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いきなり執務室に現れたロレッタ様は扉を閉めると背後にいた三人の近衛兵に目配せします。 

「王妃様、こちら、私しからの贈り物ですわよ。いつもエラルドを独占してしまっているから申し訳なくって。寂しくてたまらない癖に意地張って!ふふふっ。ああ、あなたたち、私はエラルドをここに連れて来るから王妃様を先に楽しませてあげなさい。」 

「あなたたちがこんなことをしてただで済むとは信じられないけれど、引き返すのなら今のうちよ?陛下だって今度ばかりはロレッタ様の言うことを信じることはないわ。」 

「…王妃だからっていい気になって。あなたが攫われたままだったらよかったのに。あなたが王宮に戻って来てエラルドは変わってしまったわ…どうして私に触れてくれないのよ!!あなたがあなたがエラルドに余計ななにかをふきこんだんでしょう!?」 

青筋を立ててにらみつけて来るロレッタ様の怒りの矛先が私に向けられているのだと理解しましたが、はっきり言ってエラルドとロレッタ様の関係など私にはもう何の関心もないのです。

「勘違いされているのねロレッタ様?私にはあなたと陛下がどうなろうと関心はないの。」

「嘘…絶対に嘘よ。ねえ王妃様?悔しかったんでしょう?私だけエラルドが構うから。ふふふ。だからこれは私からの心ばかりの謝罪の気持ちです。受け取って頂けると嬉しいですわー!」

そう言ってからロレッタ様が部屋を去ってから、近衛兵の制服をかぶっている男たちが、女の喧嘩は怖いなあなどとのんきに鼻で笑いながら私に近づいてきました。 

「…あなた達、本当に自分が何をしようとしているか分かっているの?」 

「ええ、もちろんですとも王妃陛下。なに大丈夫。ロレッタ様が私たちを守ってくださる。この期に及んでわたくしどもを心配してくださってるんですか?」 

 

ゆっくりと近づいてきた男たちが私の両腕を捕らえました。 

「王妃陛下、助けは求めないのですか?」 

「求めたところで誰か助けに来てくれるのかしら…?」 

男たちによってソファーまで引きずられて行きます。 

目の前で男が上着とシャツを脱ぎ捨てて私のドレスに手をかけてきました。 

「はっ、さすがは王妃様だ。窶れても元が良いからドレスの上から見ただけでもそそるぜ…」 

「ああ、たまらないな…」 

 

鼻息荒くどんどん私の衣装を引き裂くようにはぎとっていく男たちに為す術もありません。 

 

ドンドンッ 

「本当なのかロレッタ?!」 

「ええ!先ほど見かねた侍女から報告が…嫌がる見目の良い近衛兵ばかりを無理やり部屋に誘い込んで王妃様ともあろう方が…」 

バンッ!! 

視線の先には息を切らしたエラルドがおりました。
そして愚かにも助けてもらえるという希望を抱いてしまったのです。

「ジュリア!!なんてことだ…この者たちを解放するんだ…君はなぜこんなことを…」 

「なんてこと!やっぱり王妃陛下が見目のいい男たちと淫らなことをしているって侍女たちの言ってたことは本当だったのね! 

「陛下、私は何もしておりません。」 

「ジュリア…なぜなんだ?なぜこんなことを…私のせいだ…私が君を蔑ろにしてしまったから」 
か…?」
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