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セガール

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一週間たっても目覚めないラシータを公爵家に連れ帰ることにした。

医師らには止められたが、これ以上ラシータが屋敷にいないという状況に私が耐えられなかった。


奇跡的にも全身を強打した挙句に腕にひびが入っただけだった護衛騎士のロナルドは、ラシータが屋敷に戻った一週間後には、騎士団の厳しい鍛錬に戻っていた。

この護衛騎士に守られたからこそラシータの命が助かったのだから褒美を与える気ではいるが、この男がラシータを守ったのだと思うと妙ないらだちが募った。

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「義父上、ようこそお越しくださいました。」

「ああ、セガール殿。今日のラシータの様子はどうだい?まだ目が覚めていないんだろう?今日こそラシータを我々の屋敷に連れて帰りたいのだが。」 

事件を引き起こしラシータをつらい目に合わせたカトレアと、セガールが噂通りに関係を持っていたのだと事情を知らされたラシータの父はいまだに怒り心頭で、ラシータを実家の屋敷に連れ帰ると毎度のごとく目が笑っていない。

「義父上、何度も申し上げておりますが、私はラシータのいない人生など生きてはいけない。そしてあの女に愛を囁いたことなどないし触れてもいない。私が愛しているのも大事にしたいと思うのもラシータだけです。」

「ならなぜ娘がこのような目にあったのだ、噂を聞いた時まさかと思って信じなかったのに。ラシータもここにいるより実家の屋敷に戻ったほうが目覚めたときに気分よく過ごせるのではないのかな?」

案の定いつものやり取りをラシータの父と交わし何とか一人で帰途について行った。

納得のできない表情で屋敷を後にする義父上の背中を見送った後、相変わらずラシータのそばに行きたくなった私は一直線にラシータの眠る部屋に向かった。

「ラシータ、お待たせ。」

目を閉じたままのラシータの柔らかな髪をなでるが反応はない。


私が無理やりラシータを屋敷に連れ帰った日からずっと、静かで風通しの良いラシータの自室でラシータは横になっている。

ラシータが目覚めて許しを得られるまで指一本触れるなとラシータの父には言われているが、ラシータの艶やかしい寝顔を見つめていると私の理性など簡単にもろく崩れ落ちてしまいそうだった。
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