愛を知ってしまった君は

梅雨の人

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ルビー:どうしたら

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ノアと一緒のようなことをしたらノアの気持ちが分かるかも、やり返せるかも。

もしかしたらジョーンズが私の気持ちを救い上げてくれるかも。

そんな気持ちからジョーンズとの関係を始めた。 


夫以外の異性で思いつくのはジョーンズだけだったのもある。 

初恋の相手であり、気の置けない幼馴染、それがジョーンズだった。 

一緒にいて安心してついて行くことが出来た。

楽しくて満たされた気持ちになっていた。

それがいつしか、心が震えるような感情、高揚感、一々一喜一憂し、今まで感じたことのない感情が鼓動を早くさせていた。

我ながら思い切ったことをしてしまったと思う。

薄い布を巻いて湯につかった私はジョーンズの熱い視線に気が付いていた。

どこまで耐えてくれるのだろう、ここで手を出して来たらやっぱりジョーンズもノアとカミラと一緒なのだと納得したかったのだろうか。

そう考えてしまう私は、結局ノアとカミラを責める立場ではなかったのだろうと思う。

湯の中でジョーンズに抱きしめられた時…

私は不覚にもこのまま流されてしまいたいと思ってしまった。

ソルト-街から屋敷へ戻る道中、ジョーンズにもたれかかったままそのぬくもりにずっと包まれていたかった。

それなのに屋敷に戻った私を今にも泣きだしそうなノアがおかえりと迎え入れてくれた。

胸が痛んだ。

結局、私はノアのこともジョーンズのことも傷つけてしまっているのではないかと。

自分がこれからどうしていいのかしばらく考えたくてジョーンズと距離を置くことにした。

何も言わなくてもジョーンズも私を尊重してくれているのだろうという事が何となくわかっている。

必死に関係を修復しようと努力しているノアに私は寄り添うべきなのだろうか。

それなのに…寝ても覚めてもジョーンズが頭から離れないでいる。 
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