100 / 147
97
しおりを挟む
私は再婚にはなりますのに、一宮様は贅を凝らした見事な衣装を作ってくださいました。
そして何と三か月後には結婚式を行っておりました。
「もう君を搔っ攫われるのはごめんだ。小雪さんにあの時断られても諦めるなんて選択肢はなかったから準備はできる限り進めていた。」
「おいおいおい…東吾、お前怖いぞ…」
「だから小雪さん、もう俺から逃げられると思わないでくれよ?その代わり君を必ず幸せにする。」
◇◇◇◇
そうおっしゃって下さった一宮様と今日、快晴の空のもと、並んで大勢の招客の皆さんの前に一緒に歩んでいきます。
皆さん温かなまなざしでこの良き日をお祝いしてくださっていて一宮様と幸せを噛み締めております。
「小雪さん、幸せ?」
「はい、一宮様…東吾様…」
「っうぐっぅ…」
「東吾様?」
「……」
「小雪、馬鹿は放っておいて私のところに戻っておいで。」
「おい孝一朗!折角幸せに浸っていたのに急に入ってくるなよ。…小雪さん、今のはずるい。ずるいぞ。これじゃあ俺は小雪さんには絶対にかなわないじゃないか」
「東吾様?」
「だから…だからまた…」
「はははっ!!東吾、お前そんな奴だったか?変わったなお前!」
「うるさいぞ孝一朗…ああ、小雪さんちょっとこちらへおいで。そう、もう少しこちらに…捕まえた。」
「きゃっ!東吾様…」
「小雪さん…小雪って呼んでもいい?」
藤堂家に逃げるように帰って来てから毎日のように訪ねて来ては私を癒してくださった東吾様の低くて力強い声を耳にするたびに安心してすべてを委ねたいと思ってしまいます。
東吾様は、実は甘えん坊で結婚すると決まってからは執着心を隠すこともなく、お兄様に大いにあきれられております。そんな東吾様の新たな一面も私にとってはとても愛おしいのでございます。
「…もちろんでございます…それに、私の方が東吾様には絶対にかないません…」
「っぅぐっ…小雪…、俺のことも東吾って呼んでよ」
「…それは…少々お待ちくださいませっ…」
「…もう駄目…後は頼んだぞ孝一朗…行こう小雪さん。」
「え??」
「阿呆かお前は…小雪はもうお前の妻だ。お前が馬鹿なことをしなければ小雪はずっとお前のそばにいることになる。披露宴の間くらい客に愛想を振りまいて小雪にいい思い出を作ってやれ。」
「…それは…そうだな。しかし小雪のこんな顔を皆に見せるのも癪だ」
「東吾様…」
その後何とか式場に戻りぴったりと私の横に寄り添って下さった東吾様は、一時も私のそばを離れることはなく無事にお披露目を終えることが出来ました。
そして何と三か月後には結婚式を行っておりました。
「もう君を搔っ攫われるのはごめんだ。小雪さんにあの時断られても諦めるなんて選択肢はなかったから準備はできる限り進めていた。」
「おいおいおい…東吾、お前怖いぞ…」
「だから小雪さん、もう俺から逃げられると思わないでくれよ?その代わり君を必ず幸せにする。」
◇◇◇◇
そうおっしゃって下さった一宮様と今日、快晴の空のもと、並んで大勢の招客の皆さんの前に一緒に歩んでいきます。
皆さん温かなまなざしでこの良き日をお祝いしてくださっていて一宮様と幸せを噛み締めております。
「小雪さん、幸せ?」
「はい、一宮様…東吾様…」
「っうぐっぅ…」
「東吾様?」
「……」
「小雪、馬鹿は放っておいて私のところに戻っておいで。」
「おい孝一朗!折角幸せに浸っていたのに急に入ってくるなよ。…小雪さん、今のはずるい。ずるいぞ。これじゃあ俺は小雪さんには絶対にかなわないじゃないか」
「東吾様?」
「だから…だからまた…」
「はははっ!!東吾、お前そんな奴だったか?変わったなお前!」
「うるさいぞ孝一朗…ああ、小雪さんちょっとこちらへおいで。そう、もう少しこちらに…捕まえた。」
「きゃっ!東吾様…」
「小雪さん…小雪って呼んでもいい?」
藤堂家に逃げるように帰って来てから毎日のように訪ねて来ては私を癒してくださった東吾様の低くて力強い声を耳にするたびに安心してすべてを委ねたいと思ってしまいます。
東吾様は、実は甘えん坊で結婚すると決まってからは執着心を隠すこともなく、お兄様に大いにあきれられております。そんな東吾様の新たな一面も私にとってはとても愛おしいのでございます。
「…もちろんでございます…それに、私の方が東吾様には絶対にかないません…」
「っぅぐっ…小雪…、俺のことも東吾って呼んでよ」
「…それは…少々お待ちくださいませっ…」
「…もう駄目…後は頼んだぞ孝一朗…行こう小雪さん。」
「え??」
「阿呆かお前は…小雪はもうお前の妻だ。お前が馬鹿なことをしなければ小雪はずっとお前のそばにいることになる。披露宴の間くらい客に愛想を振りまいて小雪にいい思い出を作ってやれ。」
「…それは…そうだな。しかし小雪のこんな顔を皆に見せるのも癪だ」
「東吾様…」
その後何とか式場に戻りぴったりと私の横に寄り添って下さった東吾様は、一時も私のそばを離れることはなく無事にお披露目を終えることが出来ました。
3,791
あなたにおすすめの小説
旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?
白雲八鈴
恋愛
我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。
離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?
あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。
私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?
戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる