愛を知ってしまった君は

梅雨の人

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カミラ3

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その後はノアは何も言わず、自分本位に獣のようにルビーと連呼しては、相変わらず私の顔が見えないように姿勢を変え酷く私の体を扱い、激しく私を揺さぶってきた。 

その最中に扉を開けたルビーと目が合った時は、ああ、これでやっとノアが手に入る。私はルビーに勝ったのだと天にも昇る気分だったのに… 

それなのに…ルビーにばれてしまったからにはもう、私に従う義理はないと手ひどくノアに突き放された。 

逆に伯爵であるノアを脅迫したとして実家の男爵家に圧をかけられてしまった。 

もっと早くにそうしなかったのは、ルビーが私なんかを親友だと思っていたからだと吐き捨てるように告げられた。 

あっという間にもともと貧しかった実家はあっけなく落ちぶれ、両親や兄弟妹には恨み言を吐かれ、私は娼館に置いて行かれた。 

特に美しくもない私だけど、元貴族だからという事で、最初は貴族を相手にさせられた。

私のことを知っている男たちもたくさんいて、ノアが相手をした女がどんなのだったか試してやると指名が入ったが、彼らが再び戻ってくることはなかった。

そのうち客に指名されることがめっきりと減ってしまって、あっという間にあせくさい労働者たちを相手にせざるを得なくなった。 

適当に扱われ、何の快感も与えられることなく、溜まったものを吐き出せるならどこでもいいとばかりに揺さぶられ続けた。

高望みしすぎたからなのか、自分もルビーやノアのように特別な人間だと思ってしまったからなのか…それとも私のような人間を親友だと言って大事にしてくれたルビーを傷つけてしまったからなのか…。 

親友だと言ってくれたルビーを大切にすればよかった。
こんな私でも、大切にしてくれる人と出会い幸せな人生を送ってみたかった。

こんなはずじゃなかった…。 
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