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「ああ…本当に夫婦になる日が待ちきれない。というか、待てる自身がないんだけど。」

そういって、誰もいなくなった教室のカーテンの裏に連れ込まれた私は、今日も婚約者のセガールに熱烈な抱擁と熱いキスを受けていた。

「ラシータ…ラシータ…愛している…ラシータ…」

教室には私たちの口づけの音だけが響き渡っているのに、私はそんなことを気にする余裕もないほどセガールに惚けさせられてしまっていた。

「またやりすぎてしまったな…。うまく加減ができなくてすまない。ラシータといると本当に抑えが効かなくなるよ。情けないな…。」

「そんな…そこまで思ってもらえて本望よ、セガール…。んっ…」

その後セガールのラセッタ公爵家の馬車で屋敷まで送られる途中も、いつものようにずっとその膝の上から降ろされることもなかった。



「お嬢様、本当にお幸せそうですね。」
「そ、そうかしら…?」
「ええ、そうですよ。」

何とか一線は守ってくれているセガールだけど、いつの間にか見えない場所にその跡を残してしまう。

湯を浴びるのを手伝ってくれる侍女のサリー達が気を使って何も言及しないことはありがたいのだけれど、羞恥で死ねそうだと感じてしまう。

あと二か月後に迫った学園卒業と同時に式を行いセガールと夫婦となる日が待ちきれない。

こんなに愛されて大事にされて同じくらい私もセガールに愛を返していけたらいいのに。

セガールに熱望された婚約が結ばれてからというもの、本当に毎日のように愛をささやかれる日々を送っている。

妻として夫婦となった後もセガールの力になれるように頑張ろうと心から思える私は本当に恵まれているのだろう。

窓際には毎日のようにセガールから手渡される花々が飾られていて、セガールのいないこの部屋でもまるでその愛を伝えられているかのように感じてしまう。

『ラシータ、愛しているよ。夫婦になるのが待ちきれない。ああ、ラシータ。ラシータ。好きだ。愛してる…』

セガールの心地よく低く掠れた声と、私を求める熱い唇や見た目に反して鍛えられた体を思い出して、なかなか眠れない夜を過ごした。
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