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私はロプノール王国エラルド王太子の婚約者であり、リベラート公爵家の長女で優秀な兄アデルモと妹ラウラがおります。 

 

「父上、母上、お待たせいたしました。」 

「ああ、アデルモ。私たちも今準備が出来たばかりだ。ラウラはまだ準備しているのか?」 

「恐らくそうでしょう。しかしたまにはジュリアにも王太子妃教育を休ませることはできないのですか?あれでは体に限界が来るでしょう。今日くらい「それはならん。王家を、ましてやこの国を支えていくためには、あれしきのことで音を上げるなどもってのほかだ。」」 

「しかし…」 

「お父様、お母様、お兄様、お待たせいたしました。」 

「ああ、ラウラ。そのドレスを着たのね?とてもよく似合っているわ。」 

「ありがとうございます、お母様。お母さまが見立てて下さったおかげですわ。」 

「それはあなたがこの間の中間試験で学年で一位の成績優秀者になった御褒美よ。さすが私たちの娘だわ。ねえ、あなた。」 

「ああ、ラウラもアデルモも本当によくできた自慢の子供だ。それに引き換えジュリアは。もっと要領よくこなしていけばいいものを。確かに学年にいる間は成績も一位を維持しておったし王太子妃教育もこなしているようだが、要領が悪すぎる。学園が終わって少し私の仕事を回しただけであのように疲れた顔をいつも見せられるこちらの立場にもなってみろ。」 

「お父様、お姉さまをそんなにおっしゃらないで。かわいそうですわ。」 

「まあ、ラウラは本当にやさしい子ね。」 

「ちなみにジュリアには何か褒美を与えたのですか?母上。」 

「まさか、ラウラならともかく、ジュリアはこの公爵家の長女なのよ?できて当たり前なのにわざわざそんなことで褒美を与える必要などないわ。ねえ、あなた?」 

「ああ、そのとおりだ。さあ、そんなつまらん話をしてないで出発しようか。」 

「ええ、お父様!本当に楽しみ!あら?お姉さま?どうされたのですか?まさか一緒に出掛けるおつもりでいらっしゃったの?」 

「ラウラ…わたくしは家族で出かけるとあなたから聞いたものだから…」 

「ジュリア、お前は王太子妃教育があるだろう。またそんな陰気な顔をして。このリベラート公爵家の長女として笑われないように気をつけなさい。」 

「父上、それは少し言い過ぎでは。ジュリアも頑張っておりますし今日くらい息抜きしても誰も文句は言えないのでは?」 

「アデルモ、お前はジュリアに甘すぎるぞ。リベラート公爵家嫡男としてお前は出来のいい自慢の息子であるというのに。」 

「お兄様、わたくしは大丈夫ですのでお出かけになってください。」 

「しかしジュリア…」 

「さあ、行くぞアデルモ。」 

「行ってまいりますねジュリアお姉さま。さあ、お兄様も参りましょう?」 

いつものことですのに胸がチクリと痛むのはわたくしが弱い人間だからでしょうか。
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