18 / 51
面白い冗談
しおりを挟む
「このような言い方を殿下にしては失礼だと重々承知しておりますが…。私は、この国の民の為に第二妃として王太子妃様の業務を肩代わりしているだけで、別にプリシア様と殿下に感謝されるいわれは全くございません。
それに私はダグラス様と適切な距離を保っておりますし、これまでダグラス様以外、私に手を差し伸べてくださる方がおりませんでしたので。幸せとは無縁のこの状況で、ずっと一人で耐えてきましたのよ。
長年婚約者として時間を共にしてきた殿下が、結果二人も妻を娶られたとうのに。たかだか第二妃の私などに側近としてダグラス様がついてくださったからといってまさか嫉妬したなんて…。殿下も本当に面白いご冗談をおっしゃいますわね。」
ふふふっと笑みを溢したエルザの瞳は凍ったように冷ややかだった。
「そっ...それは.....しっ、しかし...エルザは私と夫婦になって幸せではないというのか…?
…そうか...エルザ…。....私と夫婦になってつらい思いをさせていたのか...そうか。
私のつまらない嫉妬で君の気分を害してしまった。…すまなかった。...ダグラス......エルザを頼んだ…。」
幼いころからの婚約者は、エルザをねぎらうどころかダグラスが自分の傍にいることが気に入らなかったという理由で久々に会いに来た。
そんなことで簡単に自分に会いにこれるのなら、なぜ今まで、時折こうして自分に会いに来てくれなかったのかと思う。
まだ第二妃となって数か月だが、今回のルーカスのこの的外れな言動は、これまで負の感情を抑え込んでいたエルザの怒りの琴線にたやすく触れてしまった。
浮気した挙句二人も妻を娶った事を棚に上げて、放置している妻に異性の側近がついたから嫉妬したなど愚かにも程がある。
去り際にエルザを頼むと言いながらも、ダグラスを睨みつけるようにして出ていったルーカスに、さらなる落胆と嫌悪の気持ちが沸き起こったエルザであった。
思わず大きなため息を吐いたエルザと、面白いものを見たような顔をしたダニエルは、互いに目を合わせた途端、同時に噴き出したのだった。
それ以降、ダグラスが常にエルザと行動を共にするようになった影響で、周囲の心ない声や視線が以前のようにエルザまで頻繁に届くことがなくなった。
そしてダグラスは城下の人気店のデザートを頻繁にエルザに差し入れするようになった。
ダグラスのおどけた会話を交え、二人でダグラスの差し入れのデザートでお茶の時間を共にするようにもなり、徐々にエルザは笑顔を取り戻していったのだった。
それに私はダグラス様と適切な距離を保っておりますし、これまでダグラス様以外、私に手を差し伸べてくださる方がおりませんでしたので。幸せとは無縁のこの状況で、ずっと一人で耐えてきましたのよ。
長年婚約者として時間を共にしてきた殿下が、結果二人も妻を娶られたとうのに。たかだか第二妃の私などに側近としてダグラス様がついてくださったからといってまさか嫉妬したなんて…。殿下も本当に面白いご冗談をおっしゃいますわね。」
ふふふっと笑みを溢したエルザの瞳は凍ったように冷ややかだった。
「そっ...それは.....しっ、しかし...エルザは私と夫婦になって幸せではないというのか…?
…そうか...エルザ…。....私と夫婦になってつらい思いをさせていたのか...そうか。
私のつまらない嫉妬で君の気分を害してしまった。…すまなかった。...ダグラス......エルザを頼んだ…。」
幼いころからの婚約者は、エルザをねぎらうどころかダグラスが自分の傍にいることが気に入らなかったという理由で久々に会いに来た。
そんなことで簡単に自分に会いにこれるのなら、なぜ今まで、時折こうして自分に会いに来てくれなかったのかと思う。
まだ第二妃となって数か月だが、今回のルーカスのこの的外れな言動は、これまで負の感情を抑え込んでいたエルザの怒りの琴線にたやすく触れてしまった。
浮気した挙句二人も妻を娶った事を棚に上げて、放置している妻に異性の側近がついたから嫉妬したなど愚かにも程がある。
去り際にエルザを頼むと言いながらも、ダグラスを睨みつけるようにして出ていったルーカスに、さらなる落胆と嫌悪の気持ちが沸き起こったエルザであった。
思わず大きなため息を吐いたエルザと、面白いものを見たような顔をしたダニエルは、互いに目を合わせた途端、同時に噴き出したのだった。
それ以降、ダグラスが常にエルザと行動を共にするようになった影響で、周囲の心ない声や視線が以前のようにエルザまで頻繁に届くことがなくなった。
そしてダグラスは城下の人気店のデザートを頻繁にエルザに差し入れするようになった。
ダグラスのおどけた会話を交え、二人でダグラスの差し入れのデザートでお茶の時間を共にするようにもなり、徐々にエルザは笑顔を取り戻していったのだった。
435
あなたにおすすめの小説
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
完結 この手からこぼれ落ちるもの
ポチ
恋愛
やっと、本当のことが言えるよ。。。
長かった。。
君は、この家の第一夫人として
最高の女性だよ
全て君に任せるよ
僕は、ベリンダの事で忙しいからね?
全て君の思う通りやってくれれば良いからね?頼んだよ
僕が君に触れる事は無いけれど
この家の跡継ぎは、心配要らないよ?
君の父上の姪であるベリンダが
産んでくれるから
心配しないでね
そう、優しく微笑んだオリバー様
今まで優しかったのは?
あなただけが私を信じてくれたから
樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。
一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。
しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。
処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。
【完結】最後に貴方と。
たろ
恋愛
わたしの余命はあと半年。
貴方のために出来ることをしてわたしは死んでいきたい。
ただそれだけ。
愛する婚約者には好きな人がいる。二人のためにわたしは悪女になりこの世を去ろうと思います。
◆病名がハッキリと出てしまいます。辛いと思われる方は読まないことをお勧めします
◆悲しい切ない話です。
私があなたを好きだったころ
豆狸
恋愛
「……エヴァンジェリン。僕には好きな女性がいる。初恋の人なんだ。学園の三年間だけでいいから、聖花祭は彼女と過ごさせてくれ」
※1/10タグの『婚約解消』を『婚約→白紙撤回』に訂正しました。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる