37 / 49
おっそろしい女
しおりを挟む
ジョーンズはその深夜、何度目かになる深く深く艶めかしいため息を吐き出していた。
先程、目の当たりにした艶めかしいルビーを思い出すだけで容易く滾ってしまう己をなだめるため、温泉から出てずっと自分の部屋に備えつけられている浴室に籠っている。
「……」
湯につかるために髪の毛を無造作に上へ結わえただけのルビーの艶目かしい首筋を思い出しては、そこへむしゃぶりついたらお互いにどうなるのだろうと想像しては熱いため息を溢し続けていた。
あの時、湯を堪能したルビーが、そろそろ部屋に戻ろうと聞いてきたときに、自分はあともう少しそこに残っていると伝えるのが精いっぱいだった。
ルビーのあんな姿を一目見ただけであり得ないほど反応してしまっていたからだ。
仕方ないわね。じゃあ、先に行ってるわと言って、湯から立ち上がったルビー…。
ゆっくりとした動きで立ち上がり、転ばないようにと慎重に脱衣所まで向かって行ったルビーの艶めかしい肢体の揺れ…。
髪の毛と同じ色のものがうっすら生えている秘めたる場所、しなやかなで華奢な肢体に似合わず豊かでやわらかそうな二つの膨らみ…その全てが水分を含んだ薄い布を通してあらわになっていたことにルビーは気が付いていたのか?
フワフワとして行く意識のなかで必死に暴れる欲望と戦いながらも、ルビーの甘く魅惑的な匂いに吸い寄せられていく自分を止めるのは、至難の業だった。
先祖の名前を順番に頭の中で唱え続けたが効果はいまいちだったので、次の為に何か対策を考えておこうと思う…
凶器だ…。
あの凶器によく耐えられたと自分を褒め称えたい。
どうしてルビーの旦那はあれで浮気が出来たんだ…?
おっそろしいルビー…。鈍感と無自覚という名の耐えがたい暴力を人生で初めて今日味わった。
完敗だった。
その日の深夜、どうにか収まってきた熱に安堵したジョーンズは屍の如く一人ベッドに身をうずめた。
先程、目の当たりにした艶めかしいルビーを思い出すだけで容易く滾ってしまう己をなだめるため、温泉から出てずっと自分の部屋に備えつけられている浴室に籠っている。
「……」
湯につかるために髪の毛を無造作に上へ結わえただけのルビーの艶目かしい首筋を思い出しては、そこへむしゃぶりついたらお互いにどうなるのだろうと想像しては熱いため息を溢し続けていた。
あの時、湯を堪能したルビーが、そろそろ部屋に戻ろうと聞いてきたときに、自分はあともう少しそこに残っていると伝えるのが精いっぱいだった。
ルビーのあんな姿を一目見ただけであり得ないほど反応してしまっていたからだ。
仕方ないわね。じゃあ、先に行ってるわと言って、湯から立ち上がったルビー…。
ゆっくりとした動きで立ち上がり、転ばないようにと慎重に脱衣所まで向かって行ったルビーの艶めかしい肢体の揺れ…。
髪の毛と同じ色のものがうっすら生えている秘めたる場所、しなやかなで華奢な肢体に似合わず豊かでやわらかそうな二つの膨らみ…その全てが水分を含んだ薄い布を通してあらわになっていたことにルビーは気が付いていたのか?
フワフワとして行く意識のなかで必死に暴れる欲望と戦いながらも、ルビーの甘く魅惑的な匂いに吸い寄せられていく自分を止めるのは、至難の業だった。
先祖の名前を順番に頭の中で唱え続けたが効果はいまいちだったので、次の為に何か対策を考えておこうと思う…
凶器だ…。
あの凶器によく耐えられたと自分を褒め称えたい。
どうしてルビーの旦那はあれで浮気が出来たんだ…?
おっそろしいルビー…。鈍感と無自覚という名の耐えがたい暴力を人生で初めて今日味わった。
完敗だった。
その日の深夜、どうにか収まってきた熱に安堵したジョーンズは屍の如く一人ベッドに身をうずめた。
327
お気に入りに追加
2,591
あなたにおすすめの小説
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。
永遠の誓いを立てましょう、あなたへの想いを思い出すことは決してないと……
矢野りと
恋愛
ある日突然、私はすべてを失った。
『もう君はいりません、アリスミ・カロック』
恋人は表情を変えることなく、別れの言葉を告げてきた。彼の隣にいた私の親友は、申し訳なさそうな顔を作ることすらせず笑っていた。
恋人も親友も一度に失った私に待っていたのは、さらなる残酷な仕打ちだった。
『八等級魔術師アリスミ・カロック。異動を命じる』
『えっ……』
任期途中での異動辞令は前例がない。最上位の魔術師である元恋人が裏で動いた結果なのは容易に察せられた。
私にそれを拒絶する力は勿論なく、一生懸命に築いてきた居場所さえも呆気なく奪われた。
それから二年が経った頃、立ち直った私の前に再び彼が現れる。
――二度と交わらないはずだった運命の歯車が、また動き出した……。
※このお話の設定は架空のものです。
※お話があわない時はブラウザバックでお願いします(_ _)
真実の愛は素晴らしい、そう仰ったのはあなたですよ元旦那様?
わらびもち
恋愛
王女様と結婚したいからと私に離婚を迫る旦那様。
分かりました、お望み通り離婚してさしあげます。
真実の愛を選んだ貴方の未来は明るくありませんけど、精々頑張ってくださいませ。
いいえ、望んでいません
わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」
結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。
だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。
なぜなら彼女は―――
二度目の恋
豆狸
恋愛
私の子がいなくなって半年と少し。
王都へ行っていた夫が、久しぶりに伯爵領へと戻ってきました。
満面の笑みを浮かべた彼の後ろには、ヴィエイラ侯爵令息の未亡人が赤毛の子どもを抱いて立っています。彼女は、彼がずっと想ってきた女性です。
※上記でわかる通り子どもに関するセンシティブな内容があります。
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
【完結】私を裏切った最愛の婚約者の幸せを願って身を引く事にしました。
Rohdea
恋愛
和平の為に、長年争いを繰り返していた国の王子と愛のない政略結婚する事になった王女シャロン。
休戦中とはいえ、かつて敵国同士だった王子と王女。
てっきり酷い扱いを受けるとばかり思っていたのに婚約者となった王子、エミリオは予想とは違いシャロンを温かく迎えてくれた。
互いを大切に想いどんどん仲を深めていく二人。
仲睦まじい二人の様子に誰もがこのまま、平和が訪れると信じていた。
しかし、そんなシャロンに待っていたのは祖国の裏切りと、愛する婚約者、エミリオの裏切りだった───
※初投稿作『私を裏切った前世の婚約者と再会しました。』
の、主人公達の前世の物語となります。
こちらの話の中で語られていた二人の前世を掘り下げた話となります。
❋注意❋ 二人の迎える結末に変更はありません。ご了承ください。
愛されない花嫁はいなくなりました。
豆狸
恋愛
私には以前の記憶がありません。
侍女のジータと川遊びに行ったとき、はしゃぎ過ぎて船から落ちてしまい、水に流されているうちに岩で頭を打って記憶を失ってしまったのです。
……間抜け過ぎて自分が恥ずかしいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる