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巻き戻り後
今度こそ幸せに
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本当に巻き戻ってしまった驚きと、アイシャが生きて自分と共に在るという現実に歓喜しつつ、商談の為馬車に乗り込んだ。
もしも自分の記憶があっていればこの商談が終えた帰りにリズリーに出会うはずだ。
会ってしまえば、魅了に駆けられてしまう…。
しかし、リズリーを捕らえるには絶好の機会だがその前に魅了一家のことを王に伝えなければ意味がない…。
考えあぐねているうちに馬車は商談会場に到着してしまった。
何とか商談を無事に終えたレオナルドは、そこから動こうとせず手紙をしたため、それを巻き戻り前に助けてくれた神官の元へすぐに持っていくよう従者に頼んだ。
従者は急ぎその神官の元へ向かい、レオナルドはその神官がやってくるのを待った。
ようやくやって来た神官はレオナルドの話を真面目に聞き、魅了一家がまだ生き残っている可能性を信じてくれたようだった。
魅了の被害が出る前に直接王に伝えた方がよいと判断した神官は、レオナルドを引き連れ王宮に向かった。
しかし、巻き戻った今回は、レオナルドの乗っていない空の馬車を走らせ屋敷に向かわせ、代わりに自分たちは平民の使う辻馬車でむかうことにした。
案の定、リズリーと馬車がぶつかりそうになったが、レオナルドが乗っていなかったうえに御者が年老いた者だったからかそこで魅了の被害が出ることはなかった。
急な王への面会を要望したために、かなりの時間を待たされてしまった神官とレオナルドだった。
そして、その二人の話を聞いた王はいまだに魅了一族が生き残っていたことに驚愕し、すぐに一族を捕らえるため動き出した。
それから今回は絶対にだれ一人逃さないようにと命を受けた者たちの動きは早く、リズリーを含む一族全員を捕らえたと知らせを受けたレオナルドは安堵した。
「おかえりなさい、レオ。」
「ただいま、アイシャ。はい、これを君に。」
そう言ってレオナルドは99本の薔薇の花束をアイシャに手渡して両手で抱き上げ寝室に向かった。
突然のことに薔薇の花のように真っ赤になってしまったアイシャに、寝室についたレオナルドはキスを送り続けた。
「愛してるよ、アイシャ。君だけを永遠に愛すると誓うよ…。」
キスの嵐に息も絶え絶えな妻をそのままベッドに連れて行ったレオナルドは、我を忘れてアイシャにその重すぎる愛を一晩中伝えた。
レオナルドが巻き戻ったことはアイシャに言わないと決めている。
愛するアイシャには幸せな時間だけを与えてると決めているからだ。
その後三人の子供に恵まれた夫婦は、その生涯が終えるまでおしどり夫婦として幸せな人生を送った。
アイシャがその生涯を終えるとその後を追うようにレオナルドも追っていった。
もしも自分の記憶があっていればこの商談が終えた帰りにリズリーに出会うはずだ。
会ってしまえば、魅了に駆けられてしまう…。
しかし、リズリーを捕らえるには絶好の機会だがその前に魅了一家のことを王に伝えなければ意味がない…。
考えあぐねているうちに馬車は商談会場に到着してしまった。
何とか商談を無事に終えたレオナルドは、そこから動こうとせず手紙をしたため、それを巻き戻り前に助けてくれた神官の元へすぐに持っていくよう従者に頼んだ。
従者は急ぎその神官の元へ向かい、レオナルドはその神官がやってくるのを待った。
ようやくやって来た神官はレオナルドの話を真面目に聞き、魅了一家がまだ生き残っている可能性を信じてくれたようだった。
魅了の被害が出る前に直接王に伝えた方がよいと判断した神官は、レオナルドを引き連れ王宮に向かった。
しかし、巻き戻った今回は、レオナルドの乗っていない空の馬車を走らせ屋敷に向かわせ、代わりに自分たちは平民の使う辻馬車でむかうことにした。
案の定、リズリーと馬車がぶつかりそうになったが、レオナルドが乗っていなかったうえに御者が年老いた者だったからかそこで魅了の被害が出ることはなかった。
急な王への面会を要望したために、かなりの時間を待たされてしまった神官とレオナルドだった。
そして、その二人の話を聞いた王はいまだに魅了一族が生き残っていたことに驚愕し、すぐに一族を捕らえるため動き出した。
それから今回は絶対にだれ一人逃さないようにと命を受けた者たちの動きは早く、リズリーを含む一族全員を捕らえたと知らせを受けたレオナルドは安堵した。
「おかえりなさい、レオ。」
「ただいま、アイシャ。はい、これを君に。」
そう言ってレオナルドは99本の薔薇の花束をアイシャに手渡して両手で抱き上げ寝室に向かった。
突然のことに薔薇の花のように真っ赤になってしまったアイシャに、寝室についたレオナルドはキスを送り続けた。
「愛してるよ、アイシャ。君だけを永遠に愛すると誓うよ…。」
キスの嵐に息も絶え絶えな妻をそのままベッドに連れて行ったレオナルドは、我を忘れてアイシャにその重すぎる愛を一晩中伝えた。
レオナルドが巻き戻ったことはアイシャに言わないと決めている。
愛するアイシャには幸せな時間だけを与えてると決めているからだ。
その後三人の子供に恵まれた夫婦は、その生涯が終えるまでおしどり夫婦として幸せな人生を送った。
アイシャがその生涯を終えるとその後を追うようにレオナルドも追っていった。
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