐き気と共に震えが止まらなくなってしまった。
「ふふふっ。可哀そうに。マーカス様にまとわりついてるからこうなるのよ。ぱっと出の留学生様。せっかく留学しにきたんだから、マーカス様以外にもたくさんの方と良い経験をした方が宜しいと思って。今日はせっかくだから私のお友達を紹介して差し上げるわ。お二人共とーってもお上手なんだから。心配しないで楽しんでくださいね。ふふふっ」
そう言ったミリアリア様に、にやけた顔で同意をする二人の男子生徒はボタンをはずしながら徐々に距離を縮めてきた。
一人の大きな手が私の腕を下から肩にかけてなぞってきたときだった。
バンっという激しい音と共にドアが蹴り破られ、そこから怒りの表情を湛えたマーカス様が踏み込んできた。
「ローズマリー嬢!!」
一瞬でそのたくましい腕に囲われた私はその場で意識を失ってしまった。
目が覚めるとそこはデニロン侯爵邸の私の部屋で、目が覚めた私を確認した侍女がすぐにマーカス様を呼びに行ってくれた。
慌てて私の元に駆けこんできたマーカス様は、髪の毛も服装も乱れその顔には疲労がにじみ出ていた。
「僕が傍にいながらローズマリー嬢にあんな怖い思いをさせてしまって本当に申し訳ない。何事もなくて本当に良かったが、あと少し遅れていたら取り返しがつかない所だった…。僕は本当に情けない男だ。ほんとうにすまなかった…。」
そう言い終えると、マーカス様は項垂れてしまってその場から動かなくなってしまった。
「マーカス様。怖かったのは事実ですが、マーカス様のおかげで何事もなく助けていただいて本当に感謝しています。何も考えずについて行った私も悪かったのですから。どうぞこれ以上謝らないでください。」
そう言って、私はベッドから降りるとマーカス様のところまでゆっくりと歩いてゆき、マーカス様の項垂れた体を優しく抱きしめた。
あんなことがあってイザックと王女の嫌な記憶と共に男性が恐ろしいと身に持って感じたにもかかわらず、マーカス様を抱きしめた私は心から安心していた。
抱きしめた瞬間、目を心なしか見開いたマーカス様に、私はもう大丈夫ですと伝えると、そのまま抱きしめ返してくれた。
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