62 / 70
54
しおりを挟む
『なんでわかったんだあいつ…』
セーレが独り言ちた言葉を思い出して、セーレに何か良くないことが起きたのではないかと胸騒ぎがおさまりません。
ーーーー
「なんでお前がここにいる?」
「セーレ様、やっとセーレ様を見つけることが出来た…」」
「おい、どうやって俺の居場所が分かったんだ」
「セーレ様が魔界から出て行かれる瞬間に追跡獣をあなたの背中に…すぐにここにきてセーレ様の洗浄魔法で死んでしまったみたいですけれどもですけれどもおかげでセーレ様の後を追うことが出来た…セーレ様、セーレ様。会いたかった…」
「何度も伝えたはずだ。俺はお前が嫌いだ。」
「嫌い?ふふふっ。セーレ様ったらそんな回りくどい言い方をしなくとも分かっていますわ。嫌いの反対は好き。つまりセーレ様は私のことを愛してくださっておられるのよね?…嬉しい…セーレ様のためにセーレ様にまとわりつく女たちを殺して魔獣のえさにするのも楽しかったわ。下等魔族達の中に放り込むのも本当に愉快だったけど。ふふっ。それなのにいくら殺しても次から次に女たちがセーレ様にすり寄ろうとして…、まあそれだけセーレ様が素敵だって証明しているってことよね。もう邪魔者はいないわセーレ様。ここはちっぽけな人間の世界。さあ!もう何の遠慮もいらないわセーレ様!」
「相変わらず話が通じねーなー気持ち悪い女」
「やだっ…気持ち悪いだなんて…そんな誉め言葉をセーレ様にいただけるだなんてっ…ほかの男たちがどんなに私のことを愛でて来ても、セーレ様にはかなわないわ!一度も私に触れてくれないのはセーレ様だけ。それだけ私のことを…大事に想ってくれているのですよね?」
「いやいやいやいやないないない。断じてそれはない。おいおいおいおいおい、こっちに近寄るな殺すぞ。」
「またそんなことおっしゃって。セーレ様が出来損ないの王子って呼ばれても私は気にしないわ!魔族の王子なのに冷酷になり切れないそんなセーレ様も私ならすべて受け入れられる…うっ」
「いい加減うるせーんだよ。ぺらぺらぺらぺら喋りやがって。魔界に戻らねーっつうんなら殺すぞ。」
「セーレ様が私を殺す?ふふふっそんなこと言って、セーレ様が本当に私を殺すはずないじゃないですか。あら、あそこがセーレ様のお屋敷ね。さあセーレ様一緒に行きましょう。セーレ様の部屋でセーレ様と早く一つになりたいっ…」
「うっへー!鳥肌立った!馬鹿かお前は。お前とそんなことするわけねーだろ。頭がおかしいんじゃねえか?いや、とっくの昔からおかしいんだったな。おい、近づくなよ。やべーなお前…」
「…セーレ様…ん?なぜあなた様から人間の女の匂いがするのですか?もしかしてっ…」
もしかして人間の女をかこっている?…と小声でつぶやいた女の目が大きく見開き屋敷に視線を向けたことなど知る由もありませんでした。
セーレが独り言ちた言葉を思い出して、セーレに何か良くないことが起きたのではないかと胸騒ぎがおさまりません。
ーーーー
「なんでお前がここにいる?」
「セーレ様、やっとセーレ様を見つけることが出来た…」」
「おい、どうやって俺の居場所が分かったんだ」
「セーレ様が魔界から出て行かれる瞬間に追跡獣をあなたの背中に…すぐにここにきてセーレ様の洗浄魔法で死んでしまったみたいですけれどもですけれどもおかげでセーレ様の後を追うことが出来た…セーレ様、セーレ様。会いたかった…」
「何度も伝えたはずだ。俺はお前が嫌いだ。」
