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エラルド
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今日もジュリア夢に見てしまった。
夢の中のジュリアはとても幸せそうに私に寄り添ってくれている。
そんなジュリアが愛おしくて夢なら醒めないでくれといつも願うからか、目が醒めて現実に打ちのめされてしまいそうになる。
あの男の妻となったとあの男が言ったときにそれをジュリアは全く否定してはくれなかった。
それでもまだ、書類上ジュリアは私の妻なんだ。離縁をした覚えもないし、することも絶対にありえない。
湖畔に佇む屋敷であの男と一緒に暮らすジュリアは、私にかつて見せていた穏やかな表情をあの男に見せていた。いや、私に見せていた以上の穏やかで幸せに満ちたと言った方が正しいのだろう。それを認めると何ともやるせなくなり、自分が情けなくなる。
ジュリアに近づきたいのに近づけなくて、気が付けば見知らぬ街に護衛らとともに佇んでいた。それからなんとか王城まで帰りついたのだが、魔法という力でこんなことも出来るのかと、あの男との力の差に呆然としてしまった。
あれから7年もの月日は流れ、住処を度々移動する二人に我が王国の追手はなかなか追いつけないでいる。弟カストがついに学園を卒業し二年経過した。私は27歳になっていた。
ジュリアがいつ戻って来ても誰にも文句は言わせないし、彼女が安心して居られる国であるようにと努力したおかげで、いつの間にか私は王として地位を確立し安定した生活を国民に与えることが出来ていた。
ここでもまたジュリアのおかげで国民の支持を再び得ることに成功していた。とにかく常に十年先を見越して、私にできることはすべてやり遂げた。
ついに時間がかかったがようやく弟カストに王位を譲位する準備が整った。
『そうなるかもしれないと思っていましましたよ、兄上。不器用ながらもおのれの過ちに向き合った兄上は立派でしたよ。さすが私の自慢の兄上だ。義姉上を探しに行かれるのでしょう?心置きなく探してきてください。私も、私をいつも気遣って下さった義姉上が無事にしておられるのか心配ですからねからね。どうぞ兄上お気をつけて。』
そう告げてきた弟に私は力強く頷いた。
これで心置きなくジュリアを探しに行ける。私を支えてくれた者たちに、これまで苦労を掛けた、感謝してもしきれないと礼を述べた。
私の退任を惜しんでくれた側近に感謝の気持ちを再び述べ、カストに王位を譲った。
『王妃ジュリアの献身のおかげで私が王として国を守ることが出来ていた。その王妃の献身をないがしろにして側妃を娶った自らの罪と、その側室が税金を無駄に使っていたことに長く気が付かなかった王としての罪、それから王妃を守れずに最後には犠牲にしてしまった罪を取って退任する。王妃は国民のために尽くしてくれた。そして私のためにもずっと尽くしてくれた素晴らしい王妃だった。出来損ないではない、私にとって唯一無二の王妃であり妻であった。』
私は国民の前で王妃ジュリアの献身と私の過ちを公表した。
国民は驚くこともせず静かに聞いているだけであった。
夢の中のジュリアはとても幸せそうに私に寄り添ってくれている。
そんなジュリアが愛おしくて夢なら醒めないでくれといつも願うからか、目が醒めて現実に打ちのめされてしまいそうになる。
あの男の妻となったとあの男が言ったときにそれをジュリアは全く否定してはくれなかった。
それでもまだ、書類上ジュリアは私の妻なんだ。離縁をした覚えもないし、することも絶対にありえない。
湖畔に佇む屋敷であの男と一緒に暮らすジュリアは、私にかつて見せていた穏やかな表情をあの男に見せていた。いや、私に見せていた以上の穏やかで幸せに満ちたと言った方が正しいのだろう。それを認めると何ともやるせなくなり、自分が情けなくなる。
ジュリアに近づきたいのに近づけなくて、気が付けば見知らぬ街に護衛らとともに佇んでいた。それからなんとか王城まで帰りついたのだが、魔法という力でこんなことも出来るのかと、あの男との力の差に呆然としてしまった。
あれから7年もの月日は流れ、住処を度々移動する二人に我が王国の追手はなかなか追いつけないでいる。弟カストがついに学園を卒業し二年経過した。私は27歳になっていた。
ジュリアがいつ戻って来ても誰にも文句は言わせないし、彼女が安心して居られる国であるようにと努力したおかげで、いつの間にか私は王として地位を確立し安定した生活を国民に与えることが出来ていた。
ここでもまたジュリアのおかげで国民の支持を再び得ることに成功していた。とにかく常に十年先を見越して、私にできることはすべてやり遂げた。
ついに時間がかかったがようやく弟カストに王位を譲位する準備が整った。
『そうなるかもしれないと思っていましましたよ、兄上。不器用ながらもおのれの過ちに向き合った兄上は立派でしたよ。さすが私の自慢の兄上だ。義姉上を探しに行かれるのでしょう?心置きなく探してきてください。私も、私をいつも気遣って下さった義姉上が無事にしておられるのか心配ですからねからね。どうぞ兄上お気をつけて。』
そう告げてきた弟に私は力強く頷いた。
これで心置きなくジュリアを探しに行ける。私を支えてくれた者たちに、これまで苦労を掛けた、感謝してもしきれないと礼を述べた。
私の退任を惜しんでくれた側近に感謝の気持ちを再び述べ、カストに王位を譲った。
『王妃ジュリアの献身のおかげで私が王として国を守ることが出来ていた。その王妃の献身をないがしろにして側妃を娶った自らの罪と、その側室が税金を無駄に使っていたことに長く気が付かなかった王としての罪、それから王妃を守れずに最後には犠牲にしてしまった罪を取って退任する。王妃は国民のために尽くしてくれた。そして私のためにもずっと尽くしてくれた素晴らしい王妃だった。出来損ないではない、私にとって唯一無二の王妃であり妻であった。』
私は国民の前で王妃ジュリアの献身と私の過ちを公表した。
国民は驚くこともせず静かに聞いているだけであった。
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