「嫌い?ふふふっ。セーレ様ったらそんな回りくどい言い方をしなくとも分かっていますわ。嫌いの反対は好き。つまりセーレ様は私のことを愛してくださっておられるのよね?…嬉しい…セーレ様のためにセーレ様にまとわりつく女たちを殺して魔獣のえさにするのも楽しかったわ。下等魔族達の中に放り込むのも本当に愉快だったけど。ふふっ。それなのにいくら殺しても次から次に女たちがセーレ様にすり寄ろうとして…、まあそれだけセーレ様が素敵だって証明しているってことよね。もう邪魔者はいないわセーレ様。ここはちっぽけな人間の世界。さあ!もう何の遠慮もいらないわセーレ様!」
「相変わらず話が通じねーなー気持ち悪い女」
「やだっ…気持ち悪いだなんて…そんな誉め言葉をセーレ様にいただけるだなんてっ…ほかの男たちがどんなに私のことを愛でて来ても、セーレ様にはかなわないわ!一度も私に触れてくれないのはセーレ様だけ。それだけ私のことを…大事に想ってくれているのですよね?」
「いやいやいやいやないないない。断じてそれはない。おいおいおいおいおい、こっちに近寄るな殺すぞ。」
「またそんなことおっしゃって。セーレ様が出来損ないの王子って呼ばれても私は気にしないわ!魔族の王子なのに冷酷になり切れないそんなセーレ様も私ならすべて受け入れられる…うっ」
「いい加減うるせーんだよ。ぺらぺらぺらぺら喋りやがって。魔界に戻らねーっつうんなら殺すぞ。」
「セーレ様が私を殺す?ふふふっそんなこと言って、セーレ様が本当に私を殺すはずないじゃないですか。あら、あそこがセーレ様のお屋敷ね。さあセーレ様一緒に行きましょう。セーレ様の部屋でセーレ様と早く一つになりたいっ…」
「うっへー!鳥肌立った!馬鹿かお前は。お前とそんなことするわけねーだろ。頭がおかしいんじゃねえか?いや、とっくの昔からおかしいんだったな。おい、近づくなよ。やべーなお前…」
「…セーレ様…ん?なぜあなた様から人間の女の匂いがするのですか?もしかしてっ…」
もしかして人間の女をかこっている?…と小声でつぶやいた女の目が大きく見開き屋敷に視線を向けたことなど知る由もありませんでした。
109
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
「だから結婚は君としただろう?」
イチイ アキラ
恋愛
ホンス伯爵家にはプリシラとリリアラという二人の娘がいた。
黒髪に茶色の瞳の地味なプリシラと、金髪で明るい色彩なリリアラ。両親は妹のリリアラを贔屓していた。
救いは、祖父母伯爵は孫をどちらも愛していたこと。大事にしていた…のに。
プリシラは幼い頃より互いに慕い合うアンドリューと結婚し、ホンス伯爵家を継ぐことになっていた。
それを。
あと一ヶ月後には結婚式を行うことになっていたある夜。
アンドリューの寝台に一糸まとわぬリリアラの姿があった。リリアラは、彼女も慕っていたアンドリューとプリシラが結婚するのが気に入らなかったのだ。自分は格下の子爵家に嫁がねばならないのに、姉は美しいアンドリューと結婚して伯爵家も手に入れるだなんて。
…そうして。リリアラは見事に伯爵家もアンドリューも手に入れた。
けれどアンドリューは改めての初夜の夜に告げる。
「君を愛することはない」
と。
わがまま妹に寝取られた物語ですが、寝取られた男性がそのまま流されないお話。そんなことしたら幸せになれるはずがないお話。
旦那様に離縁をつきつけたら
cyaru
恋愛
駆け落ち同然で結婚したシャロンとシリウス。
仲の良い夫婦でずっと一緒だと思っていた。
突然現れた子連れの女性、そして腕を組んで歩く2人。
我慢の限界を迎えたシャロンは神殿に離縁の申し込みをした。
※色々と異世界の他に現実に近いモノや妄想の世界をぶっこんでいます。
※設定はかなり他の方の作品とは異なる部分があります。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる